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2009年の振り返り

2009年も今日でお終いなので、今年の美術展について振り返りをしようかと思います。結構、美術展サイトだけでなく映画や音楽のサイトでも今年のベスト10みたいな感じで振り返っているサイトが多いみたいですので、それに便乗しますw とはいえ10個に絞るのは大変なので、ちょっと趣向を変えようかと。いくつかのテーマでベスト5を選びたいを思います。かなり好みといまの気分のみで決めているランクです。

部門別にご紹介。

<総合満足 現代美術部門ベスト5> ※イベント除く
 1位:野村仁 変化する相―時・場・身体 (国立新美術館)
 2位:アーティスト・ファイル2009 (国立新美術館)
 3位:ヴィデオを待ちながら 映像、60年代から今日へ (東京国立近代美術館)
 4位:河口龍夫展 言葉・時間・生命 (東京国立近代美術館)
 5位:アイ・ウェイウェイ展 何に因って? (森美術館)

野村仁展は心底面白かったです。私は現代アートに苦手意識がありますがここに挙げた5つはどれも楽しめました。これ以外にも、マーク・ロスコ展ヴェルナー・パントン展等も面白かったです。イベントも含めるとアートフェア東京2009 (東京国際フォーラム)は来年も期待したい超面白イベントでした。


<総合満足 西洋美術部門ベスト5>
 1位:国立トレチャコフ美術館展 忘れえぬロシア (Bunkamura)
 2位:生誕150年ルネ・ラリック─華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ (国立新美術館)
 3位:ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画 (国立西洋美術館)
 4位:フランス絵画の19世紀 美をめぐる100年のドラマ (横浜美術館)
 5位:THE ハプスブルク(ハプスブルク展) (国立新美術館)

やはり西洋美術は充実した内容が多くて、選ぶのは大変でした。結局大きな展示が名を連ねていますが、好みの問題で1位はトレチャコフ美術館展にしました。心底ほれましたw 逆にゴーギャン展2009 (東京国立近代美術館)とかは凄いと思ってもあんまり好みじゃないのでランク外w むしろウィーン・ミュージアム所蔵 クリムト、シーレ ウィーン世紀末展 (日本橋タカシマヤ)なんかはノーマークの掘り出し物でした。


<総合満足 日本美術部門ベスト5> ※仏教系の展示は日本美術と分けました。
 1位:皇室の名宝―日本美の華 <1期>(東京国立博物館 平成館)
 2位:速水御舟展 -日本画への挑戦- (山種美術館)
 3位:清方/Kiyokata ノスタルジア (サントリー美術館)
 4位:MAKISHIMA NYOKYU 牧島如鳩展 ~神と仏の場所~ (三鷹市美術ギャラリー)
 5位:没後60年記念上村松園/美人画の粋(すい) (山種美術館)

皇室の名宝展は別格かな。 4位の牧島の個性はかなり衝撃でしたw もう個展を観る機会も無いのではと心配です。 このほかにも斎藤真一展 瞽女と郷愁の旅路 (武蔵野市立吉祥寺美術館) (近日紹介予定) や没後80年 岸田劉生 -肖像画をこえて (損保ジャパン東郷青児美術館)山水に遊ぶ 江戸絵画の風景250年(府中市美術館)なども心に残りました。


王道はこんな感じだったかなと。この西洋・日本の区分けだと両方入ってしまう、奇想の王国 だまし絵展 (Bunkamuraザ・ミュージアム) や日本の美術館名品展 (東京都美術館)も勿論良かったです。

他にも良い展示は沢山あったので、色々な切り口でご紹介。


<仏教系展覧 ベスト5>
今年は仏教に関する展示が多かったように思います。仏教系の展示は日本美術と分けてランクをつくりました。
 1位:国宝 阿修羅展 (東京国立博物館)
 2位:国宝 三井寺展(サントリー美術館) (まだブログがありませんでした)
 3位:聖地チベット-ポタラ宮と天空の至宝- (上野の森美術館)
 4位:平泉~みちのくの浄土~ 世界遺産登録をめざして (世田谷美術館)
 次点:尼門跡寺院の世界 皇女たちの信仰と御所文化 (東京藝術大学大学美術館)

阿修羅展は別格で、全体でも1~2を争う満足度でした。 3位だけ国外ですが、これもかなり素晴らしい内容でした。 尼門跡展は凄いものをそろえてるのはわかったのですがいまいち趣味じゃないのが多かったので次点にしました。


<後学となった展覧会 ベスト5>
後々の鑑賞に役立つ情報が多かったランキングです。
 1位:知られざるタオの世界「道教の美術 TAOISM ART」 -道教の神々と星の信仰- (三井記念美術館)
 2位:錦絵はいかにつくられたか (国立歴史民俗博物館)
 3位:フランス絵画の19世紀 美をめぐる100年のドラマ (横浜美術館)
 4位:日本美術のつくり方 (東京国立博物館)
 5位:日本の美術館名品展 (東京都美術館)

 道教展はその後に観たいくつもの展示で有り難味を感じました。今後の自分の財産となりそうな展示でした。 アカデミスムにフォーカスしたフランス絵画展もそういう感じです。名品展はその後の山梨遠征の参考にしました。


<展示品の品揃えに驚いた展覧 ベスト5>
とにかく、凄い!と驚きを感じた展覧です。
 1位:皇室の名宝―日本美の華 <1期>(東京国立博物館 平成館)
 2位:国宝 阿修羅展 (東京国立博物館)
 3位:古代ローマ帝国の遺産 - 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ- (国立西洋美術館)
 4位:ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画 (国立西洋美術館)
 5位:一瞬のきらめき まぼろしの薩摩切子 (サントリー美術館)

ほとんど国立の大型展ですみませんw やっぱりそこは流石としか言いようがないです。そして5位に入れた薩摩切子展は現存する薩摩切子の大半が展示されているという凄い展示でした。


<お客が大入りだった ベスト5>
 1位:奇想の王国 だまし絵展 (Bunkamuraザ・ミュージアム)
 2位:ルーヴル美術館展 17世紀ヨーロッパ絵画 (国立西洋美術館)
 3位:国宝 阿修羅展 (東京国立博物館)
 4位:皇室の名宝―日本美の華 <2期>(東京国立博物館 平成館)
 5位:皇室の名宝―日本美の華 <1期>(東京国立博物館 平成館)

チケットで並ぶor入場規制を食らったのが1~3位。阿修羅展やルーブル展は中に入るといくらかマシでしたが、騙し絵展は無茶苦茶大変でした。名宝展は入場規制は無かったけど2期は辛かった…。


参考:<古代のロマン>
今年は古代をテーマにした展示が多かったように思います。海のエジプト展やトリノ展には行けずじまいで、私は古代に関するのは4つしかいっていませんでしたが、2009年の1つの特徴だと思うので、トピックとして挙げておきます。
 1位:特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン (1日ブログ記者) (国立科学博物館)
 2位:古代ローマ帝国の遺産 - 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ- (国立西洋美術館)
 3位:古代カルタゴとローマ展 ~きらめく地中海文明の至宝~ (大丸ミュージアム・東京)
 4位:国宝 土偶展 (東京国立博物館 本館特別5室)

シカン展は当時の文化を様々な面を詳細に知ることができる素晴らしい情報量でした。また、ブログ記者という新しい広報のありかたも面白かったです。最近ではブロガー向けの内覧会も増えているようですので楽しみです。

<フレッシュな美術館 ベスト5>
今年は新しい美術館や移転などに話題が事欠きませんでした。新しさを感じた順です。

 1位:三菱一号館竣工記念「一丁倫敦と丸の内スタイル展」 (三菱一号館美術館)
 2位:美術を変えた9人の画家 (ポーラミュージアム アネックス POLA MUSEUM ANNEX)
 3位:速水御舟展 -日本画への挑戦- (山種美術館)
 4位:国宝那智瀧図と自然の造形 (根津美術館)
 5位:六本木アートナイト

1位は新設、2~4位はリニューアル・移転です。5位は今年から始まり来年も行われるアートイベントです。 この不況時に新しい美術館ができるのは嬉しい限りですが、その影で、青山ユニマット美術館の閉館などもありました。


ということで、ミーハーなランキングですみません^^; 今年も沢山の美術品を観て色々と学び、癒されていました。だいぶ色々挙げましたがこれでも挙げ切れなかったものが多くて、本当に恵まれた1年でした。
また来年も沢山色々観られることを祈っております。。皆様よい年越しを…。


おまけ:あまり使われてなさそうですが、左サイドの「全ての記事を表示する」のリンクを押すといままでの全タイトルが出てきて、検索などがしやすいです。 今回の記事はどういう展覧会の中から選んでいるのか知りたい方は、こちらを押してみて参考にしてください。(「全ての記事を表示する」と同じ飛び先です)
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Comment
No title
分野別にベスト作れたらいいんですけどね。
なかなかそれだけという訳にもいかず。
野村仁、平泉は私もお気に入りです。
Re: No title
コメントありがとうございます。
memeさんは全国に渡って分母が大きいだけに、選ぶとしたらかなり濃い内容になりそうですね^^ 美術ブログの皆さんのランキングは観ているだけで思い出してきて面白いです。逃したのとかは悔しいですがw

野村仁展は科学をベースにしていてかなり楽しめました。平泉も良かったですね。どちらもつい最近のように覚えています。来年もこうした展示が楽しみです。
No title
ジャンルごとのランキングって、いいですね。

現代美術の展覧会の3~5位は、見に行けなかったです。5位の<アイ・ウェイウェイ展 何に因って?>って、写真撮影可だった珍しい展覧会だったんですよね。行っとくべきでした。
Re: No title
>えこうさん
ジャンルごとにしたらどこにも入らないのが出てしまいましたが、色々紹介できたかなと思います。
現代美術は何だかんだで結構観たのですが、アイ・ウェイウェイ展 何に因って?はおっしゃるとおり写真が撮れるのが私の中では高評価でした。写真が自由に撮れるとまた見え方が違うように思います。
えこうさんのランキングも面白かったです。結構見逃したのも多かったなあ…。
No title
あけましておめでとうございます。

何処かの展覧会でお会い出来るといいですね。
(もしかしてもう会っているかもしれませんが)

今年も宜しくお願い致します。
Re: No title
あけましておめでとうございます。ご挨拶が遅れてすみません^^;
旧年中は大変お世話になりました。今年もどうぞよろしくお願いします。

確かに気づかぬうちにお会いしているかもしれませんね。今年もTakさんの記事を参考にさせて頂こうと思います^^
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