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ヘラルボニー/ゼロからはじまる 【BAG-Brillia Art Gallery】

先日ご紹介した銀座のギャラリー巡りをした際、今秋に新しくオープンしたBAG-Brillia Art Galleryで、オープン記念展覧会「ヘラルボニー/ゼロからはじまる」を観てきました。この展示は撮影可能となっていましたので、写真を使ってご紹介していこうと思います。

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【展覧名】
 オープン記念展覧会
「ヘラルボニー/ゼロからはじまる」

【公式サイト】
 https://www.brillia-art.com/bag/exhibition/01.html

【会場】BAG-Brillia Art Gallery
【最寄】京橋駅(東京)

【会期】2021年10月15日(金)~2022年1月23日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間20分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
入場制限などはなく空いていて快適に鑑賞することができました。

さて、このギャラリーは2021年10月15日にオープンしたばかりで、以前ここにはLIXILギャラリーがあったので、私はてっきりLIXILギャラリーだと思って入ったら2Fではなく1Fが展示室となっていて驚きました(この時点ではまだ気づいていなかったw) 開催概要を見たら、東京建物のマンションブランドの名前を冠したギャラリーに変わっていて、LIXILギャラリーは、2020年9月30日で閉廊したようです。そう言えばコロナ禍でLixil移転のニュースを見たような...それと関係があるのかは分かりませんが、40年近く銀座の奥にあって でっかい看板がよく見えただけに結構しんみりするものがあります。今でもLIXILギャラリーのサイトは残っていて、アーカイブを観られるようなのでかつての展示を参照することはできるようです。
 参考記事:LIXILギャラリー閉廊のごあいさつ

ということで、今度は東京建物のギャラリーに生まれ変わって、オープン記念となったこの展示は「ヘラルボニー」という松田文登 氏と松田崇弥 氏の双子が2018年に創設した福祉実験ユニットに関する内容となっています。「異彩を、放て。」をミッションにハンディキャッパーの作品を紹介しているようで、「障害」という言葉の持つイメージの変容に努めているようです。「ヘラルボニー」というのは彼らの4つ上で精神年齢は3歳のままの兄が7歳のときに自由帳に記した言葉だそうで、その兄によって生じる葛藤や疑問、社会から浴びる異質な視線への違和感からこうした活動に取り組むことになったようです。彼らの目指す誰もが違いを認め合い自分らしくいられる世界というのに このギャラリーが目指すものと一致するとのことで、その活動の様子が紹介されていました。詳しくは写真を使っていこうと思います。

HERALBONY GALLERY 「光の庭」
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こちらは入口から左手(銀座方面)の窓がステンドグラスのようになっていた作品。岩手の るんびにい美術館で活動している八重樫季良 氏の絵をステンドグラスにしたもので、その幾何学的なリズムは現代アートそのものです。

八重樫季良 「無題(家)」
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こちらは絵画作品。先程の作品と似ていますが違っています。色使いも心地よくて凄い才能ですね。クレーに通じるものを感じます。

八重樫季良 「無題(家)」
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こちらも幾何学的な作品。数千点もこうした絵を描いているそうで、その熱量も凄い。

こちらは会場内の風景。八重樫季良 氏の作品が吊り下がっていました。
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非常に個性的で、こうして組み合わせても一種の統一感があるのが面白い。

高橋南 「風のロンド」
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こちらは優しく温かみのある色彩が風のように流れて見える作品。抽象的だけどタイトル通りですね。暖色に寒色を混ぜてるのがアクセントになってます。

こちらは先程の作品を傘にしたもの。
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非常に洒落ていて可愛らしいですね。るんびにい美術館に所属するアーティストの純粋無垢な作品を松田兄弟が「MUKU」というプロジェクトでグッズ化したようです。

工藤みどり 「無題(青)」
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こちらは無数の斑点が並んだ作品。色の置き方が心地よくて海や花咲く野原を彷彿とさせました。

こちらも傘となっていました。
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水玉模様で有名な草間彌生 氏も精神的なハンディキャップのある方として有名なので、こうした活動から世界的なアーティストが生まれても不思議ではないですね。

佐々木早苗 「無題(丸・3点)」
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こちらは同心円を重ねたドーナツ状の絵画作品。コンテンポラリーアートっぽさが漂います。

こちらは椅子のカバーになっていました。美術館によく合いそうです。
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ちなみに この方は織物や切り紙、刺繍まで行うそうです。好きなことにはとことんやったり集中するところが個性でしょうね。

小林覚 「数字」
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こちらは一見すると不可思議な有機物に見えますが、数字を繋げて描いています。日記や作文も文字をこのように独特にアレンジして書くので学校の先生は苦労したようですが、アーティストとしては天性の才能ですね。

小林覚 「新石鳥谷音頭」
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こちらも一見すると抽象画のようですが、石と谷と鳥の字は割とすぐ分かったかな。色彩が強くてインパクトがありました。

こちらはMUKUのネクタイ
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このアレンジセンスもかなり良いと思います。ハイブランドのネクタイと言われたら多分信じるw

こちらは車椅子のホイール
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今まで出てきた方の作風とは違って見えるかな。今回の展示には 森啓輔 氏という方も参加されているはずなのですが見つからなかったので、その方の作品かな??


ということで、非常に個性的な作品を観ることができました。こうした作品はアール・ブリュットとかアウトサイダー・アートの文脈で語られることもありますが、実際に観ると ひとまとめに出来ない多様なものを感じます。ここは無料で観られるし交通の便も良いので、近くに行く機会があったら寄ってみると良いかと思います。

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