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【国立西洋美術館】の案内 (常設 2019年10月)

前回ご紹介した展示を観た後、国立西洋美術館の常設も観てきました。今回も最近増えたコレクションはいくつかしか見当たらなかったのですが、今までご紹介していない作品と共に撮影してきたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

公式サイト:
 http://collection.nmwa.go.jp/artizeweb/search_5_area.do

 ※常設展はフラッシュ禁止などのルールを守れば撮影可能です。(中には撮ってはいけない作品もあります。)
  掲載等に問題があったらすぐに削除しますのでお知らせください。

参考記事
 国立西洋美術館の案内 (常設 2018年10月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2018年03月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2017年11月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2011年10月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2011年07月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年10月 絵画編)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年10月 彫刻編)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年06月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年02月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2010年01月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2009年10月)
 国立西洋美術館の案内 (常設 2009年04月)

アンソニー・ヴァンダイク・コプリー・フィールディング 「ターベット、スコットランド」
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長い名前でヴァン・ダイクと似ていますが別人です(ヴァン・ダイクにちなんで命名されたそうです) この絵はかつて松方コレクションの一部だったようで、昨年の松方コレクション展でも観た記憶があります。山の間から光が差し込むような明暗表現で、神々しささえ感じられます。遠くの空の空気感まで伝わってくうようでした。

クロード・モネ 「睡蓮、柳の反映」
DSC06913_20191026005337164.jpg
こちらも昨年の松方コレクションに出品されていたもので、2016年に再発見された際には一部が破損していた大型作品。下半分しか残っていないけど確かにモネの筆致を感じます。破損前は名作だったんだろうなと想像しながら観てきました。
 参考記事:松方コレクション展 感想後編(国立西洋美術館)

ジョルジュ・ルオー 「エバイ(びっくりした男)」
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こちらは洋画家の梅原龍三郎から寄贈された作品。晩年のルオーならではの厚塗りされてザラついたマチエールと 重厚な色彩となっています。驚いているというよりは笑っているように見えるかなw 恐らくサーカスの道化で、モチーフもルオーらしさを感じさせました。

シャルル・コッテ 「行列」
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こちらは黒の一団(バンド・ノワール)と呼ばれた画家の1人であるコッテによる1913年の作で、フランス・ブルターニュ地方の女性たちが描かれています。近くではポンタヴェン派と呼ばれるポスト印象派も活動していましたが、お互いの関心は異なるものだったようです。聖母子像をお神輿のように担いでいるけどみんな鎮痛な面持ちでまるでお葬式のような暗さです。それでもグループ名の割には色彩は明るく感じられるかな。バンドノワールは日本で紹介される機会がないので展覧会をやってもらいたいなあ。

モーリス・ドニ 「ロスマパモン」
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こちらはナビ派(ポンタヴェン派)のドニの作品。このピンク~オレンジっぽい色彩はドニの作品でよく観るように思います。平面的で明るく、それでいて何処か心温まるような雰囲気となっていました。

モーリス・ドニ 「ヴィラ・メディチ、ローマ」
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こちらはかつてメディチ家の領地で今は美術館となっている場所の眺めのようです。シンメトリーの構図で、背景の建物や 木々の合間の半円、噴水の円などが呼応しているようで面白く思えます。中景の人々がのんびりと寛いでいるように見えて静かな雰囲気でした。

リュシアン・シモン 「婚礼」
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こちらは先程のシャルル・コッテの仲間でバンド・ノワールの1人です。こちらも意外と色彩が明るいw 簡略化されているものの写実的な感じで、やはりこれもブルターニュ地方の服らしきものを着た人物が描かれていました。

ロヴィス・コリント 「樫の木」
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こちらはドイツの印象派を代表する画家だそうで、写実主義、ベルリン分離派、表現主義といった様々な作風の絵を残しているそうです。まず大胆な構図に驚くと共に、うねるような枝に力強さを感じます。筆致はモネに通じるものがあるかな。この画家も未知なので、まとまって観られる機会が欲しいところです。

ローラ・ナイト 「屋内訓練場のジョー・シアーズとW・エイトキン衛兵伍長」
DSC07055_201910260053480d5.jpg 
こちらは最近 修復している様子がテレビで放送された作品。ボクシングする様子を臨場感たっぷりに描いていて、筋肉の張りなども見て取れます。作者はイギリスの女性画家で印象派で、バレエ(特にバレエ・リュスの公演)や舞台などをよく描いたそうです。女性画家の先駆者だし、この人の絵ももっと観てみたいものです。

アルベール・グレーズ 「収穫物の脱穀」
DSC07060.jpg
こちらは2.5m×3.5mくらい大型作品で、キュビスム絶頂期の1912年に開催された「セクション・ドール(黄金分割)」展で注目を集めた作品のようです。多面的かつ幾何学的で まさにキュビスムの特徴を凝縮したような画風で、所々に人らしき姿もあります。じっくり観ていると村の賑わいが伝わってくるようにも思えました。


ということで、今回はモネの「睡蓮、柳の反映」が増えているのが特に目を引きました。日本ではあまり知られていない画家の作品もちょいちょいあるのも貴重です。 ここのコレクションは意外と入れ替わりもあるので、特別展に行く際は毎回寄ってみると新しい発見もあると思います。(特別展の半券で入ることができます)
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