関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

絵でたどるペリー来航 【横浜美術館】

2週間ほど前に横浜美術館で特別展を観に行った歳、併設のアートギャラリー1で「横浜美術館開館30周年記念/横浜開港160周年記念 絵でたどるペリー来航」を観てきました。特別展の記事を準備中なので先にこちらをご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 横浜美術館開館30周年記念/横浜開港160周年記念 絵でたどるペリー来航

【公式サイト】
 https://yokohama.art.museum/exhibition/index/20190921-544.html

【会場】横浜美術館 アートギャラリー1
【最寄】JR桜木町駅/みなとみらい線みなとみらい駅

【会期】2019年9月21日(土)~11月10日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
それほど混むこともなく快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は横浜開港160周年を記念したもので、横浜が開港するきっかけとなったペリーの黒船来航にまつわる絵が並ぶ内容となっています。ペリーは1853年に浦賀沖に現れ、翌年の1854年に日米和親条約へと繋がっていくわけですが、その1854年の3月8日に横浜に上陸して一行を出迎える様子が日本の画家やペリーの随行画家ペーター・B.W.ハイネによって描かれました。この展示では日米双方による記録画が並び、当時の様子を様々な角度から観るようになっていました。点数は少ないものの2章構成となっていましたので、各章ごとに気になった作品と共に簡単に振り返ってみようと思います。
 参考記事:大・開港展-徳川将軍家と幕末明治の美術 感想前編(横浜美術館)


<1854年3月8日/嘉永7年2月10日―横浜上陸の図をめぐってー>
まずは横浜上陸の際の様子が描かれた作品が並ぶコーナーです。

6 作者不詳 「黒船来航絵巻」
こちらは黒船が来航した時の様子を描いた絵巻で、大きな船と 浜に向かうアメリカ国旗を付けた小舟が数隻描かれています。船の上には「ホウハタン」「サラトガ」といったように船の名前の注釈も添えられていて、全体的に細かく写実的な作風です。詳細なので実際に観てたのかな? その辺の解説はありませんでしたが、当時の様子を知る上で貴重な資料なのは間違いなさそうでした。

4 土屋秀未禾 「使節ペリー横浜応接の図」
こちらは屋内で歓待を受ける軍服姿のアメリカ軍人達が描かれた作品です。赤い床几らしき椅子(茶屋にある椅子みたいなやつ)に腰掛けて酒を飲んでいて、賑やかな雰囲気です。かなり多くの人物が描かれていますが個性豊かにかき分けているようでした。割と外国人らしさが出ているので、これも実際に写生したんじゃないかなあ。

8 伝・ペーター・B.W.ハイネ 「ペルリ提督横浜上陸の図」 ★こちらで観られます
こちらは油彩で、まるで写真のような精密さで描かれた作品です。沖に東インド艦隊がズラリと並び、浜には多くのアメリカ兵がいて国旗と海軍旗を掲げています。右側には水神社と玉楠の木があり、出迎える日本の役人や多くの群衆の姿もあって緊張感があります。しかし何故かその場に2匹の犬が走り回っている姿があって気になるw この絵は横浜美術館でよく見かける絵ですが、隣にそっくりの作品が2点あってそれぞれ水彩とリトグラフになっていました。まさに歴史が動いた日の様子を克明に伝えていて興味深い作品です。


<琉球、旗山崎、久里浜、下田でのペリー艦隊>
続いては横浜以外にペリーたちが立ち寄った地での様子を描いた作品のコーナーです。ここではペーター・B.W.ハイネの描いたいくつかの絵が それぞれ水彩画・石版画・油彩など異なる手法で同じ場面が描かれたバリエーション違いが並んでいました。

11 伝・ペーター・B.W.ハイネ 「ペリー提督 首里城より帰還の図(1853年)」
こちらは大きな木のある高い丘から沖縄の道を見渡すような光景を描いた作品です。樹の下には数人の水兵たち、道にはペリーの一行が行列して延々と並んでいて、手前には傘をさした現地の人たちの姿もあります。琉球の暑さはこたえたらしく、当時の記録にもそう書いてあるようです。しかしこの絵では一行は整然ときっちりしていて、対する現地人は割とのんびりしている光景に思えました。

この近くには同じ絵柄のが他に2枚あり見比べると面白いです。間違い探しやってる気分になりますw

16 ペーター・B.W.ハイネ 「ペリー提督の久里浜(強羅浜)上陸」
こちらは水彩で、砂浜に隊列を組む水兵や幕府の人々が並ぶ様子が描かれています。海には日本とアメリカの小さな舟が浮かび、遠くに黒船が見えています。場面的には厳粛な感じですが、この日は快晴だったらしく全体的には爽やかな印象を受けました。これも精緻に描いてあり当時の様子がつぶさに表されていました。

21 伝・ペーター・B.W.ハイネ 「ペリー提督 黒船陸戦隊訓練の図(1854年)」
こちらは油彩で、版画とセットで展示されていました。下田の了仙寺に集まるアメリカ兵が描かれ、整列して太鼓やラッパを持った演奏隊らしき姿もあります。画面中央あたりには車輪付きの大砲らしきものがあり、軍事演習の様子を描いているようです。こちらも大勢の見物人がいて、当時の下田の3/4もの人が集まったと記録されているようです。指をさす人もいて異国の音楽や軍事に興味津々といった感じが表されていました。

この他、映像では展示されていない作品も紹介していました。


ということで、地元横浜ならではの詳細な記録・研究が伺える内容となっていました。当時の様子がよく伝わってくるので、歴史を学びたい方には特に面白いのではないかと思います。この展示は無料で観られますので、気になる方はチェックしてみてください。

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