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【江戸東京博物館】の案内 (2020年01月)

今日は写真多めです。先週の日曜日に両国の江戸東京博物館に行って特別展と常設展を観てきました。特別展の記事を準備中なので、先に常設展について取り上げて参ります。

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この日は特別展が混んでいたこともあって、常設展も結構な盛況ぶりでした。この博物館は2017/10/01~2018/3/31にリニューアル工事で休館していましたが、私はそれ以降 来ていなかったので結構久々に訪れました。リニューアルして何処か変わったのか楽しみにしていたら、エレベーターなどの補修工事だったようですw 企画展は今回は写真NGでしたが、ここの常設はルールを守れば写真を撮ることが出来ますので、今回も撮ってきた写真と共にいくつかご紹介しようと思います。

 参考記事:
 江戸東京博物館の案内 (2013年07月)
 江戸東京博物館の案内 (2013年01月)
 江戸東京博物館の案内 (2012年12月)
 江戸東京博物館の案内 (2012年09月)
 江戸東京博物館の案内 (2011年10月)
 江戸東京博物館の案内 (2011年06月)
 江戸東京博物館の案内 (2010年03月)
 江戸東京博物館の案内 (東京編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (絵画編 2009年12月)
 江戸東京博物館の案内 (江戸編 2009年12月)


こちらは棟割長屋の原寸大の再現
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木と紙で出来ているので燃えやすく焼屋とも呼ばれたそうです。6畳くらいしかないし押入れも無い…。否応なくミニマリスト的な生活ぶりだったんでしょうね。

こちらは「万世江戸町鑑」
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町奉行、町火消、名主支配付、江戸の町名、坂・橋などの地理案内が書かれているそうで、これは火消しに関するページかな? 纏らしきものが町ごとに描かれているようでした。

こちらは江戸町人の一年の行事をまとめたもの
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保存技術もなかったので、現代以上に旬に敏感なようです。花火や雪遊びなどは現代と変わっていないかも…w 重陽の節句だけは何故か今ではあまり祝いませんね。

渓斎英泉 「十二ヶ月の内:正月 春の遊び」
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着物で羽子板で遊ぶ女性が描かれ正月らしい雰囲気です。目で羽根を追っていますが、この時点でこの姿勢だと振り遅れる予感しかしませんw

こちらは江戸時代の日常のご飯
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イワシ2匹にタクワンと豆腐汁…。イワシがいるだけマシでしょうかね。江戸時代から3食になったようですが、圧倒的に物足りないw 私は江戸時代には生きられそうにないです。

こちらは歌川広重の「名所江戸百景 亀戸梅屋敷」の摺りの過程を並べて観るコーナー。
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ゴッホも模写した有名作です。この日の特別展でも出品されていました。

こちらは寿司の屋台の再現
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とにかく江戸時代の寿司はデカい!w おにぎりみたいな大きさで、赤酢を使用していたのでお米が赤みがかっていたようです。種も酢につけたもの・ヅケが多いと言われてますね。

こちらは蕎麦の屋台の再現
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やはり江戸の蕎麦は二八蕎麦です。と言っても、必ずしも蕎麦と小麦粉の割合のことを指している訳ではないようです。諸説あって2×8=16文(約320円程度)という説もあります。いずれにせよ、蕎麦は昔から屋台で人気があったのは確かです。

こちらはお米の単位
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1合は今でも使う単位なので、1000合で1石というのは覚えやすい。計算すると百万石の大名のヤバさが分かりますw

こちらは江戸時代の銀相場・銭相場のグラフ
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幕末にかけて急騰しています。もしタイムスリップしたらこの相場で儲けられますねw

歌川豊国 「初日の出」
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こちらは3人の人気役者が初日の出と共に描かれた作品。3枚続きで豪華に思えますが、実は5枚続きだったと考えられるのだとか。正月らしく豪勢で縁起が良い。

「明暦江戸大火之図(モンタヌス「日本誌」挿絵)」
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こちらはオランダ人宣教師が著した『日本誌』の挿絵で、明暦の大火についてオランダ使節の記録に基づいて述べられているようです。実際にこの人は日本に来たことがないらしいので、人々の描写がいまいちw しかしこんな本があるんですね。

こちらは江戸時代の女子の1日のスケジュール
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朝から晩まで寺子屋と習い事ばかりしています。三味線・踊り・琴など教養を身につけることが良縁の条件だったそうで、一種の婚活なのかも。

こちらは版元の蔦屋重三郎についてのボード
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蔦重と呼ばれ、狂歌本の出版だけでなく喜多川歌麿や写楽をプロデュースしたことで知られます。現代のツタヤはこの人にあやかろうと名前をつけているほどです。(直接の関係はありません) この日の特別展も歌麿と写楽があったのでタイムリーな展示物でした
 参考記事:歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎 (サントリー美術館)

久々に行ったのでこのコーナーは初めて観たかも??(リニューアル以前にあったのを忘れているだけ?)
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近くにミュージアムショップなどもあり、この辺は昔とは違うように思えます。

中はこんな感じです
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割と最近の昭和頃の品が並んでいました。

今では博物館でしか観なくなった黒電話。
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最近の子供はダイヤルの使い方が分からないのだとか。もう絶滅危惧種ですね。

再び展示室に戻って、続いては明治以降のコーナーです。

こちらは1903年(明治36年)に発行された催眠術を教育に応用する本。
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明治20~30年頃に催眠術ブームがあったそうで、その背景に受験競争があったのだとか。そんな昔に催眠術ってあったとは驚きました。

川瀬巴水 「東京二十景 浅草観音の雪晴」「東京二十景 荒川の月(赤羽)」
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大正から昭和初期にかけての東京を描いたシリーズ。郷愁を誘う色彩感覚が大好きな画家です。

こちらは1897年(明治30年)の英文タイプライター
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QWERTY配列ではない独特の並びで気になります。調べたらQWERTY配列は1882年に登場したらしいので、どうしてこうした配置になっているのか一層に謎でした。

こちらは1930年(昭和5年)に猟奇社から発行された『エロ』創刊号
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この時代のエロ・グロ・ナンセンスのブームを象徴するようなふざけたネーミングと表紙ですw まだ呑気な時代の余韻がありますね

こちらは1941年頃の国民服
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戦争色が強く、国民精神総動員の一環で制定されました。軍服としても着られることを想定しているので国防色と呼ばれるカーキ色になっているようです。

こちらは戦時中のラジオを聞くことができるマシン
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太平洋戦争開戦日の大本営発表など9つの中からボタンを押して選ぶと、当時の貴重な音声が聞けます。完全にプロパガンダばかりです

こちらは東京空襲の際に飛燕に撃墜されたB29の機関銃
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戦利品として地元の小学校に贈られたものの終戦直後に埋められ、1995年に掘り起こされたそうです。


ということで、久々に行ったこともあって一層に楽しめました。ここは江戸時代~昭和にかけての生活ぶりを深く掘り下げているのが面白いところだと思います。 特別展を観に行く際には常設展も寄ることをオススメします。

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