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オープン・スペース 2019 別の見方で 【NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)】

前回ご紹介したカフェに行く前に同じオペラシティの中にあるNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で「オープン・スペース 2019 別の見方で」という展示を観てきました。この展示は一部で撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

DSC03671.jpg

【展覧名】
 オープン・スペース 2019 別の見方で

【公式サイト】
 https://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2019/open-space-2019-alternative-views/

【会場】NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
【最寄】初台駅

【会期】2019年5月18日(土)~2020年3月1日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。どういう訳かこの日は入場無料でお得な日でした。

さて、この展示は毎年模様替えを行っているICCの常設で、今年も様々な分野の先端技術を使った作品が並んでいました。今回も撮影できる作品はそれほどありませんでしたが、いくつか写真を使ってご紹介していこうと思います。
 参考記事:
  オープン・スペース 2018 イン・トランジション (NTTインターコミュニケーション・センター ICC)
  オープン・スペース 2017 未来の再創造 (NTTインターコミュニケーション・センター ICC)

シンスンベク・キムヨンフン 「ノンフェイシャル・ポートレイト」
DSC03673_20190827002256ee9.jpg
こちらは数点の肖像画が並んでいる作品。画家に「人工知能に顔として認識されないこと」を条件に肖像を描いて貰ったようです。

例えばこんな感じ。確かに撮影時に顔センサーが反応しませんでしたw
DSC03681_20190827002444ec9.jpg
のっぺらぼう的で かすかに眉毛と鼻が分かる程度かな。輪郭はしっかりしているのでそのうちAIも顔と認識しそうな気もしますが、ここまで崩さないと認知されるというのに驚きます。2019年時点でも顔認識は相当に進んできましたね。

岡ともみ 渡邊淳司 「10円の移動日記」
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今年も電話ボックスを使った作品がありましたw 突然、ここに電話が掛かってきて出ると「今どこそこにいます」という内容を告げてきます。1回の通話で10円分の縛りの中で通話するそうで、距離によって通話できる時間が違う(最長77.5秒から最短8秒)ことを認識してお互いの距離を再認識するという趣旨のようでした。最近はめっきり電話ボックスを使いませんが、昔は遠距離だと10円を連コインしましたよねw

梅田宏明 「kinesis #3 - dissolving field」
DSC03699.jpg
こちらは部屋の中全体に粒子状の映像が映される作品。鑑賞者の動きに応じて変わっていくそうで、人の動きにおける力の流れや運動の場を体験できるという意図があるようです。私の動きが現れているようですが、何処がどう反応しているのかはよく分かりませんでしたw

こちらは「触れてつながるラボ」というコーナー。
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いくつか体験型の品があり、これは「鼓動トーク」というモニター越しの相手に自分の鼓動が伝わるという作品でした。ドクドクと動いて心臓を持ってるみたいなw 触覚を用いたコミュニケーションアイテムとして面白いかも。

細井美裕 「Lenna」
DSC03713.jpg
こちらは無響室に置かれたスピーカーを使った作品で、整理券で予約を取って体験しました。体験中は真っ暗になりスピーカーの音だけとなり、22.2チャンネルサラウンドの立体感を味わうことができます。 女性の歌声が目の前で発せられているような音像で、かなりリアルな感じがします。これが一般的になったら現実と錯覚するような音響が楽しめそうです。

後藤映則 「ENERGY #01」

こちらは3Dプリンターでメッシュ状の立体を作り、そこにレーザー光線を当てることで光の軌跡がアニメーションのように見える作品。以前にも観たことがありましたが、驚きの発想力で非常に幻想的な光景です。これを観られるだけでも今年のICCは観る価値があると思います。
 参考記事:THE ドラえもん展 TOKYO 2017 (森アーツセンターギャラリー)

後藤映則 「アニマの再創造」
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こちらは先程の作品の原理がよく分かる品で、旧石器時代のショーヴェの洞窟壁画に既にアニメーションの発想が描かれていたという説や19世紀の映像装置にインスピレーションを得て作ったそうです。素材自体は昔からあるものを使っていて、そのメイキング映像なども含めて面白い内容となっていました。これに光を当てると人が歩いているように見えるのが不思議ですw

こちらも軽石に穴を開けて紐を通すことで先程と同様に光のアニメーションを作れるようになっています。
DSC03730.jpg
もしこんな品が太古の昔にあったら…と考えるとロマンですねw 

映像では実際に光を当てていました。人の形が写っているのがわかります。
DSC03732.jpg
原理は簡単なので自由研究とかで真似して作れそうだけど、思いついた発想力は唯一無二ですね。

青柳菜摘 「彼女の権利-フランケンシュタインによるトルコ人,あるいは現代のプロメテウス」
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こちらは1770年にヴォルフガング・フォン・ケンペレンによって作られた自動チェス人形「トルコ人(The Turk)」をモチーフにした作品。そんな昔にチェスのロボットがいたの?って話ですが、人形の台の中にチェスの名人が入って操作していたそうです。この話は創造物が創造主の思惑を超える隠喩ということで、これからのAI時代を思わせるテーマでした。

他にも結構色々ありましたが撮影ができないものや難解だったので割愛します。

ということで、今年の展示もAIなど最新の技術動向を取り込んだ意欲的な作品があり、科学への好奇心が湧く内容となっていました。 特に後藤映則 氏の作品が観られたのが良かったです。ここは東京オペラシティアートギャラリーと同様に ぐるっとパスなら提示だけで観られますので、両方合わせて訪れると一層お得だと思います。
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