没後90年記念 岸田劉生展 (感想後編)【東京ステーションギャラリー】
今日は前回に引き続き東京ステーションギャラリーの「没後90年記念 岸田劉生展」についてです。前半は上階についてでしたが、後編は下階の内容についてご紹介して参ります。まずは概要のおさらいです。
→ 前編はこちら

【展覧名】
没後90年記念 岸田劉生展
【公式サイト】
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201908_kishida.html
【会場】東京ステーションギャラリー
【最寄】東京駅
【会期】2019年8月31日(土)~10月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
下階も引き続き年代順の構成になっていました。前編同様に気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第三章 「実在の神秘」を超えて:1915~1918>
三章は上階からの続きです。ここには静物や初めての麗子像などが並んでいました。
78 岸田劉生 「静物(手を描き入れし静物)」
こちらは左側に赤い垂れ幕、右側に緑の垂れ幕が描かれ、中央に白い高坏に乗った林檎が描かれた静物です。高坏の周りにも4つの林檎があり、そのうちの1つは数珠に囲まれているなど何かの儀式めいた雰囲気となっています。解説によると、以前は高坏の林檎に差し伸びる手も描かれていたそうで、自信満々で二科展に出品したものの落選し「何かマジックのようだ」と評されたそうです。今は手を描いた痕跡はありませんが、写実なのに神秘的でシュールな要素もあるように思えました。
81 岸田劉生 「麗子肖像(麗子五歳之像)」 ★こちらで観られます
こちらは東近美でよく見かけるコレクションで、娘の麗子が5歳の頃に描かれた作品です。麗子がモデルになった最初の油彩だそうで、手には花を摘み やや左方向に視線を向けています。つぶらな瞳やもしゃもしゃっとした髪など子供らしい純朴な雰囲気となっていて、可愛らしい肖像です。この後、麗子像は何度も描かれて行きますが、この作品は特に写実的で無垢な印象になっているように思います。(中国画に傾倒した後は寒山拾得のような妖怪っぽい雰囲気の麗子もあるので…w)
<第四章 「東洋の美」への目覚め:1919~1921>
続いては東洋美術へ関心を寄せていた頃のコーナーです。「麗子肖像(麗子五歳之像)」によって写実を極めることで「内なる美」を「外界の形象に即した美」に昇華させることができたと確信したそうで、写実の道だけでなく短時間のさらりとした描写の「内なる美」の表現の為に、水彩と素描に取り組んだそうです。1919~1921年にかけて麗子と近所の村娘のお松をモデルに肖像を多く手掛け、その後2人が成長すると水彩画は減って日本画の制作が始まりました。また、この頃 京都旅行での感動や日本画家の榊原紫峰が所有していた宋元の花鳥画への関心が作品にも反映されていきました。ここにはそうした時期の作品が並んでいました。
90 岸田劉生 「麗子坐像」
こちらは暗闇の中に光が当たるような感じで赤と黄色の着物を着て正座している麗子の肖像です。おかっぱ頭で座敷わらしみたいなw かなり細密で麗子の脇に置かれた林檎を含めて写実的ではありますが、段々と妖怪のような雰囲気も出てきているように思えます。麗子のイメージというとこの絵の姿を思い浮かべるかな。
ちなみにこの麗子は本当は結構な美人で、後に自らも絵筆を取っています。(その娘の岸田夏子 氏も画家で清春白樺美術館の館長をしているようです。) 普通に描いていれば可愛い肖像が多くなったはずですが、そうではないのが面白いところですw
この近くには鵠沼の畑の風景の中に麗子を描いた「麦二三寸」もありました。これは爽やかな雰囲気の作品です。また、妻の姉の息子の肖像の「信行之像」もありました。この子は岸田劉生が引き取ったのですが、翌年に病死してしまい 岸田劉生の悲しみも並々ならぬものがあったそうです。
107 岸田劉生 「麗子八歳洋装之図」
こちらは赤と黒のチェックのワンピースを着て微笑む麗子像です。手にはピンクのエゾギクを持ち、おかっぱ頭をしています。麗子像は大抵は3/4くらい横向きの構図となっていて、この作品でも洋装になっている以外は他の麗子像と共通点が多いように思います。しかし表情のせいか他の作品の麗子よりも楽しそうで、子供らしい無邪気さも感じられました。
この辺は同様の構図の麗子像がズラりと並んでいました。
<第五章 「卑近美」と「写実の欠除」を巡って:1922~1926>
続いては「卑近美」に関するコーナーです。岸田劉生は1922年6月に宋元画を購入したのを皮切りに、初期肉筆浮世絵なども含めて収入の大部分を買い物に使うという状況になったようです。そして西洋の美術に対する東洋の美術の優位性の論文を執筆し、「現実的で動的で露骨で作為的な西洋とは対照的に、神秘的で静的で無為の自然物的な東洋にこそ、美の深い境地がある」と説き、「初期肉筆浮世絵には、倫理的な美の露骨性を避けるために、正反対の矮小で醜くグロテスクな[卑近美]が現われ、宋元画には、民族的な個性として[偉大なる間ぬけさ]すなわち稚拙感や[写実の欠除]が現われる」としたそうです。そしてこの時期は宋元画に学んだ静物を描いたり日本画の個展も開催したようで、ここにはそうした時代の作品が並んでいました。
120 岸田劉生 「鯰坊主」
こちらは歌舞伎の隈取をした人物像で、歌舞伎十八番「暫(しばらく)」の登場人物を描いているそうです。眉をひそめて口をへの字に曲げているのがちょっと可笑しな表情です。これはこの役が、悪役で道化のような役柄もある為らしく、東洋的な卑近美を見出して描いたようです。戯画的な印象も受けますが、確かに東洋にはこうした作品が西洋より多いように思えました。
この辺には寒山拾得のような子供が描かれた掛け軸もありました。
126 岸田劉生 「林六先生閑居図」
こちらは掛け軸で、上から順に 山、楼閣、坂道、庵、蓮池などが描かれています。全体的に南画のような感じで、かなり簡略化されて緩い画風となっています。これまで写実を極めて来たのに完全に逆の方向に向かっていて、同じ画家とは思えないほどの変化です。東洋的な精神性の表現方法へと関心が移っているのがよく分かる作品でした。
近くには椿の静物や冬瓜の静物などもありました。
140 岸田劉生 「四時有甘」
こちらも掛け軸で、縦長の画面にザクロ、桃、柿、栗、イチゴなど様々な果実が描かれています。色鮮やかですが画風は油彩と全く異なり南画のような雰囲気となっています。各果実の配置が流れるようになっているのも面白いかな。しみじみと味わいのある静物画でした。
この辺は掛け軸がいくつかありました。この頃は日本画を多く手掛けたようです。
<第六章 「新しい余の道」へ:1926~1929>
最後は晩年のコーナーです。この頃、岸田劉生は洋画壇での活躍よりも むしろ日本画を制作していたようですが、友人の武者小路実篤は油彩画の制作に復帰させるべく、大調和美術展を開催したそうです。しかし茶屋遊びの放蕩で生活と制作に支障をきたしたので京都から鎌倉へと移住しました。1929年には依頼が多く自由な制作がままならなかったようですが、「今年は本当にいい年にしたい」と日記に書き、華やかな静物画や最後の麗子像を油彩で描きあげたそうです。そして南満州鉄道株式会社の招聘により満洲に渡り、そこでも旺盛な制作意欲を見せて、「新しい余の道」を見つけたようですが、帰国直後に38歳で急逝しました。ここには亡くなる直前までの作品が並んでいました。
151 岸田劉生 「岡崎義郎氏之肖像」
こちらは煙草を持つ友人の画家を描いた油彩の肖像で、写実的な作風となっています。スーツ姿で翡翠の指輪をつけていてダンディな雰囲気です。唇が妙に赤々としているところが妖艶さや不気味さがあり、岸田劉生が言う所の「デロリの美」に通じているんじゃないかな。晩年の傑作と言える作品です。
この近くには冬瓜を描いた静物画や南画風の掛け軸もいくつかありました。また、3歳頃からの岸田劉生の写真が並ぶコーナーがあり、顔つきは自画像で観たまんまです。関東大震災で倒壊した自宅の上で記念撮影した写真なんかもありました。
158 岸田劉生 「路傍秋晴」
こちらは石が転がっている土の道を描いた作品で、奥には家があり 周りは木が生えているなど素朴な田舎の光景となっています。背景は真っ青な晴々した空で、大胆な画風になっていますが前編でご紹介した代表作の「道路と土手と塀(切通之写生)」とテイストは似ているように思えます。これは大連の光景らしく、隣によく似た「路傍秋晴(大連風景)」という作品もありました。
160 岸田劉生 「満鉄総裁邸の庭」
こちらは草木の生い茂る庭を描いた作品です。遠くには青い水平線が見えていて、小高いところにあるのかな? 黄色い枯れ草と緑の木々などを軽やかな筆致で描いていて、筆跡も残っています。これまでの画風とも違った新しい表現になってきているように思え、色鮮やかで清々しい作品です。これまでも画風が変わり続けた岸田劉生が、また新たな進化を見せそうな所で人生が終わってしまったというのを目の当たりにしたような作品でした。
ということで、年代順に観ることで岸田劉生の画風の変遷をよく知ることが出来たように思います。集まっている作品も有名作が多いので、岸田劉生のベスト盤のような感じです。特に洋画好きの方にオススメの展示です。
→ 前編はこちら

【展覧名】
没後90年記念 岸田劉生展
【公式サイト】
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201908_kishida.html
【会場】東京ステーションギャラリー
【最寄】東京駅
【会期】2019年8月31日(土)~10月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
下階も引き続き年代順の構成になっていました。前編同様に気に入った作品と共にご紹介していこうと思います。
<第三章 「実在の神秘」を超えて:1915~1918>
三章は上階からの続きです。ここには静物や初めての麗子像などが並んでいました。
78 岸田劉生 「静物(手を描き入れし静物)」
こちらは左側に赤い垂れ幕、右側に緑の垂れ幕が描かれ、中央に白い高坏に乗った林檎が描かれた静物です。高坏の周りにも4つの林檎があり、そのうちの1つは数珠に囲まれているなど何かの儀式めいた雰囲気となっています。解説によると、以前は高坏の林檎に差し伸びる手も描かれていたそうで、自信満々で二科展に出品したものの落選し「何かマジックのようだ」と評されたそうです。今は手を描いた痕跡はありませんが、写実なのに神秘的でシュールな要素もあるように思えました。
81 岸田劉生 「麗子肖像(麗子五歳之像)」 ★こちらで観られます
こちらは東近美でよく見かけるコレクションで、娘の麗子が5歳の頃に描かれた作品です。麗子がモデルになった最初の油彩だそうで、手には花を摘み やや左方向に視線を向けています。つぶらな瞳やもしゃもしゃっとした髪など子供らしい純朴な雰囲気となっていて、可愛らしい肖像です。この後、麗子像は何度も描かれて行きますが、この作品は特に写実的で無垢な印象になっているように思います。(中国画に傾倒した後は寒山拾得のような妖怪っぽい雰囲気の麗子もあるので…w)
<第四章 「東洋の美」への目覚め:1919~1921>
続いては東洋美術へ関心を寄せていた頃のコーナーです。「麗子肖像(麗子五歳之像)」によって写実を極めることで「内なる美」を「外界の形象に即した美」に昇華させることができたと確信したそうで、写実の道だけでなく短時間のさらりとした描写の「内なる美」の表現の為に、水彩と素描に取り組んだそうです。1919~1921年にかけて麗子と近所の村娘のお松をモデルに肖像を多く手掛け、その後2人が成長すると水彩画は減って日本画の制作が始まりました。また、この頃 京都旅行での感動や日本画家の榊原紫峰が所有していた宋元の花鳥画への関心が作品にも反映されていきました。ここにはそうした時期の作品が並んでいました。
90 岸田劉生 「麗子坐像」
こちらは暗闇の中に光が当たるような感じで赤と黄色の着物を着て正座している麗子の肖像です。おかっぱ頭で座敷わらしみたいなw かなり細密で麗子の脇に置かれた林檎を含めて写実的ではありますが、段々と妖怪のような雰囲気も出てきているように思えます。麗子のイメージというとこの絵の姿を思い浮かべるかな。
ちなみにこの麗子は本当は結構な美人で、後に自らも絵筆を取っています。(その娘の岸田夏子 氏も画家で清春白樺美術館の館長をしているようです。) 普通に描いていれば可愛い肖像が多くなったはずですが、そうではないのが面白いところですw
この近くには鵠沼の畑の風景の中に麗子を描いた「麦二三寸」もありました。これは爽やかな雰囲気の作品です。また、妻の姉の息子の肖像の「信行之像」もありました。この子は岸田劉生が引き取ったのですが、翌年に病死してしまい 岸田劉生の悲しみも並々ならぬものがあったそうです。
107 岸田劉生 「麗子八歳洋装之図」
こちらは赤と黒のチェックのワンピースを着て微笑む麗子像です。手にはピンクのエゾギクを持ち、おかっぱ頭をしています。麗子像は大抵は3/4くらい横向きの構図となっていて、この作品でも洋装になっている以外は他の麗子像と共通点が多いように思います。しかし表情のせいか他の作品の麗子よりも楽しそうで、子供らしい無邪気さも感じられました。
この辺は同様の構図の麗子像がズラりと並んでいました。
<第五章 「卑近美」と「写実の欠除」を巡って:1922~1926>
続いては「卑近美」に関するコーナーです。岸田劉生は1922年6月に宋元画を購入したのを皮切りに、初期肉筆浮世絵なども含めて収入の大部分を買い物に使うという状況になったようです。そして西洋の美術に対する東洋の美術の優位性の論文を執筆し、「現実的で動的で露骨で作為的な西洋とは対照的に、神秘的で静的で無為の自然物的な東洋にこそ、美の深い境地がある」と説き、「初期肉筆浮世絵には、倫理的な美の露骨性を避けるために、正反対の矮小で醜くグロテスクな[卑近美]が現われ、宋元画には、民族的な個性として[偉大なる間ぬけさ]すなわち稚拙感や[写実の欠除]が現われる」としたそうです。そしてこの時期は宋元画に学んだ静物を描いたり日本画の個展も開催したようで、ここにはそうした時代の作品が並んでいました。
120 岸田劉生 「鯰坊主」
こちらは歌舞伎の隈取をした人物像で、歌舞伎十八番「暫(しばらく)」の登場人物を描いているそうです。眉をひそめて口をへの字に曲げているのがちょっと可笑しな表情です。これはこの役が、悪役で道化のような役柄もある為らしく、東洋的な卑近美を見出して描いたようです。戯画的な印象も受けますが、確かに東洋にはこうした作品が西洋より多いように思えました。
この辺には寒山拾得のような子供が描かれた掛け軸もありました。
126 岸田劉生 「林六先生閑居図」
こちらは掛け軸で、上から順に 山、楼閣、坂道、庵、蓮池などが描かれています。全体的に南画のような感じで、かなり簡略化されて緩い画風となっています。これまで写実を極めて来たのに完全に逆の方向に向かっていて、同じ画家とは思えないほどの変化です。東洋的な精神性の表現方法へと関心が移っているのがよく分かる作品でした。
近くには椿の静物や冬瓜の静物などもありました。
140 岸田劉生 「四時有甘」
こちらも掛け軸で、縦長の画面にザクロ、桃、柿、栗、イチゴなど様々な果実が描かれています。色鮮やかですが画風は油彩と全く異なり南画のような雰囲気となっています。各果実の配置が流れるようになっているのも面白いかな。しみじみと味わいのある静物画でした。
この辺は掛け軸がいくつかありました。この頃は日本画を多く手掛けたようです。
<第六章 「新しい余の道」へ:1926~1929>
最後は晩年のコーナーです。この頃、岸田劉生は洋画壇での活躍よりも むしろ日本画を制作していたようですが、友人の武者小路実篤は油彩画の制作に復帰させるべく、大調和美術展を開催したそうです。しかし茶屋遊びの放蕩で生活と制作に支障をきたしたので京都から鎌倉へと移住しました。1929年には依頼が多く自由な制作がままならなかったようですが、「今年は本当にいい年にしたい」と日記に書き、華やかな静物画や最後の麗子像を油彩で描きあげたそうです。そして南満州鉄道株式会社の招聘により満洲に渡り、そこでも旺盛な制作意欲を見せて、「新しい余の道」を見つけたようですが、帰国直後に38歳で急逝しました。ここには亡くなる直前までの作品が並んでいました。
151 岸田劉生 「岡崎義郎氏之肖像」
こちらは煙草を持つ友人の画家を描いた油彩の肖像で、写実的な作風となっています。スーツ姿で翡翠の指輪をつけていてダンディな雰囲気です。唇が妙に赤々としているところが妖艶さや不気味さがあり、岸田劉生が言う所の「デロリの美」に通じているんじゃないかな。晩年の傑作と言える作品です。
この近くには冬瓜を描いた静物画や南画風の掛け軸もいくつかありました。また、3歳頃からの岸田劉生の写真が並ぶコーナーがあり、顔つきは自画像で観たまんまです。関東大震災で倒壊した自宅の上で記念撮影した写真なんかもありました。
158 岸田劉生 「路傍秋晴」
こちらは石が転がっている土の道を描いた作品で、奥には家があり 周りは木が生えているなど素朴な田舎の光景となっています。背景は真っ青な晴々した空で、大胆な画風になっていますが前編でご紹介した代表作の「道路と土手と塀(切通之写生)」とテイストは似ているように思えます。これは大連の光景らしく、隣によく似た「路傍秋晴(大連風景)」という作品もありました。
160 岸田劉生 「満鉄総裁邸の庭」
こちらは草木の生い茂る庭を描いた作品です。遠くには青い水平線が見えていて、小高いところにあるのかな? 黄色い枯れ草と緑の木々などを軽やかな筆致で描いていて、筆跡も残っています。これまでの画風とも違った新しい表現になってきているように思え、色鮮やかで清々しい作品です。これまでも画風が変わり続けた岸田劉生が、また新たな進化を見せそうな所で人生が終わってしまったというのを目の当たりにしたような作品でした。
ということで、年代順に観ることで岸田劉生の画風の変遷をよく知ることが出来たように思います。集まっている作品も有名作が多いので、岸田劉生のベスト盤のような感じです。特に洋画好きの方にオススメの展示です。
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