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【さいたま市大宮盆栽美術館】の案内

今日は写真多めです。先週の土曜日に埼玉県の土呂(大宮の隣の駅)にある さいたま市大宮盆栽美術館に行ってきました。一部で撮影可能となっていましたので写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【公式サイト】
 http://www.bonsai-art-museum.jp/ja/

【会場】さいたま市大宮盆栽美術館
【最寄】土呂駅

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この美術館は盆栽をテーマにした展示を行っていて、常設だけでなく企画展も行われ盆栽に関する様々な事柄を紹介しています。この美術館のある一帯は盆栽町という名前で盆栽が盛んな地域で、関東大震災の後に多くの盆栽職人が移り住んできたことで盆栽の街になったようです。盆栽というと年寄りの趣味というイメージがありますが、むしろ海外で高い評価を得ているようで この日も多くの外国人観光客が訪れていました。むしろ聞こえてくる会話の半分以上は英語だったような…w 常設では一部が撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います

この美術館にはブログ休止中にも訪れたことがあるのですが、季節によって展示内容も変わるところがあるようです。
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今回はさつきの盆栽の展示がありました。(2019年6月16日まで) ロビーのこの作品だけ撮影可能でしたが他にもいくつか常設内にあって、見事な花を咲かせていました。

こちらもロビーから観た光景。
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この写真で見えている場所では撮影できないですが、見事な盆栽ばかりです。

こちらは2回のテラスから撮った光景。
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それほど広くはないものの、多くの盆栽が展示されています。奥にあるのは企画展の部屋です。

常設に入ると、盆栽の見方についての解説がありました。私は盆栽について全くの無知なのでこれは中々嬉しい解説です。盆栽に関しては祖父の盆栽の松の葉っぱをむしって怒られた記憶しか無いので…w

まず盆栽は正面と裏があるようです。盆栽家は見所を見極めて正面に鉢を植えるので、正面が最も見栄えするようです。また、盆栽は下から見上げるように観るのもポイントらしく、盆栽は大樹の姿を凝縮しているので下から見ると大樹の威容を感じられるそうです。
続いて、根の張り具合(根張り)も見所で、あらゆる方向に根を張る「八方根張」が理想とされるようです。また、もみじ等は甲羅状に広がる「盤根」という根張りが良いらしく、写真付きで解説していました。
次に幹は「立ち上がり」という根本から最初の枝までの部分が重要らしく、そこから上に向かって伸び広がることで大木のような迫力を生むそうです。一方、枝は「枝ぶり」といってバランス良く見苦しい「忌み枝」が無いのが良いとされるようです。また、そこから伸びる葉っぱについても同じ品種でも個性があるとのことでした。後の方に盆栽の形の整え方の解説もあるのですが、針金などで整えているようで相当に手間がかかるようです。私が葉っぱを引っこ抜いて怒られたのも当然ですねw
他にも「ジン(神)」と「シャリ(舎利)」という木肌についての解説もありました。これは後ほど写真でご紹介しますが、幹や枝の一部が枯れたもので、松の真柏は白い肌を見せることがあるようです。それがコントラストを生むようで枝先の枯れをジン、幹の枯れをシャリと呼ぶのだとか。

盆栽の見方の後には盆栽村の歴史が紹介されていました。先述の通り関東大震災の後に団子坂の盆栽業者が移ってきたことなどが書かれています。そして、その後には3つの和室があり、真・行・草の格式それぞれの飾り方を示していました。やはり真が一番格式が高く感じられるかな。何となく盆栽にも格式に応じたものがあることが分かります。(ここは撮影禁止。外国人は撮りまくってましたがw)

その後は庭にある盆栽を見ていくことになります。この一角は撮影可能です。
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割と近づいて観られるので先程学んだ見方を早速実践することができますw

「黒松」 (推定樹齢120年)
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非常に立派な松で、こんもりして整った枝ぶりでした。それほど大きくないのに威厳が半端ないw

下から見るとこんな感じ。
DSC08604.jpg
背景次第では大木の写真に見えるのではないでしょうか。まさに大樹を感じさせますね。

「真柏」 (推定樹齢350年)
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こちらは先程の「シャリ」の肌となっていました。白くなって何だか神々しい。白に緑が映えます。

「五葉松」 (推定樹齢120年)
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こちらはもはや松林!w 大きさ以上に大きく見えるのが何とも不思議です。枝や幹の伸び方も勢いを感じさせました。

盆栽というと松のイメージですが、他にも色々ありました。

「山もみじ [紅陵]」 (推定樹齢120年)
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こちらはもみじ。やはり大木みたいな形をしています。根張が甲羅状というのも何となく分かるかな? うねっていて迫力ありました。

「五葉松 [舞子]」 (推定樹齢350年)
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こちらは横に広がった感じの松。樹齢は350年ということで江戸時代から作られてきたとは恐れ入りますね…。

「花梨」 (推定樹齢150年)
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こちらは花梨。花梨の盆栽なんてあるのかという感じですが、幹や整った枝ぶりなんかは松とは味わいがありました。

「真柏 [寿雲]」 (推定樹齢800年)
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こちらは何と樹齢800年! 800年かけて作り上げる芸術品なんて他にあるのでしょうか?? シャリが渦巻いていて何ともダイナミックで、圧巻の作品でした。

「津山檜」 (推定樹齢70年)
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こちらは檜。段々になっている枝葉の重なり具合が重厚感ありました。檜の盆栽なんてあるんですね。

「いちょう」 (推定樹齢50年)
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円形になったいちょう。これはちょっと可愛らしい印象を受けました。


この後、先程ロビーから見えていた撮影禁止エリアの盆栽も観てきました。松だけでなく楓や欅、杉などもありました。松もシャリの作品が結構あって見応えあります。


ということで、盆栽に関して全く無知な私でも見方を知って楽しむことができました。色々な角度で観たり もっと知見を身につけると一層楽しいのだろうと思います。盆栽は外国からも注目されている日本の伝統ですので、一度は訪れておきたい美術館ではないでしょうか。色々と発見がある所でした。

おまけ;
美術館の裏手では盆栽の販売も行っているようでした。
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私はレモングラスとコスモスを育てているので精一杯なので買いませんでしたが、いつかはやってみようかな?w
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