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フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると 【ワタリウム美術館】

前々回・前回とご紹介した展示を観る前に外苑前のワタリウム美術館で「フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

DSC00386.jpg

【展覧名】
 フィリップ・パレーノ展 オブジェが語りはじめると

【公式サイト】
 http://www.watarium.co.jp/exhibition/1910pareno/index.html

【会場】ワタリウム美術館
【最寄】外苑前駅

【会期】2019年11月2日(土)~ 2020年3月22日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、こちらはパリに拠点を置き世界中で展覧会を行っている現代アーティストのフィリップ・パレーノ氏の日本初となる大掛かりな個展です。フィリップ・パレーノ氏は映像・彫刻・ドローイング・テキストなど多用な手法を用いて展覧会を1つのメディアとして捉えているのが特徴とのことで、この展示でも会場自体が作品と言えるような独特の空間となっています。一見しただけでは難解な作風ですが、各作品の解説を貰うことができたので それを読みながら鑑賞するともできました。(作品数はそれほど多くないので充実度は3点にしました) 撮影可能となっていましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。

まず2階の会場に入ると、早速いくつかの作品が展示空間を構成していました。

フィリップ・パレーノ 「花嫁の壁」「ハッピー・エンディング」
DSC00360_2019121900395679c.jpg
前者はアクリル板とLED証明、プラグから成る作品で、後者は電気スタンドのように観えている作品です。「花嫁の壁」はマルセル・デュシャンのガラス作品の「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」に由来するそうで、この展示において「準客体」という存在であるとのことです。準客体というのはサッカーで言えばボールのようなもので、自ら主体的に動くわけではないけど状況を導くのでただの客体ではないものを指すそうです。と、解説を読んでも分かったようで分からない感じですが、透明な板を使ってる点はデュシャンからの着想というのは何となく納得かなw また、「ハッピー・エンディング」の方はたまにチカチカしていてややシュールな雰囲気を漂わせていました。このスタンドはちょっとずつネックと電気コードの形が違うのだとか。
 参考記事:マルセル・デュシャンと日本美術 (東京国立博物館 平成館)

フィリップ・パレーノ 「しゃべる石」
DSC00375.jpg
こちらは先程の電気スタンドの近くにあった石。石の下から日本訳されたフィリップ・パレーノ氏のテキストの朗読が流れてきます。オリジナルはフィリップ・パレーノ氏自身が美学と認知科学における表現について映画監督のゴダールの声真似をしているそうで、むしろそれが聞いてみたかったw 延々と石が話しているような奇妙な空間となっています。

続いて3階の展示。

フィリップ・パレーノ 「マーキー」
DSC00371.jpg
こちらはフィリップ・パレーノ氏がプログラムした照明。これも明滅して、たまに激しく変化します。こちらの動きに合わせて光っているのかと思ったらそうでもなかったw タイトルは20世紀初頭の映画館や劇場で映画のタイトルや役者を知らせた白熱光の庇のことだそうで、確かにそれを彷彿とさせます。これも部屋と作品が一体化するような感じとなっていて、SFの世界や実験所に足を踏み込んだような気持ちになりました。

最後に4階の展示。

フィリップ・パレーノ 「吹き出し(白)」「壁紙 マリリン」
DSC00379_20191219004000ca9.jpg
この部屋に入った時、驚きで思わず声が出ました。 「吹き出し」は漫画の吹き出し型の風船で、現代社会では語られない言葉と言語の象徴とのことですが、最初観た時はクラゲかと思ったw 一方、壁紙はアヤメの花をパターン化したもので、フィリップ・パレーノ氏の映像作品でマリリンモンローをテーマにした舞台の背景にも使われたそうです。と、そういう制作背景よりも圧倒的にシュールなこの光景がインパクト大w

逆側から観るとこんな感じ。
DSC00384.jpg
やはりこちらもチカチカと明滅を繰り返します。しばらくいると慣れるけど、割と不安な気分になるw


ということで、点数が少ないのであっさりと観終わりましたが、意図を理解できたかというと 難しかったというのが正直なところです。しかし実際に足を踏み入れると形容しがたい一種異様な雰囲気を味わうことができたので、体験型の作品と言えるかも?? かなり個性的な展示でした。
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