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わが山河 part II 【東京オペラシティアートギャラリー】

前回の記事でご紹介した「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」を観た後、館内の上の階に移動して、「わが山河 part II」も観てきました。こちらは収蔵作品の展示となっていました。

【展覧名】
 収蔵品展032 わが山河 part II 東京オペラシティコレクションより

【公式サイト】
 http://www.operacity.jp/ag/exh115.php

【会場】東京オペラシティアートギャラリー
【最寄】初台駅
【会期】2010年1月16日(土)~3月22日(月・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
こちらの展覧会は空いていてのんびり観ることができました。何人か現代の画家の山水をテーマにした作品が30点ほど並んでいて、これは?!という作品もありました。気に入った作品をいくつかご紹介しようかと思います

大竹卓 「山霧」
タイトルの通り、山の森に霧がかかっている絵です。白と黒のだけのモノクロで深遠な雰囲気が漂っていました。

坂部隆芳 「那智の瀧の図」
あれ?これは?と思った作品。というのも、最近観た根津美術館の「那智瀧図」とそっくりの作品です。貰った作品リストを読んでみたところ、どうやらこれは根津美術館の「那智瀧図」を元に作成された作品だそうで、似ているのはそのせいでした。一見、日本画に見えますが油彩で、油彩による模写とも言えるようです。茶色い背景に白い滝が落ちる様子が描かれ、古びた感じもしました。デフォルメしているような滝が印象に残ります。
 参考記事:国宝那智瀧図と自然の造形 (根津美術館)

伊藤彬 「月下」 ★こちらで観られます
これも那智の滝がテーマの作品で、3枚セットになっています。両脇は黒っぽい絵で、どうやら夜で暗い影となった岩のようです。真ん中には正面から見た滝が描かれています。滝の背景は金色に輝いて見えていて、特に上の方は明るく見えます。タイトルから察するに月光による輝きでしょうか。静かに神秘的な雰囲気を称えている作品でした。

中神敬子 「雪原」
真っ白な雪原と背景に小さな家や山が見えます。左側に2本の双子のような木が伸びていて、その下には等間隔の杭?が横にならびリズミカルな構図に思えました。こういう写真が撮ってみたいなーと思ってみたり。

この辺で次の部屋に入ります。大きな絵が並んでいて、目の前に山野が展開しているかのような気分になれました。

大野俊明 「銀嶺」
空に浮かび上がるように描かれた雄大な雪山の絵です。手前の丘に生える木々などと比べると、その雄大さが際立ちます。 銀嶺の手前にはかすんで見える住宅街なども描かれ、山に見守られているような感じに思えました。この画家の作品は淡い色彩で優しさがあり、観ていて落ち着く作品が多くて好みでした。

大野俊明 「風の渡る道」
山の上から眺めた水辺の町です(湖か海か大きな川?)。遙か遠くまで見渡せる展望が爽快で、点のように描かれた沢山の家々や、眼下にある少し大きめに見える町など、絵の中の世界の広がりを感じました。

稗田一穂 「春満つ桜」
渓流沿いに生える大きな桜が描かれています。その幹には2羽の鳥が背を向けて休んでいていました。花は満開で渓流は昔の山水画のようです。華やかさがある一方でどこか静かな印象も受ける作品でした。

最後は熊谷直人という方のコーナーでした。アクリル絵の具で描かれた、柔らかい印象の一見抽象画のような作品で、川の流れをカラフルに描いたのかな?と思ったら木や森を描いているようでした。ちょっと私には難しかった^^;

という感じでした。那智の滝関連の作品と大野氏の作品が特に面白かったです。もし東京オペラシティアートギャラリーに行ったら、こちらも特別展とセットで観るのも良いかと思います。
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