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コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来 【NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)】

新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で「所蔵作品展」を観た後、ちょっと離れていますが初台に移動して、NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)と東京オペラシティアートギャラリーに行ってきました。今日はまずNTTインターコミュニケーション・センター(ICC)をご紹介します。
ここは有料の「コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来」と無料で観られる「オープン・スペース 2009」のコーナーに分かれていますが、両方合わせて感想を書きます。

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【展覧名】
 コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来

【公式サイト】
 http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2009/CoopHimmelblau/index_j.html

【会期】2009年9月19日~12月23日

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【展覧名】
 オープン・スペース 2009

【公式サイト】
 http://www.ntticc.or.jp/Exhibition/2009/Openspace2009/index_j.html

【会期】2009年5月16日(土)~2010年2月28日(日)

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【会場】NTTインターコミュニケーション・センター(ICC)

【最寄】初台駅
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間15分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日16時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
まず、「コープ・ヒンメルブラウ:回帰する未来」についてですが、これは3点(見た目は2点っぽい)のインスタレーション作品と解説ビデオだけの展示となっていて、人によっては10分以内で観終わるかもしれません。
コープ・ヒンメルブラウというのは、ドイツ語で「空色共同組合」の意味を持つ、ウィーンの建築設計事務所のようです。場内にあるビデオでその建築物なども観られました。
 参考:コープ・ヒンメルブラウのwiki

「アストロバルーン 1969 リヴィジテッド――フィードバック・スペース」 ★こちらで観られます
これは、「アストロバルーン」という作品と「フィードバック・ヴァイブレーション・シティ」をあわせた作品です。「アストロバルーン」は巨大で透明な容器で、人体を思わせる柔らか味のある形状です。(おしりみたいな形w) そして、「フィードバック・ヴァイブレーション・シティ」は取っ手を持つと、自分の鼓動に合わせてどくんどくんと音が響き、赤または青の光がバルーンに投影されます。自分の動きに合わして動くのが新鮮な感覚で、なんとなく子宮を思わせる作品でした。 解説によると「心拍,呼吸,脳のα波や住民の動きにより変化する都市が構想されている」とのことです。

「ブレイン・シティ・ラボ」 ★こちらで観られます
これは床部分と大きな地図のような部分からなる作品。作品の床部分に立ち入ると光の輪(たまに四角)が自分の足元を囲み、自分が動くと光も追跡してきます。 そして、その自分の位置と光の輪に合わせて地図部分も連動して光が投影されていました。何を意味しているのかわかりませんが、こちらの動きに合わせて場が変化する技術と相互関係が面白かったです。

ということで、小展ですが中々面白い仕掛けでした。

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続いて、「オープン・スペース 2009」も観てきました。

岩井俊雄 「マシュマロスコープ」 ★こちらで観られます
リアルタイムの映像がdjのスクラッチみたいに行ったりきたりする映像作品で、マシュマロ(っていうか入道雲みたいな)のにモニタが付いていました。館内に入った人はみんな映ってるんじゃないかな。何が本当の映像かわかりませんw

「POWERS OF TEN」
この展示スペースにはガラス張りの床があって、その下に様々なものが展示されています。その中に小学校の頃によく通った地元の天文台にあった映像を見つけて嬉しくなったw というか、作品名さえわかればYOUTUBEでも観られるんですねw どんどん1m四方の風景がどんどん10倍になっていく様子が観られます。せっかくですのでリンクを張るので詳しくは見てみてください。


JODI 「My%20Desktop OSX10.4」 ★こちらで観られます
Macのデスクトップでフォルダを操作している様子を映像作品にしたもの。大量のフォルダを開けたりコピーしたり整理したりして、幾何学的で機械的な模様を作っていました。身近なパソコンの一般的な機能をアートにしてしまうセンスに脱帽です。

グレゴリー・バーサミアン 「ジャグラー」 ★こちらで観られます
回転する円筒に、針金でつくられた人型が並んでいます。これは時間がくると回転し始めて、コマ送りのアニメのように見える仕掛けになっていました。止まっている時はこうなっているのかとわかるのですが、本当に不思議です。ここの展示でも特に面白いものでした。

藤木淳 「2.5次元の世界」 ★こちらで観られます
プレステとかパソコンでゲームができるコーナーがあって、これはそこにあった作品です。 立体という3次元を2次元で表現しているので2.5次元の世界らしいです。ゲームで遊んでみるのも面白いかと思います。ちなみに私はコツがわからずクリアできませんでしたw

前林明次 「メトロノームと無響室のための作品」 ★こちらで観られます
これは整理券を貰わないと体験できません。係員の方に連れられて、音の反射の無い部屋に1人ずつ入って体験します。真ん中にメトロノームがある以外は椅子しかない部屋で、作品が始まると真っ暗になって、海辺や道路脇で録音した音が聞こえてきます。音の反射が無いと実際にその場にいるような錯覚すら覚えるほどリアルで、特にメトロノームの音は目の前のメトロノームの音と、音響機器から出るメトロノームの音がまったく同じに聞こえていました。聴覚の仕組みを利用した、現実があいまいになる驚きの経験ができると思います。。

ラファエル・ロサノ=ヘメル 「フリークエンシー&ヴォリューム」 ★こちらで観られます
これは部屋の後ろからの光で、自分の影が大きく壁に映る仕掛けがあるのですが、その影に応じてTVやラジオの音声が拾われるという仕掛けが施されています。 体の体制を変えたり動くと、それに合わせてラジオの音も変わりました。特にTV東京と北朝鮮の放送はよく入ったかなw 複数人でやるとわかりづらいですが、チャンスを狙って1人ずつ体験してみるとより楽しめるかと思います。

ということで、体験型の作品が多く小難しいことを知らなくても直感的に楽しめる作品が多かったように思います。(中には解説されてもさっぱりわからないものもありますがw) この「オープン・スペース 2009」は無料のようですので、オペラ鑑賞などで初台に行った際は気軽にハシゴするのも良いかと思います。

この後、東京オペラシティアートギャラリーで「ヴェルナー・パントン展」を鑑賞してきました。次回はそれをご紹介します。 ・・・それにしても年末に向けて大型の展覧会も減り、このブログも人が減る一方ですw ポチも激減してしまった。。。
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