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【横浜(後編)】 美術館巡りルート

今日は横浜周辺のアートスポット巡りの後編です。前編ではみなとみらい駅より北側についてご紹介しましたが、今回は南側についてご紹介していこうと思います。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

横浜で最も注目すべきは<横浜美術館>で、ここでは大規模な展示がしばしば行われます。周辺には横浜みなと博物館、安藤百福発明記念館(カップヌードルミュージアム)があり、馬車道駅付近になると神奈川県立歴史博物館と日本郵船歴史博物館の歴史的建造物を活かした博物館があります。さらに日本大通り駅周辺には横浜市開港記念会館、神奈川県庁本庁舎、横浜税関本関庁舎、横浜開港資料館といった歴史的建造物が立ち並んでいます。元町・中華街駅周辺の山下公園にはホテルニューグランド本館、氷川丸などのレトロなデザインが楽しめる施設があり、港の見える丘公園周辺にはイギリス館やエリスマン邸といった洋館が無数にあります。ちょっと紹介しきれないほどあるので割愛しますが、この辺は建物巡りだけでもかなり楽しい所です。そして極めつけは本牧の<三溪園>で、ここには広大な敷地内に全国各地から歴史的建造物が集められています。



まずは一番重要な横浜美術館についてです。

<横浜美術館>

DSC06035.jpg

【公式サイト】
 https://yokohama.art.museum/

【鑑賞時間目安】
 3時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 2020年参加 恐らく割引の券種

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 展示による。常設はルールを守れば可能

【特徴】
こちらは平成元年に行われた横浜博覧会のパビリオンの1つだった建物が美術館になったもので、主に2階で展示が行われています。北側が特別展、南側が常設展で、コレクションは西洋近代絵画、現代アート、日本美術、写真など多岐にわたる内容です。特別展の傾向としては海外の美術館展や近代絵画の巨匠の個展といった大型展が毎年のように行われる他、横浜に関連した展示、コレクションに関連した展示なども行われます。3年に1度の横浜トリエンナーレの会場にもなり、2020年も開催予定ですがコロナの影響でどうなるんでしょうかね…。常設もテーマと期間が設けられていて、内容が大きく変わっていくので特別展なみに見応えがあると思います。じっくり見て回ると合わせて3時間くらいかかることもあるので、余裕を持ったスケジューリングをお勧めします。
カフェは小倉山という下村観山の作品名にちなんだお店があり、ミュージアムショップも比較的充実していると思います。近くには商業施設も豊富にあり、利便性の高い立地です。
と言うことで、ここは美術ファンには定番の美術館となっています。横浜は見所が多いので、美術初心者の方でもアート巡りしやすいのではないかと思います。デートから家族連れまで多くの人が楽しめる場所です。

地図には載せていませんが近くにはランドマークタワーの展望台や港内クルーズなどもあって、いずれも楽しい所です。



三渓園は南端になるので、その前にkiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

桜木町駅から横浜美術館に向かう途中に横浜みなと博物館があり、帆船日本丸が目印となります。ここは船と横浜の歴史を学べる博物館で、日本丸の中も見て回ることができます。横浜美術館とハシゴしやすいので、お子さんがいる場合はここと組み合わせるのも良いかも。

そして、もう1つ家族連れで楽しめそうなのが安藤百福発明記念館(カップヌードルミュージアム)です。
 参考記事:安藤百福発明記念館(カップヌードルミュージアム)の案内

前述の通り横浜は歴史的建造物が多い訳ですが、こちらは新しい建物です。
h_IMAG0103.jpg
赤レンガ倉庫の近くで、かなり人気の施設です。

中では体験型の展示が多く、特にチキンラーメンを手作りできる工房「チキンラーメンファクトリー」と自分のオリジナルのカップヌードルを作れる「マイカップヌードルファクトリー」が見所となっています。
これはマイカップヌードルファクトリーの様子
h_IMAG0157.jpg
4種類のスープから1つ、12種類の具材から4つ選び、自分で描画したカップヌードルの容器に入れてもらいます。勿論持ち帰りできるので、容器は思い出の品になりますよ。

他にもヌードルバザーという世界各国の麺料理を楽しめるコーナーなんかもあります。
h_IMAG0109.jpg
大人数で行ってバラバラに頼んでシェアすると楽しいと思います。

安藤百福発明記念館(カップヌードルミュージアム)はいつも混んでいるので、その点だけご注意。ここだけでもかなり楽しめます。


ちょっと南下して馬車道駅付近になると神奈川県立歴史博物館と日本郵船歴史博物館の歴史的建造物を活かした博物館があります。神奈川県立歴史博物館は地元の歴史を紹介する常設と企画展が行われています。しかしそれ以上に見所なのが建物自体で、1904年に横浜正金銀行として建てられたネオ・バロック様式となっています。1階には当時の雰囲気を残すカフェもあるので、それを目当てに行くのも良いかもしれません。一方、日本郵船歴史博物館は海運を中心とした常設を行っていて、後述の氷川丸はこちらに付属しています。こちらもギリシャの神殿を想起させるコリント式の列柱が並ぶ建物となっていて目を引きますので、一度は訪れておきたい所ではないかと思います。

日本大通り駅周辺には横浜市開港記念会館、神奈川県庁本庁舎、横浜税関本関庁舎、横浜開港資料館といった歴史的建造物が立ち並んでいます。

横浜市開港記念会館は2017年の横浜トリエンナーレの会場にもなった所で、普段は横浜市中区公会堂として使われています。
DSC_0409_enc.jpg
東京駅のようで辰野金吾の設計のように見えますが、福田重義と山田七五郎が手掛けています。ジャックの塔というあだ名もあり、横浜三塔の1つです。

で、残り2つの塔はどこかと言うと、横浜税関本関庁舎(クイーンの塔)と神奈川県庁本庁舎(キングの塔)です。これらはお互いに近くにあり、神奈川県庁本庁舎は展望室・展望台を見学することもできます。いずれも美しい建築となっていますので、行くなら一気に3塔制覇を狙うと良いかと思います。

もう1つこの辺で見所は横浜開港資料館で、ここも歴史的建造物となっています。ペリーが来航した際に絵に描かれた場所で、以前は元英国領事館として使われた建物となっています。その絵にかかれた「たますくの木」を囲うように旧館・新館があり横浜の歴史に関する資料展示も行われています。ここも3塔と合わせてオススメです。

山下公園あたりまで来ると、横浜マリンタワーや中華街といった観光地がたくさんありますが、アートとしてはホテルニューグランド本館と氷川丸が注目となります。ホテルニューグランドは様々な様式を取り入れていて、シックで高級感あるデザインとなっています。歴史的な著名人も数多く泊まった場所なので、歴史ファンにも興味深いのではないかと思います。 また、氷川丸についてはこの公園のシンボル的な感じかな。中を見学することができ、戦前の貨客船の雰囲気を味わえます。ここも是非一度は足を運んでおきたい所です(と言いつつ私は久しく行ってないので、書いてて再訪したくなりましたw)

さらに南下して港の見える丘公園まで行くと神奈川近代文学館や岩崎博物館(ゲーテ座記念)、イギリス館などがあります。この辺は外国人居留地があったため洋館も多く、アントニン・レーモンドが設計したエリスマン邸をはじめ数多く立ち並びます。中に入ることができる所もあるので、洋館巡りも楽しい所です。



そしてちょっと離れた本牧に歴史的建造物のテーマパークとも言える三溪園があります。

<三溪園>

DSC_4563_20130706110108.jpg

【公式サイト】
 https://www.sankeien.or.jp/

【鑑賞時間目安】
 3時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 建物・企画展(小規模)

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 2020年参加 券種不明

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 建物部分はルールを守れば可能

【特徴】
こちらは広い敷地内に日本の古い建物を移築した施設で、合わせて17棟もの建築物が並んでいます。外苑と内苑があり、原三渓の一家が私邸として使用していた内苑に特に美しい建物が多いかな。よくある地元の農家の展示とは違い、紀州徳川家の別荘など立派な建物があるのが特徴で かなり格式高い雰囲気です。

これが一番お気に入りの臨春閣
DSC_4687.jpg
数寄屋風書院造りで、東の桂離宮と称されているそうです。日本らしい美意識に溢れた傑作です。

園内はかなり広く、アップダウンもあって軽くハイキングみたいな感じですw 池や川も流れ、初夏にはホタルを観ることもできます。もちろん花も春夏秋冬で楽しめるので、自然観察にも良い場所です。

建物が中心ですが、ここを設立した原三渓に関する展示を行っている三溪記念館という建物もあります。
DSC_4964.jpg
資料やゆかりの画家たちの作品なども展示されることがあるので、ここも注目です。

園内には食事できる場所が3~4箇所程度あり、いずれも風情あるお店となっています。庭を堪能しながら頂く和菓子は2割増しくらい美味しく感じるかもw ここだけで一日楽しむこともできますので、じっくりと時間を取って訪れたい場所です。


ということで、横浜は美術館だけでなく歴史的建造物が無数にあるエリアとなっています。1日で全部観て回るのはかなり難しいと思いますが、街ブラしながら探すのも楽しい所です。

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■2011/9/29
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