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第15回 shiseido art egg 【資生堂ギャラリー】

先日ご紹介したパナソニック汐留美術館の展示を観る前に、資生堂ギャラリーで「第15回 shiseido art egg 中島 伽耶子 展」を観てきました。この展示は既に終了していますが撮影可能だったので、写真を使ってご紹介しておこうと思います。

DSC02361.jpg

【展覧名】
 第15回 shiseido art egg 中島 伽耶子 展

【公式サイト】
 https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/4343/

【会場】資生堂ギャラリー
【最寄】銀座駅 新橋駅など

【会期】
  石原 海 展    2021年 9月14日(火)~10月10日(日)
  菅 実花 展    2021年10月19日(火)~11月14日(日)
  中島 伽耶子 展  2021年11月23日(火)~12月19日(日)

 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間10分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
特に入場制限などはなく、空いていて快適に鑑賞することができました。

過去にも何度か「shiseido art egg」をご紹介しましたが、これは2006年からスタートして毎年行われている公募制の展示で、今年も新進のアーティストが3組が紹介される場となっていました。今年は243件の応募があったようで、独自の視点から今日の世界の新しい価値観や美意識を表現する 3名、石原海 氏、菅実花 氏、中島伽耶子 氏が入選となり、私が観たのは最後の会期となる中島伽耶子 氏の展示でした。

中島伽耶子 氏は1990年生まれで、2020年に東京藝術大学 美術研究科 美術専攻博士 後期課程を修了し、国内では越後妻有アートトリエンナーレ(2012、2015)や瀬戸内国際芸術祭(2013、2016)をはじめ多数のアートフェスに参加し、最近ではオーストリアや台湾でもグループ展に参加されたりしているようです。

会場に入って階段を下っていくと、真っ白な部屋が見えます。この空間そのものが「Hedgehogs(ハリネズミたち)」という作品で、これ1点のみなので作品充実度は低めにしましたが大掛かりで、この時この場所でしか味わえませんでした。
DSC02372_20211223004326f1a.jpg
手前の床に呼び鈴があり、奥に扉があります。仕切られていて壁の向こうは見えないようになっていました。

踊り場にボタンがあって、押してもOKだったので早速押してみました。
DSC02374.jpg
先程の呼び鈴が物凄い音量でジリリリリリリとなって驚きw 多分、壁の向こうにいた人は私以上に驚いたと思います。

階段を下り、壁の向こう側のメインフロアに回るとこんな感じ。
DSC02377.jpg
このアクリル板がハリネズミっぽさを醸し出していますが、この作品は「ハリネズミのジレンマ(ヤマアラシのジレンマ)」を意図していて、お互い身を寄せ合いたいのに、そうするとお互いの針が刺さってしまうので距離感を図るのが難しいという意味もあります。この壁の向こうには灯りが見えるし、扉もあって向こうに行けそうな感じもするんだけど、この扉を開けてはいけないとのことで行き来はできません。

これを観ていると先程の呼び鈴がけたたましく鳴りましたw こちら側は静かで幻想的な雰囲気なのに、それをつんざくような呼び鈴は暴力的でもあります。
DSC02381.jpg
これは、理解しあいたいけど、ときに無自覚に他社を傷つけるというのを体感できるようです。コロナ禍でコミュニケーションのあり方も大きく変わったので、それも制作意図に含まれているようでした。

ということで、解説を読まなければ難解だけど意図が分かると なるほどと感じられて面白かったです。1点しか無かったけど、今後もアートフェスなどに参加されると思いますので、そういった機会で観られることを期待したいアーティストでした。

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