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根津青山の茶の湯 初代根津嘉一郎の人と茶と道具 【根津美術館】

庭園で紅葉を堪能した後、美術館に入り「根津青山の茶の湯 初代根津嘉一郎の人と茶と道具」を観てきました。かなり混み合ってがやがやして、あまり集中して観ることが出来なかった…。

DSC_7252.jpg

【展覧名】
 新創記念特別展 第2部
 根津青山の茶の湯 初代根津嘉一郎の人と茶と道具

【公式サイト】
 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

【会場】根津美術館
【最寄】地下鉄表参道駅
【会期】2009年11月18日(水)~12月23日(水・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(祝日15時頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
混みあっていてメモをあまり取れなかったので、感想はごく簡単に思い出せる範囲だけになります。特別展は根津嘉一郎の茶会で使われた茶道具を、茶会ごとにまとめて展示するという内容でした。私は茶道具について全然分からないので、そんなにピンとくる展示品は多くなかったのですが、重要文化財や重要美術品が多いので、興味のある方には面白い内容かもしれません。とりあえず章名と記憶に残っているものをご紹介。

<1 庭園講評会 大正2年10月8日>
仲安真康 「布袋図」
杖のようなものを肩に担いだ布袋の図です。ふくよかでにこやかな表情が生き生きしています。なびいている衣に風の動きを感じました。

<2 歳暮茶会(壷割茶会)大正11年12月26日>
狩野元信 「養蚕機織図」
養蚕の様子を描いた屏風です。屋内で繭をみている人や、仙境のような背景が描かれていました。落ち着いた色合いの渋い雰囲気で、侘びた茶会に向いていそうな屏風でした。

織部格子文四方鉢(美濃)
正方形の鉢です。格子の竹垣が描かれているのが趣きがありました。

<3 斑鳩庵初風炉 昭和12年6月6日>
尾形乾山 「銹絵茄子絵四方水指」
立方体の水指に、茄子と書が描かれていました。風格を感じると共に、遊び心の伝わる品で好みでした。

ここから先はかなり混んでいたので、メモするのを諦めました(><) 野々村仁清や古田織部、千利休など錚々たる名前が並び、奥深い美意識を感じる品々が並んでいました。ぐい飲みみたいな唐津とか好みの品もありました。
<4 軽井沢薪木庵 昭和9年8月17日>
<5 弘仁堂残茶 昭和4年10月26日>
<6 熱海不寒庵 昭和4年1月5日>

<7 夕陽茶会 斑鳩庵開炉 大正13年11月13日>
「青井戸茶碗 銘 柴田」 ★こちらで観られます
黄色がかって、すらっと均整の取れた姿が美しい茶碗でした。所々に青白い釉薬がかかっているので青井戸茶碗と言うそうです。

<8 歳暮茶会 昭和14年12月23日>


【コレクション展】
ここからちょっと混雑が緩和していました。小さい道具類は近づかないと見えませんが絵は後ろからでも見える分、ゆっくり見られますね。

<展示室2 国宝鶉図と中国の花鳥画>
伝 李安忠 「鶉図」 ★こちらで観られます
結構古くて変色しているので、ぱっと観ると地味な感じがw しかしよく観ると、うずらが歩く様子がどこか堂々とした風格すら漂います。左ににあるクコの木と赤い実も目が行きますが、これがある為か、背景のない絵でありながら実際の風景のような感じがしました。

伝 牧谿 「竹雀図」 ★こちらで観られます
竹の枝にとまる2羽の雀が寄り添うように描かれています。竹の葉は掻き消えるように薄く描かれ静かな情緒がありました。

黄筌 印 「猿猴図」
崖の岩に腰掛る猿の墨絵です。ぼやけたような体の表現で、猿の毛のフワフワ感が出ていました。

李方膺 「墨梅図」
力強さがありながら可憐さのある梅の絵です。日本の墨絵とは違った雰囲気がありました。ちょっと角ばった感じです。


ここで1Fの特別展は2Fに続きます。ホール~展示室3、特別ケース、展示室4はこの前きた時と同じ内容でした。
<ホール~展示室3 仏教彫刻の魅力>
<特別ケース 宝飾時計>
<展示室4 古代中国の青銅器>

<展示室5 蒔絵の調度 江戸蒔絵の名品>
ここも茶会と関係あるのかな?? よくわかりませんが蒔絵好きとしては嬉しいコーナーでした。ここも結構混んでました。

三扇蒔絵硯箱
扇が3つで円を描いている硯箱です。それぞれ違う絵が描かれ華麗な雰囲気が漂います。箱の中も美しい蒔絵になっていました。

小川破笠・土屋安親 「芙蓉打出硯箱」 ★こちらで観られます
ふたの表には銅板の打出しで芙蓉と蝶がかかれ、裏は漆で、金の竹の先にとまる螺鈿のトンボが描かれています。特にトンボの螺鈿が美しい作品でした。

飯塚桃葉 「百草蒔絵薬箪笥」
97種類もの和漢の薬草や虫が研山蒔絵で表されています。それだけ繊細で優美な雰囲気がありました。また、一緒に展示されている銀製の薬合子も見事でした。


この部屋には他に印籠のコーナーもありました。様々な豪華な印籠と、ひょうきんな根付が可愛かったです。


<展示室6 雪見の茶>
ここも茶会の展示室と似たような内容でした。やはり混んでいたので流し観程度になってしまいました。


ということで、これくらいの混みはよくあることですが、それでも今回は辛く感じました。絵はともかく小さい茶道具は近づかないと見えないので皆群がっていて観るのが大変です。しかも、マナーの悪い人もいて、携帯で話してる人がいて驚きました。せっかく良い美術館なのに残念です。 そんなこともあって、庭園の方は楽しめましたが展覧はいまいち気分が乗らなかったかな。 今後はそうでないことを祈ります。
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