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《宇治野宗輝》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、1990年代から活躍されている現代アーティストの宇治野宗輝 氏を取り上げます。宇治野宗輝 氏はサウンド・スカルプチャーと呼ばれる音を出す作品の制作で知られ、2000年代からは家具や家電などを使った大掛かりなインスタレーションを造られています。時には作品の素材に自動車やトラックまで使う大胆さで、アートフェスなどでは特に人気を集めます。今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。


宇治野宗輝 氏は1964年に東京都で生まれました。東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業し、1990年代より「LOVE ARM」シリーズをはじめとするサウンド・スカルプチャーの制作と作品を用いたパフォーマンスを行なうようになります。2004年からは20世紀後半の大量消費社会における「物質世界のリサーチ」として楽器・家具・家電製品・自動車など日常的なモノと技術を組み合わせたサウンド・スカルプチャーシリーズの「The Rotators(ザ・ローテーターズ)」を発表していきました。最近では映像作品に力を入れ、ドキュメンタリー的な映像作品などを手掛けているようです。 残念ながら初期作品の写真はありませんでしたので2010年代の作品をご紹介して参ります。


作家:宇治野宗輝 「TANSU ROBO」
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この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。
こちらは森美術館で行われた「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」への出品作品。家電製品などを組み合わせてテクノ風の音楽を鳴らす作品で、日用品が組み合わさってタンスとロボットの間の子みたいな感じかなw これはドンドコいう音を立ててた記憶がありますが、廃材を使って音楽を造るというのが1つの特徴となっています。

宇治野宗輝 氏は1997年に同じく現代アーティストの松蔭浩之 氏と「ゴージャラス(GORGEROUS)」というユニットを組んでロックの活動も行っています。私は映像でしか観たことがありませんが国内外でライブも行っているようです。

作家:宇治野宗輝 「CAR」
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この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示・非営利・改変禁止2.1日本」ライセンスでライセンスされています。
こちらも2010年の展示の際の作品で、ロボットの隣にありました。この他に「TOWER」という作品もあり3つのセクションで1つの音楽を作っていたのですが、車自体を楽器にするような大胆さに驚きますw 

2003年には第6回岡本太郎記念現代芸術大賞特別賞を受賞されたそうで、2000年代には既に有力なアーティストとして認知されていました。

宇治野宗輝 「ヴァーティカル・プライウッド・シティ」
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こちらは2011年の作品。古いギターや掃除機、レコードなどが動き出して騒音とも音楽とも言えない音を出しますw どこまで意図的に設定されているか分かりませんが、不協和音のようで たまにちゃんと音楽っぽく感じたりするのが面白いw

プライウッドというのはベニアのことで、ベニアで構成され拡張された都市を表現しているらしく、着想源は出身地である練馬の新興住宅地なのだとか。大量生産・大量消費を象徴すると共に均質化されていく世界も表しています。

宇治野宗輝 「ライトアップフューチャー丸」
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こちらは六本木アートナイト2013で発表された作品。この年のアートナイトのテーマは「アートブネプロジェクト」だったので、各アーティストたちは船をモチーフにした作品を出品していました。宇治野宗輝 氏は家電などを組み合わせて作った強い照明の船で、この船では「渋さ知らズオーケストラ」とこコラボで「The Rotators」のパフォーマンスが行われました。

宇治野宗輝 氏の作品は美術館で観ることもありますが、アートフェスで見かける機会が多いように思います。最近だと「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」や六本木アートナイト2018年にも出品されていました。

宇治野宗輝 「ライブズ・イン・ジャパン 電波街(Radiowave Quarter) ブライウッド・シティ・ストーリーズ」
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こちらは2017~2018年頃にICCに常設された作品で、「ライブズ・イン・ジャパン」は6台のディスプレイにそれぞれ家電やエレキギターが映され、電気のオンオフに合わせて駆動音が鳴って演奏のように聞こえてきます。また、「電波街」では短波ラジオ受信機がさまざまな国の放送を受信する様子を記録した映像を複数同期再生されます。そして「ブライウッド・シティ・ストーリーズ」では宇治野宗輝 氏が日本人英語の一人語りで進行するドキュメンタリー的手法の映像作品となっていて、「ライブズ・イン・ジャパン」に登場する家電や日本の住空間について本人の原風景と共に語られます。ただの廃材ではなくそれぞれの家電にも思い入れがあったんですね…。

この作品では実際の装置ではなく音を出す家電が映像化されている点が特徴で、物質から情報へといった社会の変化が表されているのではないかと考えられるようです。また、家電を説明する下りなどは戦後日本の欧米文化への憧れや、大量消費/大量廃棄社会、日本における輸入文化需要のあり方へのアイロニーや批評も込められているのだとか。

宇治野宗輝 「ドラゴンヘッド・ハウス」
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こちらは六本木アートナイト2018への出品作。再び車を丸ごと使っていて、下顎の部分はトラック、上顎はタクシー、歯は光るカラーコーンとなっています。その材料だけでも迫力がありますが、これが動く様子は圧巻です。

こちらはその時に撮った動画。

カラーコーンの明滅と共にまさにドラゴンの叫びのような感じです。この豪快さが好みw


ということで、身の回りの家電や廃材を使った作風となっています。先述の通りアートフェスに参加されることが多く、音楽活動などもされているので 今後もその活躍ぶりを目にする機会があると思います。是非、実際に体験してみて頂きたいアーティストです。

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