映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』 （ネタバレなし）

先日、レイトショーで映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』を観てきました。結構空いていてのんびり観ることができました。



【作品名】
　ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

【公式サイト】
　http://black-genkai.asmik-ace.co.jp/

【時間】
　1時間40分程度

【ストーリー】
　退屈_1_2_3_④_5_面白

【映像・役者】
　不足_1_2_③_4_5_充実

【総合満足度】
　駄作_1_2_3_④_5_名作

【感想】
これは２ちゃんねるのスレッドから生まれた映画で、ソフト開発の会社に勤める元ニートの実話が元になっています。そのスレッドを元に有志が漫画を描き、さらに書籍の漫画も出て、今度は映画になったという流れです。漫画を途中まで読んだことがあったので、気になって観にいってきました。

私も最初に入った会社はPG/SEのソフト開発の会社だったので、この業界のことはよく知っていて、こういう事態はあるんだよなーと思いながら観ていました。映画でも簡単に説明があって、企業や国からのソフト開発を、元請が請け負って、下請に投げ、下請けが孫請けに投げるという体質になっている為、孫請けの会社は可も不可もなくひたすら大変という構造です。（私が経験したプロジェクトでは、管轄する元請も進捗管理や予算管理、仕様の調整などで、下請けと同じくらい大変でしたが…。）　この物語はそんな厳しい労働環境を背景に、素行に問題のある先輩や同僚たちに囲まれて働く、現代の蟹工船の様相を呈していて、働くとは何か？を問いているようにも思えます。
…とはいえ、そんな社会派のドキュメンタリーみたいなものではなく、電車男のノリみたいに、可笑しくも感動できる内容になっています。若干誇張されている雰囲気ですが、常識はずれの社員の言動の数々は呆れて笑ってしまうし、次々と起きるハプニングもテンポ良くまとまっています。そして観終わった後に「自分も仕事を頑張ろう」という元気も出てくるような感動に仕上がっているのが良かったです。

ということで、あくまで娯楽映画に仕上がっていますが、そこから身近にある社会問題を見出すこともできる映画でした。不況で段々と他人事で済まなくなっている会社も多いだけに、今まさに肥大化している問題かもしれません。面白いけど悩ましい映画でした。なお、スタッフロールの後にも少しだけ続きがあるので必見です。黒いｗ

確か、WEBで漫画が読めるはずなので調べてみたら、映画公開に合わせて2010/1/1まで今は現在公開自粛中らしいです。直リンクは微妙なので、「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない　漫画」で検索すれば出てきますので、興味ある方は読んでみてください。色んな漫画のパロディもあって面白かったと記憶しています。