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《マンモス》 テーマ別紹介

今日はテーマ別紹介で、マンモスを取り上げます。マンモスは約400万年前からユーラシア大陸のみならず南北アメリカ大陸やアフリカ大陸に生息した象に似た生き物です。巨大な牙を持ち「マンモス団地」や「マンモス校」などのように巨大生物の代名詞的な使われ方をしますが、実際にはアフリカゾウより小さな生き物でした。その絶滅の原因は人間による乱獲や気候変動など諸説があり、約4000年前に絶滅したと考えられていますが、現在でも氷漬け状態でマンモスが見つかることがあり、ほぼ当時の姿を目にすることも可能となっています。今日はマンモスについて2019年の日本科学未来館の展示を振り返る形でご紹介しようと思います。
 参考記事:「マンモス展」-その『生命』は蘇るのか- (日本科学未来館)

まずこちらはケナガマンモスの全身骨格。かなり立派な牙を持っています。30~40歳の雄の骨格で、2~3頭の骨を組み合わせています。
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しかし実際に近くで見ると思ったより大きくはありません。 マンモス=デカイというイメージがありますが、アフリカゾウよりは小さい(体高は285cm)生き物です。

マンモスは4000年前に絶滅したと考えられていて、象とは違う系統の生き物です。500万年前頃に象と分岐して進化し、寒さに適応して体毛に覆われた姿だったようです。

こちらはコロンビアマンモス。
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一口にマンモスと行っても色々種類があり、ステップに住んでいたムカシマンモスという種などもいます。

かつて日本にも北海道あたりにもマンモスが住んでいたそうです。

こちらは再びケナガマンモスの頭骨と下顎骨。
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マンモスの歯は生涯5回生え変わり、歯を観ると年が分かります。また、200kg以上の草を毎日食べたそうで寿命は60~70年なのだとか。

マンモスの名前の由来はサモエード語で「マー(地中の)」「モス(動物)」とのことで、かつては骨から想像し、巨大なネズミか巨大なモグラではないかと考えられていました。

こちらはケナガマンモスの牙(左切歯)4.5m
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マンモスはこの牙で雄同士の喧嘩や敵への威嚇で使ったとも考えられているようです。100kgもある非常に重い牙です。

こちらはケナガマンモスの歯(上顎左第3大臼歯) この歯で堅い草をすりつぶして食べていたようです。
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1日16時間以上かけて食事していたそうで、イネ科のスゲなどを食べていたようです。

こちらはユカギルマンモスの頭部の冷凍標本1/1サイズのレプリカ。
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2005年の愛・地球博でも展示されたもののレプリカです。現在でも氷漬けの状態でマンモスが見つかることがあります。

近年の地球温暖化でロシア極東のサハ共和国の永久凍土から次々と見つかっています。

こちらは1977年に発見された「ディーマ」と呼ばれる4万年前のケナガマンモスで、非常に貴重な仔マンモスの完全体の冷凍標本です。
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ちょっとミイラ化しているようにも見えますが、毛もついているしこれだけ完全な形で残っているのに驚きます。生後6~11ヶ月くらいらしく、泥の池ハマって死んだと考えられるようです。4万年も腐らずに残っているなんて本当に奇跡ですね。

こちらは同じくサハ共和国で見つかった動物の骨を使った道具類
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人類はグループでマンモスを狩っていたそうで、火を使って崖に追い込んで仕留めたりしていたようです。大人のマンモスはステップで最強の生き物でしたが、人間によって狩られまくって絶滅の原因の1つとも考えられています。狩られたマンモスは食用だけでなく、牙で武器や道具、骨や皮でテントも作っていたのだとか。

ちなみにマンモスの肉は筋肉質で固くて美味しくなかったと考えられるそうで、ウマやバイソンの方が好まれたのだとか。はじめ人間ギャートルズのマンモス肉はめっちゃ美味そうだったのに…w

こちらは32700年前のケナガマンモスの鼻 
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鼻先が綺麗なハート型をしています。ひだの構造になっているので寒い時は内側に鼻を丸めてしまって体温を下げないようにしていたと考えられるそうです。それにしてもこれだけ綺麗に残っているのは衝撃的です。

マンモスの絶滅の原因は乱獲だけでなく気候変動で温暖湿潤になったことや、寒冷に適応しすぎた「特殊化」して気候変動に適応できなかったことも考えられるようです。本当の理由はまだ確定していないようですが恐らく複合的なもののようで、多分 気候が一番の原因でしょうね…。

こちらは実物のマンモスの毛。
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この展示の時、実際に毛を触ることができました。2種類あって長い方は外敵から身を護るもので、結構硬いです。短めのほうは体を温める為のものでモシャモシャしていました。

こうした実物のマンモスの多くはサハ共和国から発掘されます。

特にバタガイカ・クレーターという所で発掘され、永久凍土が崩落してできた場所となっています。
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半端なく広くて100mくらいの断崖絶壁になっています。永久凍土を調べることで当時の植生や気温なども分かるそうですが、中にはメタンガスも大量に含まれているので溶けると更なる温暖化が懸念されるようです。

こちらが冷凍マンモスのいる洞窟
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マンモスがどんどん出てくるマンモスの墓場だそうです。しかし何故こんなにも腐らず、他の動物に食べられずに残っているんでしょうね… みんなドロ池にハマったとも思えないし、水害かなんかでしょうか。

マンモス以外にも氷河期の動物が見つかることがあります。

こちらは2018年に見つかったばかりの4万1000年ほど前の仔馬の冷凍標本。 生後2週間~1ヶ月程度の仔馬だそうです。
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寝ているようで可愛い…w 注目は目の周りの毛で、寒冷化に対応していたのが伺えるようです。この仔馬からは液体状態の血液と尿まで採取できたとのことなので、今後の研究も期待できそうです。

ちなみに仔馬の上にあるのはケナガマンモスも皮膚です。

こちらは9300年前のユカギルバイソン。こちらもかつての姿をそのまま残しています。
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注目は顔で、有毒な草を食べたのが死因と考えられるので苦しそうな表情をしているようです。死ぬ時は何が原因でも苦しいでしょうけどね。

他にも子犬や雷鳥の丸ごと氷漬けになった姿などもサハ共和国で見つかっています。冷凍標本は永久凍土から掘り出すとすぐに溶けるので、真冬に運ばれるそうです。冷凍状態なので細胞やDNAを解析することも可能で、冷凍マンモスからマンモスを復活させるプロジェクトまであります。2019年3月11日に近畿大学が2万8000年前のマンモスの細胞核が再び生命活動の兆候を見せたというニュースを発信し、多くの研究者や人々を驚かせました。

こちらは近畿大学が発表したマンモスの細胞核
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細胞レベルでは生命活動の再現に成功したようで、これだけでも十分にすごいことです。近縁種のアジアゾウなどを使ってクローン羊「ドリー」の技術での復活を考えたようですが、アジアゾウも絶滅危惧種なのでそうも行かないし、成功した後の影響も考えながら慎重に研究しているようです。

本当にマンモスを復活させることが出来そうな雰囲気ですが、そこまでの道のりはかなり険しい道となります。倫理的にはどうなんでしょうね…


ということで、太古のロマンを感じさせるだけでなく復活できるかも??という現代科学の挑戦も感じさせる動物となっています。今後も研究は続いて行くと思いますので、それ次第でまた認識が変わって行くかもしれませんね。

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