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《塩谷亮》 作者別紹介

今日は作者別紹介で、現代の写実画家の中でも特に人気の高い塩谷亮 氏を取り上げます。塩谷亮 氏は人物画が多いイメージですが静物や風景も手掛け、その作風は精密な写実でありながら詩情漂い、現実的でありながら何処か非現実のような不思議さがあります。モチーフの取り合わせの妙などもそうした雰囲気を強め、時に神秘性すら感じさせると評されています 今日も過去の展示で撮った写真とともにご紹介していこうと思います。

塩谷亮 氏は1975年の東京都生まれで、1998年に武蔵野美術大学の造形学部油絵学科を卒業しました。その年には第52回二紀展奨励賞を受賞し、以降に二紀会の会員に推挙されて現在に至ります。今回は2017年の東京都美術館の展示で撮った写真を元にご紹介してまいります。

塩谷亮 「Toscana」
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こちらは2010年の作品。モデルは誰か分かりませんが3枚続きで背景にはトスカーナの田園風景が広がり、爽やかな印象を受けます。モデルはちょっと怪訝な感じを受けるかな…w かなり精密だけど写真にはない柔らかな色彩表現に思えます。

2008年~2009年にかけて文化庁 新進芸術家 海外研修制度の研修員としてイタリアに留学をされています。これもその頃の思い出でしょうか。

塩谷亮 「煌」
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こちらは2012年の作品。田園風景を背景にした母子像で、時代を超えた感じで聖母子を連想するかな。母親の慈愛に満ちた表情が素晴らしいですね。

2010年から2020年まで母校の武蔵野美術大学で非常勤講師を務められました。2021年時点では長岡造形大学の非常勤講師と九州産業大学芸術学部の客員教授を務められています。

塩谷亮 「静刻」
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こちらは2014年の作品。黒を背景に明るく光があたったような植物が描かれ、明暗がくっきりとしています。現実的なんだけど絵画的に感じられるのはこういう所でしょうか。静けさの中に生命力があるように思えます。

2002年には早くも銀座松坂屋で個展を開いていて、それ以降も百貨店やギャラリーを中心に個展が開かれています。グループ展はさらに多く参加されているので見られる機会も多いと思います。

塩谷亮 「月華」
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こちらは2014年の作品。花と裸婦という一種の演出的な取り合わせが神秘的に感じられます。昔の絵画なら何かの寓意なのかと思うかもw 憂いを帯びた表情と勢いを感じる花の対比も面白い。

塩谷亮 氏はモデルとの心理的距離の近さから描くことの必然性を感じて描くことが多いそうです。確かに親密な雰囲気が感じられますね。

塩谷亮 「碧音」
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こちらは2015年の作品。海を背景にしたフジツボが描かれていて、フジツボは海にあるのが当然なはずなのに唐突感があってシュールですらあるかな。大きさや明暗の付け方で写実でこれだけ不思議な感じを出せるのかと驚きます。

2010年にオープンした写実専門のホキ美術館に塩谷亮 氏の作品は数多くコレクションされています。ホキ美術館に行けば常設で塩谷亮 氏の作品を観ることが可能です。

塩谷亮 「紫」
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こちらは2016年の作品。黒を背景にして細部まで見事に写実的に描かれています。こちらも静けさと生命力の両面を感じさせるかな。

今回は2017年の展示をもとにしていますが、近年はヨーロッパに生まれた油絵具と古典技法を使って日本人である自分が描くことの意味を見つめた作品が多いのだとか。

塩谷亮 「晩夏近江」
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こちらは2016年の作品。日本的な棚田の風景となっていますが、誰もいない静かな雰囲気です。山間にモヤが立ち込めているなど神秘的な光景にも思えます。

2004年のオランダ美術賞展特別賞や2018年のMEAM ヨーロッパ近代美術館でのグループ展など海外での活動もあり、今後の一層の活躍も期待されます。

塩谷亮 「草音」
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こちらは2017年の作品。どこか意味深なポーズでちょっとシュールさも感じるかな。物語性がありそうにも思えます。

塩谷亮 氏は公式サイトをお持ちで、過去の作品などを観ることができます。たまにメディアに出ることもあり、日曜美術館などで見た覚えがあります。
 参考リンク:http://www.ryoshiotani.com/
 
塩谷亮 「一の滝」
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こちらは2017の作品。静けさの中に滝の音が聞こえて来そうな雰囲気で神々しいほどです。


ということで、単に精緻なだけでなく何処か非現実的な詩情を漂わせる画家だと思います。前述の通りホキ美術館に常設され、各地の展覧会で観られる機会も多いので、是非覚えておきたい方です。
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