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ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美 (感想前編)【東京都庭園美術館】

今日は写真多めです。先週の日曜日に目黒の東京都庭園美術館で「北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、前編・後編に分けて写真と共にご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 北澤美術館所蔵 ルネ・ラリック アール・デコのガラス モダン・エレガンスの美

【公式サイト】
 https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/200201-0407_lalique.html

【会場】東京都庭園美術館
【最寄】目黒駅・白金台駅

【会期】2020年2月1日(土)~ 4月7日(火)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
お客さんは多かったですが、意外と快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は諏訪湖の畔の北澤美術館が所蔵するルネ・ラリックのガラス器を紹介する内容となっています。ルネ・ラリックはアール・ヌーヴォー、アール・デコの時代を代表するデザイナーの1人で、この東京都庭園美術館にも数多くの作品がインテリアとして使われています。そのため、会場と作品が非常にマッチしていて、一体感のある空間となっていました。今回の展示は撮影可能となっていましたので、詳しくは写真と共にご紹介していこうと思います。(ラリックについては今まで何度も取り上げていますので、参考記事などをご参照ください)
 参考記事:
  生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想前編 (国立新美術館)
  生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ 感想後編 (国立新美術館)
  箱根ラリック美術館の常設 2018年1月(箱根編)
  ラリックの花鳥風月  ジュエリーと、そのデザイン画 (箱根ラリック美術館)
  箱根ラリック美術館のオリエント急行 [LE TRAIN](箱根編)


まずは大広間です。早速、素晴らしい作品の数々が待ち受けていました。

ルネ・ラリック 「ランプ(孔雀)」
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左が全体で右は首の部分のアップ。非常に細長い孔雀が表され、洗練された優美さを漂わせています。孔雀はジャポニスムの典型的なモチーフで、ラリックもよく作品に取り入れています。

ルネ・ラリック 「テーブル・センターピース(三羽の孔雀)」
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こちらはディナー・テーブルに置かれたセンターピース。厚さは2cmしかありませんが、細かい凹凸で立体感を出していて、光を当てるとドラマティックな印象を受けます。それにしても孔雀の羽が豪華さを感じさせますね。

ルネ・ラリック 「電動置時計(二人の人物)」
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こちらは人物像。鏡越しに裏側も見えていますが、そちらも見事な出来栄えです。まるで花輪を持っているようで、神話的な雰囲気でした。

続いては食堂。こちらは自然光も入って一層に映えて見えました。

ルネ・ラリック 「花瓶(ピエールフォン)」
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名前はフランスのピエールフォン城のことかな? 渦巻くような把手がシンメトリーになっていて幾何学的な印象を受けました。色も綺麗。

ルネ・ラリック 「花瓶(つむじ風)」
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この作品は何度観てもインパクトがあります。彫りが深く力強い雰囲気で好みです。デザインは娘のシュザンヌが原案だったそうで、父娘のコラボとなっています。

ルネ・ラリック 「花瓶(バッタ)」
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バッタもジャポニスムのモチーフの1つで、草にとまっているバッタが無数に配されています。草のリズム感も軽やかで、色も爽やかな印象でした。

ルネ・ラリック 「大皿(ダリア)」
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黒い花が円を描く大皿。何となく日本の染め付けを思い起こすものがあるかな。デフォルメぶりが非常に好みの作品でした。

食堂のテーブルの上にラリックのテーブルセットが並んでいました。
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まさにこの空間に相応しいセットで一体感が凄いw

一部のアップ。
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「トウキョウ」のシリーズかな。このセットで食事してみたいものですw

ルネ・ラリック 「センターピース(二人の騎士)」
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こちらは騎馬試合のようなモチーフのセンターピース。アール・ヌーヴォー期に前衛芸術家たちの間でもてはやされたワーグナーの『ワルキューレ』から着想を得ていると考えられるようです。ダイナミックだけど優美さも持ち合わせていて特に目を引きました。

続いてはコティ社とのコラボなど香水瓶のコーナーとなっていました。

こちらはテスターのケース。金属プレートをラリックが手掛けているようです。
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こうした香水瓶のデザインで香りをイメージさせることでラリックの評価は高まっていきました。

ルネ・ラリック 「香水瓶(カーネーション)」
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こちらは花の部分に香水が入るようになっているようです。中身もカーネーションの香りだったようで、この花の形に色を染めていたのかな。

ルネ・ラリック 「円形蓋物(孔雀)」
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再び孔雀のモチーフ。凛とした孤高の雰囲気があり、より日本的なデザインに思えました。

続いては2階です。

ルネ・ラリック 「花瓶(ナディカ)」
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こちらは晩年の作品。水の妖精を表していて、把手も渦巻くような形をしています。普通の作り方ではなく把手と本体を同時に作る高度な技が使われているそうで、見た目に応じた革新的な技術が使われているんでしょうね。

ルネ・ラリック 「花瓶(ナンキン)」
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こちらは娘のシュザンヌがデザインした花瓶です。幾何学的な連なりが非常に斬新で、未来派のようでもあり古代彫刻のようでもありました。

続いては乳白色の「オパルセント・ガラス」を使った作品が並ぶコーナーです。

ルネ・ラリック 「円形大型蓋物(二人のシレーヌ)」
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この乳白色のガラスがオパルセント・ガラスです。微妙な濃淡で身体や髪を表していて、幻想性が増しているように思えます。シレーヌもよく用いられるモチーフです。

ルネ・ラリック 「立像(タイス)」
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オパルセント・ガラスは光を当てると半透明になって、透けた感じが美しく表れます。この薄布をまとった感じが凄くないですか?

ルネ・ラリック 「花瓶(バッカスの巫女)」
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こちらは妖艶な印象を受けるモチーフの作品。滑らかな乳白色が女性の肌の柔らかさを感じさせるようでした。

この先はカラフルな色ガラスの作品が並んでいました。

ルネ・ラリック 「花瓶(エスカルゴ)」
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名前の通りカタツムリの殻を思わせる花瓶。水色の色ガラスとなっていて爽やかな雰囲気かな。アンモナイトの化石みたいw

ルネ・ラリック 「花瓶(ボロメ)」
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ボロメはイタリアのマッジョーレ湖に浮かぶボロメオ諸島に由来するそうで、貴族の別荘があり美しい庭園が営まれているそうです。この孔雀は楽園のイメージなのだとか。複雑に組み合っていて孔雀が密集しているような感じに見えました。

この先には金型ではなく上顧客の為に1点製作された手作りの「シール・ペルデュ」と呼ばれる蝋型鋳造作品が並んでいました。指紋まで写し取れるほど原型を忠実に再現できる手法なのだとか。

ルネ・ラリック 「シール・ペルデュ水差(小さな牧神の顔)」
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ややザラついて見える質感で、今まで観てきた作品と異なる印象を受けます。確かに非常に繊細な凹凸まで再現しているようでした。

今回は本棚の部屋がルートになっていました。
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光が差し込んでムードを盛り上げてくれます。

ルネ・ラリック 「電動置時計(昼と夜)」
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男性は昼、女性は夜を表していて、女性の方が陰影が濃くなっています。動と静、現世の儚さなども表しているそうですが、円を描く2人のポーズが劇的に思えました。

ルネ・ラリック 「置物(座るねこ)」
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今回は書斎にも入れました。棚の中にこの猫も飾られていて、じっとこちらを伺っています。猫の表情や仕草がリアルで可愛い


ということで長くなってきたので今日はここまでにしておこうと思います。やはりこの美術館で観られるというのが素晴らしく、建物と作品の共演が見どころではないかと思います。後半もラリックの魅力がよく分かる作品が並んでいましたので、次回はそれについてご紹介の予定です。

 → 後編はこちら

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