関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

東京国立博物館の案内 【2019年04月】

令和になって初の記事は写真多めです。前回ご紹介した東京国立博物館で特別展を観てきた際、常設も観てきました。いつもどおり写真を撮ってきましたので、それを使ってご紹介していこうと思います。

 ※ここの常設はルールさえ守れば写真が撮れます。(撮影禁止の作品もあります)
 ※当サイトからの転載は画像・文章ともに一切禁止させていただいております。


今回も観て周った順にご紹介していこうと思います。なお、今回は本館8室と11室は「平成31年 新指定 国宝・重要文化財」という展示で撮影不可となっていました。こちらはメモを取らなかったので記事にしませんが、新たに指定される国宝3件、重要文化財41件、追加・統合指定される重要文化財1件の合計45点という中々貴重な内容でした。
 参考リンク:https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1963
 会期:2019年4月16日(火)~5月6日(月)


後藤貞行 「馬」
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こちらは明治天皇の馬であった金華山号をモデルにした馬の像。たてがみが翻るなど躍動感溢れる表現で堂々たる雰囲気です。写実を徹底する為に馬の解剖もしたことがあるのだとか。

速水御舟 「京の舞妓」
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こちらは大正9年の作で、速水御舟が写実に傾倒していた頃の作品。特に顔が不気味なほどリアルw それでも着物なんかは装飾的で優美さがありました。

藤岡保子 「万葉集」
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こちらは大正の終わり頃に全20巻の万葉集を書写した一部で、書いたのは徳川斉昭の孫に当たる女性です。ここで注目は右上にある赤い印の所の「和」の字で、これは令和の「和」に当たる部分です。惜しくも令の字とページが分かれてる!w 

こちらはコピーで、前のページと共に展示されています。ちゃんと令と和が書かれていました。印もついて分かりやすいw
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新元号発表の直後に用意してくるとは流石ですね。元号ばかり目が行きますが、藤原佐理や藤原定家などに学んだという流れるような字も見事でした。

松林桂月 「渓山春色」
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今回は元号が変わる直前で「皇室と文化」に関連して帝室技芸員の作品が多々ありました。竹林の間の渓流を描いていて、所々の竹が勢いよく感じました。それまでの日本画とはことなる写実的なものを感じます。

鈴木春信 「寄山吹」
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美人画で特に有名な鈴木春信の作品。この顔が特徴的なのでひと目で分かりますw 後の浮世絵に比べると色合いは抑えているように思えますが、鈴木春信らの活躍によって多色摺り版画は進化して行くことになります。可憐な雰囲気がよく出ていました。

勝川春章 「遊女と燕図」
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こちらも美人画の名手 勝川春章の肉筆画。燕が舞う姿を観て風流な場面となっています。当時から勝川春章は絶大な人気で、肉筆画も値千金と言われていたのだとか。流石は葛飾北斎の師匠です。

歌川広重 「名所江戸百景・鎧の渡し小網町」
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蔵がずら~~~っと並ぶ壮観な光景を描いた作品。遠近感とリズム感があって面白い構図です。左に突き出た舳先みたいなのも大胆で驚かされます。

「埴輪 踊る人々」 埼玉県熊谷市 野原古墳出土
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埴輪のイメージそのものと言った感じの埴輪w 左右で目の位置が違ったり、手の先が尖ってたり割と造形が緩くて可愛いw 

今回は特別展の東寺展に合わせて国宝室は最澄による羯磨金剛目録でした(撮影不可。最澄が持ち帰った宝物を書いた目録) また、仏像や曼荼羅の揃えがいつもより充実していたように思います。

「仏眼曼荼羅図」
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こちらは災難を除き福を生じさせる仏眼法の本尊で用いるものだそうで、仏眼は仏の目の働きを人格化した密教独特の理論上の仏なのだとか。ちょっと仏達の配置が独特に思えるかな。色も強くて見応えがありました。

「弘法大師像」
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こちらは東寺展で観た弘法大師像とよく似た顔で描かれていました。日本史上でもトップクラスに賢い人だけに理知的な表情に思えました。

「一字宝塔法華経巻第一(心西願経)」
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金字1字ごとに銀泥の宝塔で囲っているお経。こんなお経があるとは初めて知りました。往生極楽を願って書いたそうですが、これは途方もなく手間がかかりそうですね。

伝・土佐光則 「源氏物語図屏風(若菜上)」
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猫が飛び出して御簾がまくれ、柏木が女三宮の顔を観て恋に落ちるシーンを描いた屏風。右上辺りで猫がダッシュしてますw ちらっと女三宮も顔をのぞかせていて、雅な中に決定的瞬間があって面白いw

狩野永岳 「舞楽図屏風」
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舞楽の様子を描いた作品。私には蘭陵王しか分かりませんが、人々の配置やポーズが流れるようで心地よく感じました。

この隣の部屋が新指定の展示となっていました。そこは撮影できなかったので割愛。

「楼閣人物螺鈿八角壺」
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こちらは17世紀の第二尚氏時代の琉球の螺鈿の漆器。八角形は珍しいそうで、周りには小鳥などが表されていました。中国 明時代後期の螺鈿技法からの影響が観られるのだとか。

堀田正敦(編) 「禽譜 山禽1」
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こちらは図譜で、フクロウの類いが描かれていました。むしろ木菟かな。写実的なようでマスコット的な感じがツボでしたw

今回、1階の奥では密教の仏像特集をやっていました。

「如意輪観音菩薩坐像」
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片膝を立てて物思いに耽る姿が優美な菩薩像。ちょっとこちらを観ているような目にも見えました。

「愛染明王坐像」
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こちらは愛欲の煩悩を昇華して悟りに至らせる仏。真っ赤でちょっと怖い顔をしていますが、様々な願いに応えてくれるのだとか。非常に存在感のある仏像です。

「大日如来坐像」
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密教で最も重要な仏は大日如来です。智拳印を組んで静かな佇まいです。割と細身に見えるのは平安時代後期の特徴なのだとか。

この他にチベット仏教の仏像なんかもありました(普段は東洋館にいる仏像です)


ということで、今回は東寺展に寄せた内容となっていて、延長線のような感じでした。令和に関する品や 新指定の国宝なども一気に観られたし、非常に充実していたと思います。特別展並の見ごたえがあるので、この博物館に行く際は常設も合わせて観ることをおすすめします。


 参考記事:
   東京国立博物館の案内 【建物編】
   東京国立博物館の案内 【常設・仏教編】
   東京国立博物館の案内 【常設・美術編】
   東京国立博物館の案内 【2009年08月】
   東京国立博物館の案内 【2009年10月】
   東京国立博物館の案内 【2009年11月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】
   東京国立博物館の案内 【2009年12月】 その2
   東京国立博物館の案内 【2010年02月】
   東京国立博物館の案内 【2010年06月】
   東京国立博物館の案内 【2010年11月】
   博物館に初もうで (東京国立博物館 本館)
   本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2011年02月】
   東京国立博物館の案内 【2011年07月】
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   博物館に初もうで 2012年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館140周年 新年特別公開 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2012年03月】
   東京国立博物館の案内 【秋の庭園解放 2012】
   東京国立博物館の案内 【2012年11月】
   博物館に初もうで 2013年 (東京国立博物館 本館)
   東洋館リニューアルオープン (東京国立博物館 東洋館)
   東京国立博物館の案内 【2013年04月】
   東京国立博物館 平成25年度 秋の特別公開 (東京国立博物館)
   東京国立博物館の案内 【2013年12月】
   博物館に初もうで 2014年 (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2017年08月】
   東京国立博物館の案内 【2017年09月】
   マジカル・アジア(前編)【東京国立博物館 東洋館】
   マジカル・アジア(後編)【東京国立博物館 東洋館】
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   東京国立博物館の案内 【2018年07月】
   東京国立博物館の案内 【2018年10月】
   博物館に初もうで 2019年 (東京国立博物館 本館)
   博物館に初もうで イノシシ 勢いのある年に (東京国立博物館 本館)
   東京国立博物館の案内 【2019年02月】
   東京国立博物館の案内 【2019年04月】

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