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【熱海】 美術館巡りルート

今日は静岡県の熱海のアートスポット巡りについてのご紹介です。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

熱海の美術館と言えば<MOA美術館>が有名で、必ず寄るべきスポットとなっています。他に熱海駅の近くにはブルーノ・タウトが地下室を手掛けた旧日向別邸があり(修理中で2022年から公開予定)、それに隣接する隈研吾 氏が設計したATAMI 海峯楼という高級リゾートホテルなどもあります。来宮駅周辺には來宮神社、凌寒荘、熱海梅園、熱海市立澤田政廣記念美術館、中山晋平記念館、双柿舎などが比較的近いエリアに集まっています。また、熱海の市街地の外れにある<起雲閣>も見どころとなっています。勿論、熱海は普通の観光地もたくさんあるので、それらと組み合わせて訪れると良さそうです。




まずはメインとなるMOA美術館についてです。

<MOA美術館>

P1090605.jpg

【公式サイト】
 http://www.moaart.or.jp/

【鑑賞時間目安】
 2時間30分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 場所による

【特徴】
こちらは箱根美術館と同じく世界救世教が運営している大型の美術館で、国宝3件、重要文化財60件以上を含む約3500件もの美術品を所有しています。館名のMOAって何じゃ?って話ですが、これは「Mokichi Okada Association」の略で、岡田茂吉は世界救世教の教祖です。とは言え、宗教色はあまり感じず普通に観光地となっています。傾向としては日本の古美術・工芸を中心としたコレクションで、企画展も同様となります。2017年には新素材研究所がリニューアルを手掛け、それらも一種の見どころとなったようです、私はリニューアル後はまだ訪れていないので最新の情報ではありませんが、いくつか施設をご紹介

美術館に入ると、長い長いエスカレーターがあります。
P1090614.jpg
この美術館は熱海駅の裏の急斜面にあり、館内でも高低差があります。立地的には熱海駅のすぐ近くですが、曲がりくねった道となっているのも同様の理由です。駅から歩くのは止めたほうが良いw

館内はガラス張りになっていて、熱海の海を見下ろすことができます。
P1090549.jpg
急斜面にあるので眺めが非常に良いのはメリットですね。

こちらは模造品ですが、この美術館の目玉コレクションと言える尾形光琳の「紅白梅図屏風」です
P1090559_20130320153027.jpg
本物は大体2月くらいに企画展で出品されることが多いように思います。なので私が熱海に行くのは冬ばかりw

ちなみに展示室はかなり広く、それ以外にも庭園や野外彫刻などもあるのでじっくり見れば2時間半~3時間くらいはかかると思います。

こちらは秀吉の作った黄金の茶室の再現
P1090552.jpg
当時の文献などを元に再現したようです。秀吉のイメージそのものかなw

他にも能楽堂が丸ごとあったりして、豪快な美術館です。

外にも庭園があり、こちらは尾形光琳の屋敷の再現。
P1090582_20130322002931.jpg
1階は中に入ることもできます。他にも茶室や門など古い建造物を移築したものもあり、建物好きにも楽しい所です。

ということで、美術品だけでなく付属施設も見どころの多い美術館となっています。眺めも良くカフェ・レストラン・茶室などの飲食施設も充実しているので多くの人が楽しめるんじゃないかな。美術初心者の方にもオススメの美術館です。



熱海駅の周辺でもう1つ注目なのが旧日向別邸です。こちら保存修理中で再オープンは2022年3月頃を予定していますが、世界的に有名な建築家のブルーノ・タウトがナチスから逃れ日本に亡命してきた頃に手掛けたもので、日本で唯一現存する建築となっています。地下に日本建築を取り入れた3室を作っていて、今では一般公開されています(修理が終わればですが) また、そのすぐ隣には隈研吾 氏が手掛けたATAMI 海峯楼という高級リゾートホテルがあります。たった4室しかなく めちゃくちゃ高級で予約も全然取れないようですが、水鏡と海が一体化したような眺めやガラス張りの食堂などが話題となったので、お金に余裕のある建築好きの方は是非チェックしてみてください。



来宮駅の北側には樹齢2000年の御神木がある來宮神社があり、その近くには凌寒荘(国文学者の佐佐木信綱)があります。凌寒荘は建物の中には入れませんが、趣のある邸宅となっています。また、来宮駅の西側には熱海梅園があり、それに隣接して熱海市立澤田政廣記念美術館や、中山晋平記念館があります。熱海市立澤田政廣記念美術館は彫刻家の澤田政廣が並び、梅まつりの頃は入場無料になるようなので梅園と共に訪れると良さそうです。中山晋平記念館は昭和20年代の家屋で、作曲家である中山晋平にまつわるピアノなども置かれています。こちらも梅園とセットで巡るのがベストだと思います。他にも来宮駅の南側には双柿舎という明治の文豪の坪内逍遙が住んだ家があり、無料で見学することができます。この辺は割と徒歩でも周れるので一気に訪れたいエリアです。



もう1つ、私のオススメは起雲閣です。

<起雲閣>

P1090510.jpg

【公式サイト】
 https://www.city.atami.lg.jp/kiunkaku/index.html

【鑑賞時間目安】
 0時間40分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 建物・庭園のみ

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 なし

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 ルールを守れば可能

【特徴】
こちらは大正時代に実業家の別荘として建てられたもので、1925年からは根津美術館の創始者でもある根津嘉一郎の手に渡り庭園が整備されました。1947年からは旅館として数多くの文豪にも愛されていましたが1999年に廃業し、熱海市が買い上げて2000年から一般公開されるようになりました。

魅力は何と言っても建物で、和風と洋風を組み合わせた作りとなっています。

こちらは麒麟という部屋
P1090346.jpg
加賀の青漆喰が使われ、気品ある佇まいとなっています。

打って変わってこちらはアール・デコ様式のサンルーム
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タイル張りとなっていて、あちこちに細かいデザインもあって瀟洒な雰囲気です。ここからの庭園の景色も素晴らしい(そして冬でも温かいw)

旅館だったのでお風呂もあります。
P1090455_20130323001318.jpg
ローマ風呂という名前で、確かにそうした風情があるかな。レトロなデザインがたまりません。

建物だけでなく庭もかなり立派です。
P1090519.jpg
2階から見下ろすこともでき、高い美意識が感じられる空間です。

併設のカフェもあり、旅館だった頃のバーを利用しています。
P1090495.jpg
やはりアール・デコ/アール・ヌーヴォー風の内装となっていて、洒落た雰囲気です。それほどメニューが充実している訳ではないですが、ここに行ったら是非寄っておきたいカフェです。

ということで、建物好きには面白い所となっています。山本有三、志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治、舟橋聖一、武田泰淳といった文豪たちも泊まっていたようなので文学好きの人にも一種の聖地になるのかも? 熱海に行ったらここも観光することをお勧めします。


ということで、熱海の大きな美術館はMOA美術館くらいですが、様々な建築物があります。普通の観光地もたくさんあるので、そうしたスポットと組み合わせると充実した旅になると思います。東京から青春18切符で日帰りするのにも良いエリアです。
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