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開かれた可能性-ノンリニアな未来の想像と創造 【NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)】

先週の休みに初台のNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)で「開かれた可能性-ノンリニアな未来の想像と創造」という展示を観てきました。この展示は既に終了していますが、撮影可能となっていましたので写真と共にご紹介しておこうと思います。

DSC05712.jpg

【展覧名】
 開かれた可能性-ノンリニアな未来の想像と創造

【公式サイト】
 https://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2020/open-possibilities/

【会場】NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)
【最寄】初台駅

【会期】2020年1月11日(土)~3月1日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、この展示はシンガポールと東京で開催される巡回展で、科学技術を用いたアート作品が並ぶ内容となっていました。科学と伝統を融合させるような作品もいくつかあり、テクノロジーへの多様な視点を紹介することで、決してリニア(直線的)ではない未来への可能性を想像させるのが目的のようです。展示は撮影可能となっていましたので、詳しくは写真と共にご紹介して参ります。

市原えつこ 「仮想通貨奉納祭」
DSC05726_202003030030005ec.jpg
こちらは「サーバー神輿」で、展示会場にあったQRコードでビットコインによる投げ銭ができるという作品です。お金が入るとLEDファンが回転して人工知能が音声合成した祈り・煩悩の言葉が鳴り響き、「ワッショイ・セレブレーション機能」が発動するそうです。八百万の神もついに仮想空間にも進出した感じでしょうかw バズワードてんこ盛りのやり過ぎ感が逆に皮肉っぽくて面白く思えました。

市原えつこ+中臺久和巨 「天狗ロボット」
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こちらはロボットのNaoが天狗の面を付けている作品。デジタルシャーマン・プロジェクトということで民間信仰の天狗をモチーフにしています。触ることが出来て、頭に触れると野太い声で自分は天狗であることを告げて一喝してきましたw 見た目と声・話し方のギャップが凄くて中々シュール。ロボットがシャーマンになるという発想がぶっ飛んでいて驚きでした。

Waft Lab 「Solah Trabas(ソラー・トラバス)」
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「トラバス」というのは危険なドライブのスリルを楽しむジャワ島の一部のオフロードバイクの文化のことだそうです。ホイールが光ったりして、彼の地のデコトラみたいなものかな?w 共に流れる音楽はトランスとジャワの儀式を融合させたものだそうで、こちらも現地の文化や宗教をデジタルなものと組み合わせた感じの作品でした。

INTER-MISSION 「ラプス・プロジェクト(パノラマ・ラプス)」
DSC05741.jpg
こちらは3つの映像作品で、「シンガポール国立博物館」「シンガポール国立美術館」「シンガポール美術館」をデジタル消去してはじめから存在しなかったように見せているようです。と、言われても現地の景色を知らないので どの辺が現実と違うのか分かりません…w これが上野とかなら身近なんですけどねw もし身近ならパラレルワールドか異世界に迷い込んだような不思議さが感じられそうに思えました。

やんツー 「造山運動」
DSC05756.jpg
こちらは山を描いた絵…ではなくリアルタイムの仮想通貨の価格推移のチャート図です。タイトルの「造山運動」は地殻変動を指す言葉のようで、価格推移になぞらえているそうです。まあ、観た感じでチャート図と分かりますよねw むしろ急激に上がったり下がってたりする方が興味を引きました。仮想通貨って結局まともに使われずに投機の玩具みたいになってますけど普及するんですかね??

ヘリ・ドノ 「ガムラン・オブ・飲むニケーション」
DSC05762_20200303003007d84.jpg
こちらは部屋全体が機械仕掛けの作品となっていました。人形たちが楽器を鳴らすような感じです。

一部分をアップにするとこんな感じ。この人形たちは見覚えがあります。
DSC05768.jpg
この人形はワヤン・クリッと呼ばれるインドネシアの伝統的な影絵芝居のための人形で、ガムランと呼ばれる民族音楽を奏でています。考えてみれば人形劇とロボットは似たようなものなので、違和感がないかな。伝統とテクノロジーの融合は昔からあったのかも??と思わせました。

葉山嶺 「裁縫鳥の真珠」
DSC05781_2020030300301078d.jpg
こちらは映像作品で、香港で撮った映像と、作者により野鳥の鳴き声を混ぜたもの。結構上手いので普通に鳥の声だと思ってました。 テクノロジーを使って人間以外の存在と人間による演劇的な会話 という意味があるようですが、解説も難解なので理解できたかは怪しいですw


ということで、中には理解が難しいものもあったので 分かったような分からないような感じですが、新しいテクノロジーを使ったアートの数々となっていました。安易に有用性や危険性を示すのではなく、思いもよらないような分野と融合しているのがユニークでした。
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