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松岡コレクション 元気な文様たち 五彩・青花を中心に 【松岡美術館】

今日も写真多めです。前回ご紹介した松岡美術館の展示を観た後、隣の部屋で同時開催の「松岡コレクション 元気な文様たち 五彩・青花を中心に」という展示も観てきました。こちらも撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 松岡コレクション 元気な文様たち 五彩・青花を中心に

【公式サイト】
 http://www.matsuoka-museum.jp/exhibition/exhibition.html

【会場】松岡美術館
【最寄】白金台駅

【会期】2019年2月20日(水)~6月1日(土)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は松岡美術館の中国磁器のコレクション展で、明時代の青花と五彩を中心に紹介する内容となっています。青花は元時代に完成された技法ですが、この時代にさらに素材・技術の度をましたようです。明時代中期になると白磁の美しさを活かした端正な文様構成と精緻な作りは緊張感を欠いていったようですが、代わりに自由闊達な筆運びや勢いが加わりエネルギッシュな作風へと展開したようです。この展示も撮影可能となっていましたので、詳しくは写真を使ってご紹介していこうと思います。

「青花双龍文水注」 明時代 景徳鎮窯
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白地に青が映える青花らしい作品。絵柄だけでなく水注の形もS字の口などが優美でした。

「青花龍文瓢形瓶」 明時代 景徳鎮窯
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こちらは瓢箪型の瓶。側面にも規則正しく精緻に紋様が施されています。この時期に大変好まれた形らしく、いくつか同じような作品がありました。

「五彩龍文大壺」 明時代 景徳鎮窯
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こちらは空白の縦溝で6面に区切って模様を付けた作品です。色鮮やかで青花にはない濃厚な雰囲気に思えます。つまみにいるのは麒麟とのことでした。

「青花蓮池水禽文壺」 明時代 景徳鎮窯
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水辺の生き物達を描いた壺。パターン化されているようにも見えますが、揺らめくような葉っぱなどが風流に思えました。

「五彩魚藻文壺」 明時代 景徳鎮窯
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まさに五彩と言えるカラフルな色彩感覚が軽やかです。金魚のオレンジ色は黄色の上に薄く赤を塗って、さらに鱗などを赤で線描しているのだとか。高い技術が使われた作品です。

「五彩獅子唐草文壺」 明時代 景徳鎮窯
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こちらは重厚な色彩と精緻な紋様となっていました。ちょっと間抜けな顔をした獅子が可愛いw 獅子と牡丹はセットで描かれることが多いです。

「青花飛龍霊獣文合子」 明時代 景徳鎮窯
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龍を中心に、側面に沢山の動物が描かれた合子。麒麟などの霊獣の姿もあるかな。解説によると龍のポーズにいまいち締まりがなく意味不明な図様もあるとのことですが、格式張らない柔軟な発想でユニークな紋様となっているようでした。

「五彩金襴手人物図仙さん瓶」 明時代 景徳鎮窯
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金襴手という割に金彩が無いですが、これは摩耗してしまったようです。高士と従者を描いた作例は珍しいそうで、なんだか緩い漫画のような感じが可愛らしかったですw

「黄地紅彩龍文壺」 明時代 景徳鎮窯
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こちらは黄色と赤の色が非常に強く感じられます。龍の目がくりっとしていてトボけた感じが可愛かったw

「五彩霊芝文方合」 明時代 景徳鎮窯
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この植物は霊芝らしく色とりどりで白に色が映えています。蓋に小さい穴があるのですが、これは温かい料理の蒸気がこもらないためのようです。中に何を入れて食べたのか気になりますねw

「五彩龍鳳文合子」 明時代 景徳鎮窯
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S字の区切りがあり、中の模様が龍と鳳凰は区切りごとに交互に描かれているようです。どこか ゆるキャラみたいな龍とかいてのびのびした雰囲気に思えました。

「五彩魚藻文柑子口瓶」 明時代 景徳鎮窯
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魚は余と同音のため豊かな生活に繋がる吉祥、海老は難所を乗り越える吉祥、蟹は官吏試験の上位3名の「一甲」を連想させる吉祥の紋様だそうです。自由な雰囲気で色のバランスも良く、この展示の中でも特に気に入りました。

「五彩百蝠文壺」 明時代 景徳鎮窯
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蝙蝠の蝠は福と発音が似ているので吉祥の動物とされています。下の方は「福は東海の如く」という成句を表しているそうで、いずれもおめでたい図様です。こちらも色彩のリズムと蝙蝠の軽やかさが面白い作品でした。

「五彩人物図面盆」 明時代 景徳鎮窯
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こちらは側面に様々な場面が描かれた作品。何の題材か分かりませんが絵巻のように連なっているのが面白く感じました。

「五彩神仙図壺」 明時代 景徳鎮窯
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こちらも人物を表した作品。ちょっとゆるめですが、神仙ということなので仙人などでしょうか。大らかな雰囲気がありました。

「五彩帆船図大盤」 明時代 しょう州窯
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こちらは官窯の景徳鎮を真似た地方の窯による作品。しかしひと目で景徳鎮とは異なる色彩感覚になっているのが分かります。船などのモチーフも違っているし、景徳鎮とは異なる個性を感じました。

「柿釉双龍文大盤」 明時代 しょう州窯
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最後にこちらは茶色地に白の紋様というこれまで観た作品とは大きく異なる感性の作品。抽象画のようなデザインもモダンに感じられました。


ということで、明時代の多様な磁器を観ることができました。特に五彩は色彩豊かで華があります。この展示は常設の一部なので、もし松岡美術館に行くのであれば、こちらにも寄ることをおすすめします。

おまけ:
 この美術館はいつもは ぐるっとパスの提示で入れるのですが、2019年度はぐるっとパスに参加していないようでした。6月から長期休館に入るからかな。

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