関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

2019 MOMASコレクション 第4期 【埼玉県立近代美術館】

この前の日曜日に埼玉県立近代美術館で特別展を観てきたのですが、その際に常設も観てきました。特別展については準備中ですので、先に常設についてご紹介していこうと思います。今回は「2019 MOMASコレクション 第4期」というタイトルになっていました。

DSC05188_20200214003600ad9.jpg DSC05189_20200214003601c42.jpg

【展覧名】
 2019 MOMASコレクション 第4期

【公式サイト】
 https://pref.spec.ed.jp/momas/2020.2.8-4.19--2019MOMAS%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E7%AC%AC%EF%BC%94%E6%9C%9F

【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅

【会期】2020年2月8日(土)~4月19日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示は常設展示で、埼玉県立近代美術館では年4回テーマを決めて入れ替えていて、これで2019年度最後の4期目となります。今回は一部で撮影可能となっていましたので、それを交えながら気に入った作品と共に振り返ってみようと思います。
 参考記事:
  2019 MOMASコレクション 第1期 (埼玉県立近代美術館)
  2019 MOMASコレクション 第2期 (埼玉県立近代美術館)
  2019 MOMASコレクション 第3期 (埼玉県立近代美術館)


<セレクション:シャガールとか佐伯祐三とか>
まずはこの美術館でも特に重要な近代西洋絵画のコーナーです。今回ここは撮影可能となっていました。

クロード・モネ 「ジヴェルニーの積みわら、夕日」
DSC05199_20200214003603214.jpg
こちらはこの美術館を代表するコレクション。夕日に照らされた積みわらが何とも叙情的。時間を変えて描き続けた連作の1枚です。
 参考記事:【番外編 フランス旅行】 ジヴェルニー モネの家

キスリング 「赤いテーブルの上の果実」
DSC05211_2020021400360561d.jpg
濃厚な色彩で艷やかな印象を受ける静物。色と形が響き合うようでリズム感があります。
 参考記事:キスリング展 エコール・ド・パリの夢 (東京都庭園美術館)

佐伯祐三 「門と広告」
DSC05219_20200214003606f8f.jpg
佐伯は広告をよくモチーフにしていたので、これもその1枚と言えます。重厚感のある門と共に独特のマチエールが魅力です。

ジョアン・ミロ 「詩画集『手づくり諺』より」
DSC05231_20200214003607ec2.jpg
こちらはミロの詩画集の抽象画をリトグラフにしたもの。目玉があって生き物でしょうか? *は星を表すことが多い画家ですが、何か具象的なモチーフがあるのかな。

他にもシャガールやユトリロなど有名画家の作品が並んでいました。


<春陽会―旗揚げのころ>
続いては春陽会についてのコーナーです。次回の記事で森田恒友展を取り上げる予定ですが、春陽会は森田恒友も参加したグループです。特別展とのコラボ企画となっていました。

森田恒友 「山村早春」
こちらは風景画で、手前に背の低い木々が並び それを世話している男性の姿があります。その奥には家々が立ち並び、背景は丘(山?)となっています。幾何学的な家々はセザンヌに傾倒していた頃の名残を感じるかな。全体的に薄茶色っぽい色彩で、静けさや素朴さが感じられ、1人だけポツンと描かれているのが寂しげな印象を受けました。

岸田劉生 「路傍初夏」 ★こちらで観られます
こちらは岸田劉生が鵠沼に住んでいた頃の作品で、恐らくその辺りの光景だと思われます。土の道を遠近感強めで描いていて、空は雲1つない青空で日差しの強さを感じさせます。明暗が強く緑の木々が力強い印象で、手前の柵はリズミカルに並んでいます。この人の気配のない道を観ていると、代表作の「道路と土手を塀(切通之写生)」を思い起こしました。写生的なのにどこかシュールさすら感じる不思議な魅力です。
 参考記事:東京国立近代美術館の案内 (2009年12月)

斎藤与里 「雪の日の天王寺公園」
こちらは縦書きで「ライオンはみがき」と書かれた広告のある通天閣が大きく描かれ、手前には雪が積もった公園で人々が行き交う様子が描かれています。淡く荒めの筆致ですが、楽しげで幸福感が感じられるような画風かな。何故か左の方に視線を向けている人が何人かいて、画面外への広がりを感じさせました。何があるのか気になりますw

山本鼎 「多治見の街」
こちらは焼き物が並ぶ多治見の陶器工場を描いた作品です。屋根の上の煙突は煙を出していて、屋根は幾何学的で複雑に重なり合う感じが面白い構図となっています。淡い色彩であるのに光が強く感じられました。セザンヌっぽさもありつつ個性的な作風です。

他には春陽会のポスターや展覧会当時の当番表なんかもありましたw


<サポーターズ・チョイス!>
最後はガイド・ボランティアとして活躍する美術館サポーターの方々が選んだお気に入り作品のコーナーです。目が肥えているだけあって良い作品が多かったです。

倉俣史朗 「ミス ブランチ」
こちらは透明なアクリルの椅子の中にバラの造花が無数に埋め込まれている作品です。以前にも観たことがありますが、流石は椅子のコレクションで有名な美術館だけあってきっちり抑えてますw まるでバラが浮かんでいるような感じで、これがあるだけで部屋が華やかになりそうです。
 参考記事:倉俣史朗とエットレ・ソットサス (21_21 DESIGN SIGHT)

この辺にはデルヴォーやキスリング、藤田、クレー、ピカソなど錚々たる画家の作品が並んでいました。

福田美蘭 「湖畔」
こちらは黒田清輝の代表作である「湖畔」を元に再構成したオマージュ的な作品です。湖畔で団扇を持って佇む女性が描かれているのですが、オリジナルは女性にクローズアップしてトリミングされているような構図であるのに対して、福田美蘭 氏の本作では周りの風景がパノラマのように広がっています。さらに全体的に色あせた色彩になってコピー機かフイルム写真のような風合いとなっているのも特徴かな。名画の一部を切り取るのではなく、逆に背景を広げるという発想に驚かされます。洒落っ気があって面白い作品です。

福田美蘭 氏は他にもシャルル=ジョゼフ・ナトワール「黄金の雨に変身したジュピターを迎えるダナエ」を元にリプトン紅茶を貼り付けた作品などもありました。

鏑木清方 「慶長風俗」
こちらは二曲一双の屏風で、右隻に緑色の着物の女性が描かれ頭から衣をかぶっています。右の方にある白い花を観ているのかな? 一方、左隻はオレンジ色の着物の少女が屈んでいて、川の流れに手を入れています。いずれも清方らしい清純な乙女と言った感じで、衣装などは当時の風俗を研究している様子が伺えました。

上田薫 「ジェリーにスプーンC」
こちらはゼリーにスプーンを入れている様子が描かれた作品です。これが写真以上に生っぽい描写で、瑞々しくぷるんとした触感まで伝わってくるようなスーパーリアルとなっています。スプーンやゼリーに反射して部屋の中の様子まで見えるのが面白い。ここまでリアルだと逆に非現実感が出てきますw


ということで、今回の常設も楽しむことができました。一部の写真も撮れたし、サポーターチョイスも流石と言った所でいつも以上の満足度でした。この美術館に訪れる際には常設も合わせて観ることをオススメします。
次回は常設の前に観た「森田恒友展」についてご紹介の予定です.

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