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グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生【世田谷美術館】

もう3ヶ月ほど前のことですが、年末に世田谷美術館で「生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生」を観てきました。この展示は既に終了しておりますが4月から広島に巡回予定となっておりますので、簡単に振り返っておこうと思います。

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【展覧名】
 生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生

【公式サイト】
 https://www.grandma-moses.jp/
 https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00207

【会場】世田谷美術館
【最寄】用賀駅

【会期】2021年11月20日(土)~2022年2月27日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 2時間00分程度

【混み具合・混雑状況】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
年末でも結構多くのお客さんで賑わっていました。グランマ・モーゼスは損保ジャパン時代のSOMPO美術館などのコレクションでも観る機会があったので、結構人気があるのかもしれません。グランマ・モーゼスのまとまった形での展示は15年くらい前に損保でやった気がする(素朴派の展示だったかも?)けど、かなり珍しい機会なので楽しみにしていました。

さて、この展示はグランマ・モーゼスことアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスの大規模な個展で、作品のテーマごとに章分けされていました。グランマ(おばあちゃん)と呼ばれるのは70代から絵筆を取るようになり100歳まで描き続けたことに由来し、非常に高齢になってから有名になった画家といえます。もともと、主婦として趣味で刺繍絵をやっていたため、展覧会の冒頭には刺繍絵なども展示されています。リウマチになって刺繍絵が難しくなってから絵を描くようになった訳ですが、街のお店に飾ってあったのが偶然に著名なコレクターの目に止まり、有名になっていきました。その作風は素朴派というか素人の絵ではあるものの、どこか懐かしいアメリカの北国の農家の暮らしを描いていて心温まるものばかりです。かつての楽しかった時のことを思い出しながら描いていて、広い風景の中に多くの人物が描かれている構図が多いように思います。季節ごとのお祝い(特にクリスマス)や、メイプルシロップ、アップルバター、石鹸、ロウソクなど何でも自分たちで作ってる様子、農作業の様子や自然の厳しさなどを描いています。色も柔らかく絵本の世界のような優しい雰囲気がありつつ、ちょっと可笑しな感じもあって厳しくも幸せそうな光景です。特に結婚式やキルティングビーと呼ばれる催しなどは人々が生き生きとしていて、人々が団結していたこの時代と便利な現代ではどちらが幸せだったのか…とちょっと考えさせられるような気もしました。もう1つこの展示で興味深かったのがグランマ・モーゼスの人生観で、グランマ・モーゼスは自分が老いていると感じたことは無かったようです。90歳を超えても意欲旺盛で人生に前向きであるというのは非常に見習いたい姿勢でした。六十の手習いなんて言葉もありますが、この人は70からですからねw まさに人生100年時代の鑑のような人生訓でした。

ということで、期待以上に満足できたので図録も買ってきました。昨年のベスト展示の2位にも挙げたほど感動したのですが、紹介が遅くなりすみません…。いつかこうした展示がまた開催されたら是非観に行きたいと思います。
この後、カフェや常設も堪能してきましたが、そのご紹介は割愛します。この時の常設は特別展なみに面白くてお得でした。
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