森田恒友展 自然と共に生きて行かう (感想後編)【埼玉県立近代美術館】
今日は前回に引き続き埼玉県立近代美術館の「森田恒友展 自然と共に生きて行かう」についてです。前編では1~2章の初期についてご紹介しましたが、後編では渡欧した頃から晩年までについてご紹介していこうと思います。まずは概要のおさらいです。
→ 前編はこちら

【展覧名】
森田恒友展 自然と共に生きて行かう
【公式サイト】
https://pref.spec.ed.jp/momas/2020.2.1-3.22--%E6%A3%AE%E7%94%B0%E6%81%92%E5%8F%8B%E5%B1%95
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2020年2月1日 (土) ~3月22日 (日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
後半も空いていて快適に鑑賞できました。引き続き各章ごとに気に入った作品と共にご紹介して参ります。
<第3章 欧州漫遊>
3章は渡欧した頃のコーナーです。森田恒友は1914年ヨーロッパへと出発し、6月にパリに着くと美術館や画廊をめぐり 次第にセザンヌに惹かれていきました。しかし7月には第一次世界大戦が勃発するとパリは混乱し美術館も閉鎖されてしまいます。森田恒友は戦火を逃れてロンドンへと移り、その後も戦時下のヨーロッパを転々としていきます。11月にはセザンヌの故郷のエクス・アン・プロヴァンスを訪れ、一層にセザンヌへの敬愛への念を強めました。さらに翌年もイタリアやスペイン、ヴェトゥイユ、ブレハ島などに滞在していたようです。森田恒友はセザンヌの形態的な要素よりも自然を真摯に見つめて丹念に描く製作態度に共鳴していたそうです。一方、オノレ・ドーミエにも強く惹かれていたようで、鋭くユーモアある視点から社会を描いたドーミエに自らの関心との共通点を見出したようです。(森田恒友も渡欧前に雑誌の挿絵を描いていたので関心を持ったのだと思われます) ここには渡欧時代の作品が並んでいました。
参考記事:セザンヌゆかりの地めぐり 【南仏編 エクス】
3-03 森田恒友 「プロヴァンス風景」 ★こちらで観られます
こちらは 手前に曲がりくねった木が立ち、奥に丘が広がり赤い家々が並んでいる光景を描いた作品です。色合いや筆致が重なる点など、全体から細部までセザンヌからの影響が顕著に観られます。かなりの真似っぷりで流石に今までの画風と変わり過ぎだろとツッコミたくなりますw いかに傾倒していたのかが一目で分かる作品でした。
この近くにあった人物像もセザンヌ風でした。背景の色などまでよく研究しています。オルセー美術館では「カード遊びをする人々」なども観たようです。
3-06 森田恒友 「ヴェトゥイユの春」
こちらは中央にピンクの花を咲かせた木があり、赤土の丘に無数の木々が立ち並ぶ様子が描かれた風景画です。赤と緑の補色関係で色が強く感じられ、やはりセザンヌっぽさもありますが どちらかと言うとゴーギャンやナビ派のような印象を受けるかな。ヴェトゥイユと言えばモネの過ごした地ですが、モネっぽい感じではありませんでした。
この辺はフランス各地で描いた風景画が並んでいました。筆致は粗めで、未完成作に見える作品があるのもセザンヌぽいw 他にスケッチブックなどもありました。
3-19 森田恒友 「欧州風景」
こちらは日本画で、3幅対の掛け軸です。それぞれにヨーロッパの街角の様子が描かれ、ロバを引く人や談笑する人、道端で休む人など 穏やかでのんびりした光景となっています。余白も多く日本画らしい雰囲気で、南画のような緩さがありました。
<第4章 洋画から日本画へ>
続いては帰国後に日本画へと軸足を移していった頃のコーナーです。1915年にドーミエの「停車場」を模写して それを懐にして帰国し神戸に到着すると、京都で絵巻物の展覧会が開催されていることを知って観に行ったようです。そこで「鳥獣戯画」に再開して 生き生きとした人間性の表出にドーミエと共通するものを感じたようで、制作の方向性を見出していきます。その後、素描という言葉で線による骨格描写について考察を深めていきます。また、この時期には以前に増して俳句関係者との交流が深まったそうで、『ホトトギス』を中心とした人脈を頼って各地を旅しました。
帰国後の油彩はセザンヌの紹介者として反響を呼んだようですが、日本の湿度のある自然を表現するに及び 中間色を多用した くすんだ風景画へと変容していったようです。1916年には日本画の新グループ「珊瑚会」に参加し、翌年には二科展を脱退して次第に水墨へと軸足を移していきました。ここにはそうした時代の作品が並んでいます。
4-01 森田恒友 「作品名不詳(天草)」
こちら木の塀に囲われた家と、その前に立つ半裸の人物が描かれた作品です。台形の屋根や山が連なるリズミカルな構図で、全体的にセザンヌやゴーギャンのような色彩となっています。日本とは思えないような南方系の雰囲気となっていて、日本の光景には合わない画風なのかも知れません。とは言え、絵としては面白い作品で好みでした。この辺はまだ油彩が多いかな。
近くには版画もありました。地方を巡った時の風景画で、淡い色彩で人々の生活を描いています。
4-10 森田恒友 「村童」
こちらは日本画で、木登りしている子供と見守る男性、その背景には山が描かれています。ぐにゃぐにゃした輪郭が多くて南画のような画面かな。色は抑えめで農村の穏やかな雰囲気となっていました。
この辺は会津で描かれた掛け軸などが並んでいました。珊瑚会のメンバーがよく訪れたようで、森田恒友も4度訪れて長期滞在したようです。少し先には会津の風景の版画集もあり、素朴な営みと豊かな自然を描いていました。
4-24 森田恒友 「秩父路冬日」
こちらは手前に木々が横並びになり、その奥に家々が描かれ 背景には山がそびえている秩父の風景を描いた作品です。左下あたりで木材を運んでいる人の姿もあり、ぽつんとしてやや寂しげな光景に見えます。枯れ木が並び空が青いのは秩父の冬の気候や風土を感じさせるかな。やはりセザンヌ的な雰囲気もありますが色が、落ち着いていて静けさを感じました。
4-32 森田恒友 「漁村図」
こちらは掛け軸の水墨画です。台形の藁の家らしきものが3軒並んでいて、子供を背負った女性が庭先で作業しています。背景の海は波立ち空は薄曇りでやや暗く寂しげに思えます。一方で素朴さや逞しく生きている感じも出ていて 自然と人の営みの両面が伝わってきました。
<第5章 晩年の画境>
最後は晩年のコーナーです。森田恒友は1920年に日本美術院洋画部を脱退し春陽会に加わります。そこで「素描室」を設ける提案をして受け入れられたようです。そして、コンテ・鉛筆・木炭といった西洋の素描を「乾黒素描」、日本画の墨・淡彩を「水墨素描」として同時に作品を発表しました。晩年には生まれ故郷の関東平野を題材にして水墨描写を掘り下げていったそうです。また、帝国美術学校の西洋学科の教授を務め後進の指導を行いました。
1932年には依頼を受けて尾瀬を題材にした作品を発表しましたが、秋に病気となり翌年に52歳で亡くなったようです。ここにはそうした晩年の作品が並んでいました
5-12 森田恒友 「緑野」
こちらは今回のポスターにもなっている作品です。淡い緑がかった画面に薄い線で木々や山の稜線が描かれ、手前には馬に乗った人とそれを引く人が描かれています。幻想的な雰囲気がありつつ、穏やかで静かな印象を受けます。人物の顔が単純かつ素朴な感じで可愛いw 枯淡という言葉が似合う作品でした。
5-17 森田恒友 「四季田園和楽」
こちらは4幅対の横長の掛け軸です。それぞれ 田んぼでの農作業、川で遊んでいる様子、外で月見している様子、焚き火している様子などが描かれていて春夏秋冬の光景のようです。この作品もモノクロで淡い色彩で、ぼんやりした幻想性があります。一方で人々は楽しげで、理想郷のような穏やかさや幸福感があるように思えました。森田恒友の温厚な人柄が現れている感じがします。
この辺は掛け軸が並んでいました。淡い緑の風景が多いかな。その先にはスケッチで各地の風景がありました。また、この時期も俳句のネットワークからの支援を受けていたようで、『ホトトギス』や『早稲田文学』の冊子などもあります。仲間の小川芋銭・平福百穂・高浜虚子などのハガキなども並んでいました。
5-20 森田恒友 「丘と水田」
こちらは久々の油彩作品で、水田が広がる光景が描かれています。奥の方には2人の子供が向き合って何かを話しているように見えます。全体的に青緑がかっていて早朝なのかもしれません。幻想的で静けさが漂っていて、どこか郷愁を誘われます。こちらは自信作だったようで、知らない人に渡るのは好ましくないという旨の手紙も残しているとのことでした。
5-24 森田恒友 「尾瀬沼」
こちらは最晩年の作品で、尾瀬の湿原が描かれています。1人も人の姿がなく、水芭蕉が白い花を咲かしている清々しい光景です。水彩のような軽やかな色彩で、時間が止まったような静寂と寂しさも感じました。
最後に愛用のトランクや椅子、画材などもありました。
ということで、初期から晩年まで画風の変遷を観ることができました。誰々風という画風であったのが次第に自身の個性が出てきて、日本の風土にあった表現に変わっていったように見えました。埼玉以外ではあまり観る機会がない画家だけにこの展示は貴重な機会だと思います。絵画好きの方はチェックしてみてください。
→ 前編はこちら

【展覧名】
森田恒友展 自然と共に生きて行かう
【公式サイト】
https://pref.spec.ed.jp/momas/2020.2.1-3.22--%E6%A3%AE%E7%94%B0%E6%81%92%E5%8F%8B%E5%B1%95
【会場】埼玉県立近代美術館
【最寄】北浦和駅
【会期】2020年2月1日 (土) ~3月22日 (日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
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1時間30分程度
【混み具合・混雑状況】
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【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
後半も空いていて快適に鑑賞できました。引き続き各章ごとに気に入った作品と共にご紹介して参ります。
<第3章 欧州漫遊>
3章は渡欧した頃のコーナーです。森田恒友は1914年ヨーロッパへと出発し、6月にパリに着くと美術館や画廊をめぐり 次第にセザンヌに惹かれていきました。しかし7月には第一次世界大戦が勃発するとパリは混乱し美術館も閉鎖されてしまいます。森田恒友は戦火を逃れてロンドンへと移り、その後も戦時下のヨーロッパを転々としていきます。11月にはセザンヌの故郷のエクス・アン・プロヴァンスを訪れ、一層にセザンヌへの敬愛への念を強めました。さらに翌年もイタリアやスペイン、ヴェトゥイユ、ブレハ島などに滞在していたようです。森田恒友はセザンヌの形態的な要素よりも自然を真摯に見つめて丹念に描く製作態度に共鳴していたそうです。一方、オノレ・ドーミエにも強く惹かれていたようで、鋭くユーモアある視点から社会を描いたドーミエに自らの関心との共通点を見出したようです。(森田恒友も渡欧前に雑誌の挿絵を描いていたので関心を持ったのだと思われます) ここには渡欧時代の作品が並んでいました。
参考記事:セザンヌゆかりの地めぐり 【南仏編 エクス】
3-03 森田恒友 「プロヴァンス風景」 ★こちらで観られます
こちらは 手前に曲がりくねった木が立ち、奥に丘が広がり赤い家々が並んでいる光景を描いた作品です。色合いや筆致が重なる点など、全体から細部までセザンヌからの影響が顕著に観られます。かなりの真似っぷりで流石に今までの画風と変わり過ぎだろとツッコミたくなりますw いかに傾倒していたのかが一目で分かる作品でした。
この近くにあった人物像もセザンヌ風でした。背景の色などまでよく研究しています。オルセー美術館では「カード遊びをする人々」なども観たようです。
3-06 森田恒友 「ヴェトゥイユの春」
こちらは中央にピンクの花を咲かせた木があり、赤土の丘に無数の木々が立ち並ぶ様子が描かれた風景画です。赤と緑の補色関係で色が強く感じられ、やはりセザンヌっぽさもありますが どちらかと言うとゴーギャンやナビ派のような印象を受けるかな。ヴェトゥイユと言えばモネの過ごした地ですが、モネっぽい感じではありませんでした。
この辺はフランス各地で描いた風景画が並んでいました。筆致は粗めで、未完成作に見える作品があるのもセザンヌぽいw 他にスケッチブックなどもありました。
3-19 森田恒友 「欧州風景」
こちらは日本画で、3幅対の掛け軸です。それぞれにヨーロッパの街角の様子が描かれ、ロバを引く人や談笑する人、道端で休む人など 穏やかでのんびりした光景となっています。余白も多く日本画らしい雰囲気で、南画のような緩さがありました。
<第4章 洋画から日本画へ>
続いては帰国後に日本画へと軸足を移していった頃のコーナーです。1915年にドーミエの「停車場」を模写して それを懐にして帰国し神戸に到着すると、京都で絵巻物の展覧会が開催されていることを知って観に行ったようです。そこで「鳥獣戯画」に再開して 生き生きとした人間性の表出にドーミエと共通するものを感じたようで、制作の方向性を見出していきます。その後、素描という言葉で線による骨格描写について考察を深めていきます。また、この時期には以前に増して俳句関係者との交流が深まったそうで、『ホトトギス』を中心とした人脈を頼って各地を旅しました。
帰国後の油彩はセザンヌの紹介者として反響を呼んだようですが、日本の湿度のある自然を表現するに及び 中間色を多用した くすんだ風景画へと変容していったようです。1916年には日本画の新グループ「珊瑚会」に参加し、翌年には二科展を脱退して次第に水墨へと軸足を移していきました。ここにはそうした時代の作品が並んでいます。
4-01 森田恒友 「作品名不詳(天草)」
こちら木の塀に囲われた家と、その前に立つ半裸の人物が描かれた作品です。台形の屋根や山が連なるリズミカルな構図で、全体的にセザンヌやゴーギャンのような色彩となっています。日本とは思えないような南方系の雰囲気となっていて、日本の光景には合わない画風なのかも知れません。とは言え、絵としては面白い作品で好みでした。この辺はまだ油彩が多いかな。
近くには版画もありました。地方を巡った時の風景画で、淡い色彩で人々の生活を描いています。
4-10 森田恒友 「村童」
こちらは日本画で、木登りしている子供と見守る男性、その背景には山が描かれています。ぐにゃぐにゃした輪郭が多くて南画のような画面かな。色は抑えめで農村の穏やかな雰囲気となっていました。
この辺は会津で描かれた掛け軸などが並んでいました。珊瑚会のメンバーがよく訪れたようで、森田恒友も4度訪れて長期滞在したようです。少し先には会津の風景の版画集もあり、素朴な営みと豊かな自然を描いていました。
4-24 森田恒友 「秩父路冬日」
こちらは手前に木々が横並びになり、その奥に家々が描かれ 背景には山がそびえている秩父の風景を描いた作品です。左下あたりで木材を運んでいる人の姿もあり、ぽつんとしてやや寂しげな光景に見えます。枯れ木が並び空が青いのは秩父の冬の気候や風土を感じさせるかな。やはりセザンヌ的な雰囲気もありますが色が、落ち着いていて静けさを感じました。
4-32 森田恒友 「漁村図」
こちらは掛け軸の水墨画です。台形の藁の家らしきものが3軒並んでいて、子供を背負った女性が庭先で作業しています。背景の海は波立ち空は薄曇りでやや暗く寂しげに思えます。一方で素朴さや逞しく生きている感じも出ていて 自然と人の営みの両面が伝わってきました。
<第5章 晩年の画境>
最後は晩年のコーナーです。森田恒友は1920年に日本美術院洋画部を脱退し春陽会に加わります。そこで「素描室」を設ける提案をして受け入れられたようです。そして、コンテ・鉛筆・木炭といった西洋の素描を「乾黒素描」、日本画の墨・淡彩を「水墨素描」として同時に作品を発表しました。晩年には生まれ故郷の関東平野を題材にして水墨描写を掘り下げていったそうです。また、帝国美術学校の西洋学科の教授を務め後進の指導を行いました。
1932年には依頼を受けて尾瀬を題材にした作品を発表しましたが、秋に病気となり翌年に52歳で亡くなったようです。ここにはそうした晩年の作品が並んでいました
5-12 森田恒友 「緑野」
こちらは今回のポスターにもなっている作品です。淡い緑がかった画面に薄い線で木々や山の稜線が描かれ、手前には馬に乗った人とそれを引く人が描かれています。幻想的な雰囲気がありつつ、穏やかで静かな印象を受けます。人物の顔が単純かつ素朴な感じで可愛いw 枯淡という言葉が似合う作品でした。
5-17 森田恒友 「四季田園和楽」
こちらは4幅対の横長の掛け軸です。それぞれ 田んぼでの農作業、川で遊んでいる様子、外で月見している様子、焚き火している様子などが描かれていて春夏秋冬の光景のようです。この作品もモノクロで淡い色彩で、ぼんやりした幻想性があります。一方で人々は楽しげで、理想郷のような穏やかさや幸福感があるように思えました。森田恒友の温厚な人柄が現れている感じがします。
この辺は掛け軸が並んでいました。淡い緑の風景が多いかな。その先にはスケッチで各地の風景がありました。また、この時期も俳句のネットワークからの支援を受けていたようで、『ホトトギス』や『早稲田文学』の冊子などもあります。仲間の小川芋銭・平福百穂・高浜虚子などのハガキなども並んでいました。
5-20 森田恒友 「丘と水田」
こちらは久々の油彩作品で、水田が広がる光景が描かれています。奥の方には2人の子供が向き合って何かを話しているように見えます。全体的に青緑がかっていて早朝なのかもしれません。幻想的で静けさが漂っていて、どこか郷愁を誘われます。こちらは自信作だったようで、知らない人に渡るのは好ましくないという旨の手紙も残しているとのことでした。
5-24 森田恒友 「尾瀬沼」
こちらは最晩年の作品で、尾瀬の湿原が描かれています。1人も人の姿がなく、水芭蕉が白い花を咲かしている清々しい光景です。水彩のような軽やかな色彩で、時間が止まったような静寂と寂しさも感じました。
最後に愛用のトランクや椅子、画材などもありました。
ということで、初期から晩年まで画風の変遷を観ることができました。誰々風という画風であったのが次第に自身の個性が出てきて、日本の風土にあった表現に変わっていったように見えました。埼玉以外ではあまり観る機会がない画家だけにこの展示は貴重な機会だと思います。絵画好きの方はチェックしてみてください。
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