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【名古屋 前編】 美術館巡りルート

今日は名古屋の今日は名古屋のアートスポット巡りについてのご紹介です。名古屋のスポットは数多いので、前編・後編に分けてご紹介していこうと思います。

ご紹介するのはこちらの地図のakamaru.pngでポイントした2箇所となります。また、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した周辺で見どころになりそうな場所についてもご紹介していきます。

名古屋は古くからの歴史がある街ですが、その象徴とも言えるのが<徳川美術館>だと思います。この美術館から南西方向には「文化のみち」と呼ばれる近代建築が立ち並ぶエリアがあり、文化のみち二葉館、文化のみち橦木館、名古屋 文化のみち 堀美術館といった施設が点在します。さらにそこから南方向に向かうと、横山美術館、<ヤマザキマザック美術館>があり、栄の辺りには愛知県美術館があります。

今日は徳川美術館から南西方面に向かう順でご紹介して参ります。



まずは徳川家の遺産を継いだ徳川美術館についてです。

<徳川美術館>

DSC_0171_enc_201901250203487c2.jpg

【公式サイト】
 https://www.tokugawa-art-museum.jp/

【鑑賞時間目安】
 3時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 不可。庭園部分はルールを守れば可能

【特徴】
こちらは尾張徳川家に伝わった品々が並ぶ美術館で、国宝9件・重要文化財59件を含む1万件余りの所蔵品を誇ります。徳川家ゆかりの品だけあって武具、茶の湯、能などにまつわる由緒正しいコレクションがあり、常設と特別展を合わせると2時間半くらいのボリュームだと思います。展示スペースも豪華で、茶室や書院、能舞台まで作られていて徳川の威光を今でも感じさせるような感じです。企画展も主に江戸時代の工芸や書画をテーマごとに紹介する内容で、こちらも国立の美術館に負けないような立派な品が出てくるようです。

さらにこの美術館には隣接した徳川園という庭園があります。
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こちらは尾張藩の二代藩主が隠居所としたのを起源とした庭園で、池を中心とした池泉回遊式となっています。

庭園は美術館とのセット券もあるので、もし訪れるのであれば是非合わせて訪れることをオススメします。30分くらいで周れて、小さいながらも渓谷や滝のような光景もあります。季節によっては菖蒲や冬牡丹なども楽しめます。

ということで、名古屋らしく豪勢な作りで貴重なコレクションを観ることができます。東京で江戸時代をテーマにした展覧会が開かれると、この美術館のコレクションがちょくちょく出品されるほどなので、日本美術が好きな方には特に注目のスポットだと思います。



続いての美術館のご紹介の前に、kiiromaru.pngaomaru.pngで示した文化のみちについて取り上げます。


この「文化のみち」というのは主に名古屋城から徳川園にかけて存在する歴史的建造物の集まるエリアのことで、20ヶ所以上の建物がその対象となっています。検索すると効率的に周れるルート紹介などもあるので一部のみのご紹介としますが、それぞれ個性ある瀟洒な雰囲気の建物となっています。

 参考記事:
  文化のみち二葉館の写真 (名古屋編)
  文化のみち橦木館と周辺の写真 (名古屋編)

こちらは「文化のみち二葉館」
DSC_0258_enc_20190127011032038.jpg
ここは日本初の女優と謳われた川上貞奴と、電力奥の福沢桃介が暮らした邸宅を移築・復元したものとなります。

外観の通り洋風の部屋が多いですが、意外にも和室もあります。
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この部屋は創建当初のままで国の文化財だったりします。凛とした佇まいで美しい空間です。

2階の旧浴室・旧洗面所・旧化粧室は名古屋ゆかりの文学者や文学作品を紹介する展示室になっています。
DSC_0310_enc_20190127011700a2a.jpg
他にも作家の城山三郎の書斎の再現などもあり、名古屋の文学界についても知ることができます。

貞奴は海外でも絵画化されているほど有名な女優だったので、当時のポスターを何度か展覧会で見たことがあります。その度にこの家を思い出すので、美術鑑賞の参考にもなりそうです。

文化のみち二葉館から徒歩5分の所に、「文化のみち橦木館」という建物もあります。
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この2つの館はセット券になっているのでハシゴしやすい施設です。輸出陶磁器商の井元為三郎によって建てられた和洋折衷様式となっています。

入口や部屋の中にステンドグラスが取り付けられていたりします。
DSC_0410_enc_20190128001011639.jpg
部屋の中には陶器の展示もあり、最盛期には日本の輸出陶磁器の8割近くが名古屋経由だったことなどが紹介されています。

他にも多くの部屋があるのですが、1階の入口脇の洋室はカフェになっています。
DSC_0453_enc.jpg
庭を眺めながらゆっくりお茶をすると非常に優雅な気分になれますw

と言った感じで、この辺は中に入れる施設が集まっています。近くには「名古屋 文化のみち 堀美術館」などもあるので、文化のみち巡りだけでもかなり楽しめると思います。



続いては文化のみち から南下した所にあるヤマザキマザック美術館についてです。

<ヤマザキマザック美術館>

DSC00900.jpg

【公式サイト】
 http://www.mazak-art.com/index.shtml

【鑑賞時間目安】
 2時間00分程度

【過去の展示】
 記事一覧はこちら

【企画展・常設】
 企画展・常設ともにあり

【併設のカフェ】
 あり

【近くのカフェ】 ※古い記事の場合、閉店/移転していることもあります
 記事一覧はこちら

【ミュージアムショップ】
 あり

【ぐるっとパス】 ※記事にした当時の情報です
 不参加

【館内撮影可否】 ※詳しくは館員さんにご確認ください
 常設はルールを守れば可能

【特徴】
こちらは工作機械メーカーのヤマザキマザック株式会社が所有するコレクションを展示する美術館で、18世紀のロココ様式と19世紀末のアール・ヌーヴォー様式に特に力を入れたコレクションとなっています。美術館の方針であえて額装からガラス板・アクリル板を外したりキャプションを最低限にするなど、当時の雰囲気を重視するような展示方法となっているのも特徴です。特別展の傾向としてはロココとアール・ヌーヴォーに関する展示が多めで、春と秋にはコレクション展が例年開催されているようです。

常設は2フロアあって、下階はアール・ヌーヴォーの調度品コレクションとなっています。
DSC00654.jpg
重厚かつ華麗な雰囲気の調度品に囲まれて、これだけでも十分に見応えがあります。

上階は絵画作品が70点くらい並んでいます。壁まで気品ある感じ
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ロココだけでなく新古典主義、ロマン派、象徴主義、写実主義、印象派、ナビ派、フォーヴィスム、エコール・ド・パリなど、王道的なフランスの巨匠たちの作品がずらりと並ぶ光景は圧巻です。

こんな感じでかなり本格的に西洋美術を楽しむことができます。名古屋にも多くの美術館がありますが、ここは特にオススメしたい美術館です。

ヤマザキマザック美術館の近くには輸出陶磁器を中心とした横山美術館や大規模展示を行う愛知県美術館もあります。(愛知県美術館は私が行った時はリニューアル工事中でしたw) 愛知県美術館は繁華街の栄のすぐ近くで名古屋テレビ塔にも近いので、帰りにこの辺を観光するのも良いかもしれません。

ということで、名古屋には徳川ゆかりの美術館もあれば近代建築や近代絵画などモダンなものまで様々なものがあります。名古屋は観光地としても非常に面白いのに、何故かあまり話題にならないのが不思議なくらいですw 他にもまだ見どころはあるので、次回も後編として名古屋についてご紹介の予定です。
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