ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち 感想前編 【森アーツセンターギャラリー】
マドラウンジでお茶をした後、森アーツセンターギャラリーへ行って、「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」展を観てきました。80点の展示でしたがあまりに見所が多くて30点くらいメモを取ってきたので、久々に前編・後編に分けてご紹介しようと思います。

【展覧名】
ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち
【公式サイト】
http://www.asahi.com/boston/
http://www.roppongihills.com/art/events/2009/12/macg_boston.html
【会場】森アーツセンターギャラリー
【最寄】六本木駅
【会期】2010年4月17日(土)~6月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
行ったのは初日だったのですが、早速多くの人で賑わっていました。1つの絵に3~4人程度が付いているくらいの混み具合で、絵と絵が離れているところはそんなに気にならないのですが、狭くなっているところはちょっとキツいかもしれません。六本木はヒルズは観光地ということもあって混んでるのかも。会期が進むにつれ、さらに混むことも予想されます。
さて、肝心の中身についてですが、ボストン美術館の16世紀~20世紀の名品が並び、テンションが上がりっぱなしの内容でしたw 構成は題材のジャンル(肖像とか風景とか)で分けられていて、あまり時代の流れや流派には拘らない展示だと思います。全部で8章あるのですが、今日は1章から3章をご紹介しようと思います。
なお、この展示には作品リストがありませんので、画家や作品の名前はメモと音声ガイドについてきたリストを元に書いています。間違っていたらすみません。
<I 多彩なる肖像画>
まずは肖像画のコーナーです。
ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス 「ルイス・デ・ゴンゴラ・イ・アルゴテ」 ★こちらで観られます
初っ端にベラスケスの作品が観られます。これは彼の出世作のようで、描かれている人は詩人だそうです。こちらをにらみつけ、唇を閉じてちょっと不機嫌そうな感じがして、ベラスケスの観察眼を伺わせます。そして黒衣の黒の使い方は後のマネへの影響というのがわかる気がしました。
エドゥアール・マネ 「ヴィクトリーヌ・ムーラン」 ★こちらで観られます
ベラスケスの隣に並べて展示されています。つい先日、三菱一号館美術館で「マネとモダン・パリ」を見た際にベラスケスからの影響について詳しく紹介されていましたが、こちらの作品は実際にベラスケスの作品と見比べながら鑑賞できるのが面白かったです。強い光に当たったような女性の肖像で、隣の絵と同じような身の構え方で、こちらを見ている様子が似ていて、影響の1つの現われなのかも?と思わせました。
参考記事:マネとモダン・パリ (三菱一号館美術館)
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 「ヨハネス・エリソン卿」 ★こちらで観られます
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 「ヨハネス・エリソン師の妻 マリア・ボッケルーノ」 ★こちらで観られます
レンブラントが28歳の時の作品で、大きな2枚セットの夫婦の肖像です。どちらも全身が描かれていて、全身像で対の作品は全部で3対しかないそうで、これはその中の貴重な1対になります。まず左側は夫で、胸に手を当てて椅子に座る牧師が描かれています。そして右側には黒い広つば帽をかぶった黒衣の妻が描かれています。光が上半身にあたっているような表現で、黒も微妙な明暗があるようでした。さすがはレンブラントといった作品です。
なお、当時は肖像画は宗教画に比べて軽んじられていたそうです。(というか絵=宗教画みたいな時代だったんでしょうね。)
アンソニー・ヴァン・ダイク 「ペーテル・シモンズ」
ヴァン・ダイクの作品もあって嬉しい限り。これは胸に手を当てる黒衣に白いレースの服装の男性の肖像です。描かれた人は画家とのことですが、貴族のような格好をして描いたそうです。絵の左下にはうっすらと手が描かれていた跡が残っていて、元々は手を胸に当てるのではなく伸ばして描かれていたのがわかります。試行錯誤したのかな?色々と想像できて面白いです。
アンソニー・ヴァン・ダイク 「チャールズ1世の娘、メアリー王女」
こちらもヴァン・ダイクの作品で、10歳くらいのメアリー王女が描かれています。落ち着いた目をしていて、既に王女らしい風格を感じさせます。着ているドレスの光沢までわかるような表現や、細かく描かれたレースなどは驚きでした。
トマス・ゲインズバラ 「エドマンド・モートン・プレイデル夫人」
金色に輝くドレスをまとう横向きの貴族の女性を描いた作品です。その手には花のつぼみを持っていて優美です。どこか威厳を感じるのですが、柔らかい雰囲気も持った作品でした。
ジョセラ・フロランタン・レオン・ボナ 「メアリー・シアーズ」
蝶ネクタイのようなもの?と胸にバラの飾りをつけた青い服を着た女性の肖像です。背景が暗く、体には光があたって浮かび上がったように見えます。真顔でこちらを見る目も印象的でした。
エドガー・ドガ 「エドモンドとテレーズ・モルビッリ夫妻」
ドガの妹とその夫を描いた作品です。座って寄り添う2人がこちらを見ていて、妻(妹)は頬に手を当てて何か驚いたような表情をしているように見えます。どういう文脈かわかりませんが、生活の中のありふれた風景の中から一瞬を切り取っているような感じでした。そういったドガの感性が踊り子などの名作を生み出したのかな。
なお、この辺にはドガ2点、ロートレック、ピカソ、コローなどもありビッグネームが目白押しとなっています。
<II 宗教画の運命>
続いて2章は宗教画のコーナーです。
ドメニコ・フェッティ 「改悛のマグダラのマリア」
手を組み本を読むマグダラのマリアの横顔が描かれた作品です。空には赤子の顔が雲間から見え、右の背景には磔刑になっているキリストの影が見えドラマチックな感じです。衣服のひだや髪など強弱のついた表現かな。なお、この画家は35歳の若さで夭折したようですが、ヴェネツィアの画家達に大きな影響を与えたようです。
フランチェスコ・デル・カイロ 「洗礼者聖ヨハネの首を持つヘロデヤ」
上を向いて聖ヨハネの生首を持っているヘロデヤが描かれています。解説によると、この画家はカラヴァッジオの影響を強く受けたようで、恍惚の表情を見せるヘロデヤの表現からそれを感じさせます。(しかしヘロデヤをこのように描くにはカイロ独自らしいです) 光の劇的な使い方も素晴らしい作品でした。
エル・グレコ 「祈る聖ドミニクス」 ★こちらで観られます
エル・グレコの晩年の作品です。手を合わせ祈る聖ドミニクスが描かれ、背景は荒涼として暗い感じがします。解説によると、人物のはっきりした輪郭と背景の光を浴びた雲と空が対照的なのだとか。そう言われて観ると黒の部分とかは輪郭がわかるかも??という感じでした。なおこの作品はドガが所有していたそうです。
ジャン=フランソワ・ミレー 「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」
積み藁の近くで休んでいる農民達を描いた作品で、バルビゾン派のミレーらしい題材でどこが宗教画なんだろう?と思いました。実はこれは旧約聖書に書かれた「ルツとボアズ」の物語を描いた作品だそうで、宗教画の題材を借りて当時の農村を描いたようです。左のほうで青い服を着ている女性がルツなのだとか。どこか物語性があるのは感じましたが、素人が見ても気づかないですねw
参考:ルツ記のwiki
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー 「兄弟愛」 ★こちらで観られます
戸外で母親が2人の裸の子供を抱く姿が描かれ清廉さを感じます。解説によるとラファエロの聖母子からの影響が観られるそうです。アカデミックな柔らかく洗練された表現が素晴らしかったです。 なお、この作品はあえて「兄弟愛」という宗教画らしくない題名にしたとも解説されていました。
<III オランダの室内>
3章はオランダの室内がテーマとなっていました。ここだけ限定的なジャンルの分け方だなと思ったのですが、それには理由があります。17世紀のオランダはプロテスタントの社会で、宗教画は偶像と見なされていたそうで、その代わりとしてこうした室内の絵や、風景画、静物画などが発展したようです。プロテスタントのお陰で宗教画中心だった絵画も広がりを見せたのですね。
ピーテル・デ・ホーホ 「オランダの家の室内」 ★こちらで観られます
薄暗い室内に2人の女性が描かれた作品で、奥の部屋のドアは開き、明るい町並みも見えています。そのため明暗の対比が鮮明に感じます。また、室内の床の模様やドアに四角を多用しているのが幾何学的で面白いです。室内の暖炉の前に座る女性とカゴをもった女性は話をしているのかな。足元には犬も寄ってきて日常の一場面を想像させます。こうした家事をする姿はプロテスタントらしい風景と解説されていました。それにしても、どこかの展示で観たような気がするんだけど思い出せない・・・勘違いかもw
エマニュエル・デ・ウィッテ 「アムステルダムの新教会内部」 ★こちらで観られます
こちらは教会の内部を描いた作品で、大きな柱と美しい曲線を描く高い天井が目を引き神聖さを感じます。しかしよく観ると柱に粗相をしている犬や、床にお墓の穴を掘っている人たちなど意外と庶民的な雰囲気が漂い平和な感じです。また、外から差し込む光によってついた明暗が見事でした。
この辺で半分くらいかな。休憩スペースがあり、ボストン美術館について解説されていました。ボストン美術館はアメリカにも本格的な美術館を建てようという志を持った市民たちの寄付によってコレクションが集められました。現在ではなんと45万点もの作品があるのだとか。この先には印象派の作品が多かったのですが、印象派が現れて評価がまだ定まらない頃から印象派の収集に熱心な寄付者が多かったそうです。
次回はそうした印象派の傑作が集まっていた後半をご紹介しようと思います。お楽しみに…。
⇒後編も書きました。こちらです。

【展覧名】
ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち
【公式サイト】
http://www.asahi.com/boston/
http://www.roppongihills.com/art/events/2009/12/macg_boston.html
【会場】森アーツセンターギャラリー
【最寄】六本木駅
【会期】2010年4月17日(土)~6月20日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間30分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_4_⑤_満足
【感想】
行ったのは初日だったのですが、早速多くの人で賑わっていました。1つの絵に3~4人程度が付いているくらいの混み具合で、絵と絵が離れているところはそんなに気にならないのですが、狭くなっているところはちょっとキツいかもしれません。六本木はヒルズは観光地ということもあって混んでるのかも。会期が進むにつれ、さらに混むことも予想されます。
さて、肝心の中身についてですが、ボストン美術館の16世紀~20世紀の名品が並び、テンションが上がりっぱなしの内容でしたw 構成は題材のジャンル(肖像とか風景とか)で分けられていて、あまり時代の流れや流派には拘らない展示だと思います。全部で8章あるのですが、今日は1章から3章をご紹介しようと思います。
なお、この展示には作品リストがありませんので、画家や作品の名前はメモと音声ガイドについてきたリストを元に書いています。間違っていたらすみません。
<I 多彩なる肖像画>
まずは肖像画のコーナーです。
ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス 「ルイス・デ・ゴンゴラ・イ・アルゴテ」 ★こちらで観られます
初っ端にベラスケスの作品が観られます。これは彼の出世作のようで、描かれている人は詩人だそうです。こちらをにらみつけ、唇を閉じてちょっと不機嫌そうな感じがして、ベラスケスの観察眼を伺わせます。そして黒衣の黒の使い方は後のマネへの影響というのがわかる気がしました。
エドゥアール・マネ 「ヴィクトリーヌ・ムーラン」 ★こちらで観られます
ベラスケスの隣に並べて展示されています。つい先日、三菱一号館美術館で「マネとモダン・パリ」を見た際にベラスケスからの影響について詳しく紹介されていましたが、こちらの作品は実際にベラスケスの作品と見比べながら鑑賞できるのが面白かったです。強い光に当たったような女性の肖像で、隣の絵と同じような身の構え方で、こちらを見ている様子が似ていて、影響の1つの現われなのかも?と思わせました。
参考記事:マネとモダン・パリ (三菱一号館美術館)
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 「ヨハネス・エリソン卿」 ★こちらで観られます
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン 「ヨハネス・エリソン師の妻 マリア・ボッケルーノ」 ★こちらで観られます
レンブラントが28歳の時の作品で、大きな2枚セットの夫婦の肖像です。どちらも全身が描かれていて、全身像で対の作品は全部で3対しかないそうで、これはその中の貴重な1対になります。まず左側は夫で、胸に手を当てて椅子に座る牧師が描かれています。そして右側には黒い広つば帽をかぶった黒衣の妻が描かれています。光が上半身にあたっているような表現で、黒も微妙な明暗があるようでした。さすがはレンブラントといった作品です。
なお、当時は肖像画は宗教画に比べて軽んじられていたそうです。(というか絵=宗教画みたいな時代だったんでしょうね。)
アンソニー・ヴァン・ダイク 「ペーテル・シモンズ」
ヴァン・ダイクの作品もあって嬉しい限り。これは胸に手を当てる黒衣に白いレースの服装の男性の肖像です。描かれた人は画家とのことですが、貴族のような格好をして描いたそうです。絵の左下にはうっすらと手が描かれていた跡が残っていて、元々は手を胸に当てるのではなく伸ばして描かれていたのがわかります。試行錯誤したのかな?色々と想像できて面白いです。
アンソニー・ヴァン・ダイク 「チャールズ1世の娘、メアリー王女」
こちらもヴァン・ダイクの作品で、10歳くらいのメアリー王女が描かれています。落ち着いた目をしていて、既に王女らしい風格を感じさせます。着ているドレスの光沢までわかるような表現や、細かく描かれたレースなどは驚きでした。
トマス・ゲインズバラ 「エドマンド・モートン・プレイデル夫人」
金色に輝くドレスをまとう横向きの貴族の女性を描いた作品です。その手には花のつぼみを持っていて優美です。どこか威厳を感じるのですが、柔らかい雰囲気も持った作品でした。
ジョセラ・フロランタン・レオン・ボナ 「メアリー・シアーズ」
蝶ネクタイのようなもの?と胸にバラの飾りをつけた青い服を着た女性の肖像です。背景が暗く、体には光があたって浮かび上がったように見えます。真顔でこちらを見る目も印象的でした。
エドガー・ドガ 「エドモンドとテレーズ・モルビッリ夫妻」
ドガの妹とその夫を描いた作品です。座って寄り添う2人がこちらを見ていて、妻(妹)は頬に手を当てて何か驚いたような表情をしているように見えます。どういう文脈かわかりませんが、生活の中のありふれた風景の中から一瞬を切り取っているような感じでした。そういったドガの感性が踊り子などの名作を生み出したのかな。
なお、この辺にはドガ2点、ロートレック、ピカソ、コローなどもありビッグネームが目白押しとなっています。
<II 宗教画の運命>
続いて2章は宗教画のコーナーです。
ドメニコ・フェッティ 「改悛のマグダラのマリア」
手を組み本を読むマグダラのマリアの横顔が描かれた作品です。空には赤子の顔が雲間から見え、右の背景には磔刑になっているキリストの影が見えドラマチックな感じです。衣服のひだや髪など強弱のついた表現かな。なお、この画家は35歳の若さで夭折したようですが、ヴェネツィアの画家達に大きな影響を与えたようです。
フランチェスコ・デル・カイロ 「洗礼者聖ヨハネの首を持つヘロデヤ」
上を向いて聖ヨハネの生首を持っているヘロデヤが描かれています。解説によると、この画家はカラヴァッジオの影響を強く受けたようで、恍惚の表情を見せるヘロデヤの表現からそれを感じさせます。(しかしヘロデヤをこのように描くにはカイロ独自らしいです) 光の劇的な使い方も素晴らしい作品でした。
エル・グレコ 「祈る聖ドミニクス」 ★こちらで観られます
エル・グレコの晩年の作品です。手を合わせ祈る聖ドミニクスが描かれ、背景は荒涼として暗い感じがします。解説によると、人物のはっきりした輪郭と背景の光を浴びた雲と空が対照的なのだとか。そう言われて観ると黒の部分とかは輪郭がわかるかも??という感じでした。なおこの作品はドガが所有していたそうです。
ジャン=フランソワ・ミレー 「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」
積み藁の近くで休んでいる農民達を描いた作品で、バルビゾン派のミレーらしい題材でどこが宗教画なんだろう?と思いました。実はこれは旧約聖書に書かれた「ルツとボアズ」の物語を描いた作品だそうで、宗教画の題材を借りて当時の農村を描いたようです。左のほうで青い服を着ている女性がルツなのだとか。どこか物語性があるのは感じましたが、素人が見ても気づかないですねw
参考:ルツ記のwiki
ウィリアム・アドルフ・ブーグロー 「兄弟愛」 ★こちらで観られます
戸外で母親が2人の裸の子供を抱く姿が描かれ清廉さを感じます。解説によるとラファエロの聖母子からの影響が観られるそうです。アカデミックな柔らかく洗練された表現が素晴らしかったです。 なお、この作品はあえて「兄弟愛」という宗教画らしくない題名にしたとも解説されていました。
<III オランダの室内>
3章はオランダの室内がテーマとなっていました。ここだけ限定的なジャンルの分け方だなと思ったのですが、それには理由があります。17世紀のオランダはプロテスタントの社会で、宗教画は偶像と見なされていたそうで、その代わりとしてこうした室内の絵や、風景画、静物画などが発展したようです。プロテスタントのお陰で宗教画中心だった絵画も広がりを見せたのですね。
ピーテル・デ・ホーホ 「オランダの家の室内」 ★こちらで観られます
薄暗い室内に2人の女性が描かれた作品で、奥の部屋のドアは開き、明るい町並みも見えています。そのため明暗の対比が鮮明に感じます。また、室内の床の模様やドアに四角を多用しているのが幾何学的で面白いです。室内の暖炉の前に座る女性とカゴをもった女性は話をしているのかな。足元には犬も寄ってきて日常の一場面を想像させます。こうした家事をする姿はプロテスタントらしい風景と解説されていました。それにしても、どこかの展示で観たような気がするんだけど思い出せない・・・勘違いかもw
エマニュエル・デ・ウィッテ 「アムステルダムの新教会内部」 ★こちらで観られます
こちらは教会の内部を描いた作品で、大きな柱と美しい曲線を描く高い天井が目を引き神聖さを感じます。しかしよく観ると柱に粗相をしている犬や、床にお墓の穴を掘っている人たちなど意外と庶民的な雰囲気が漂い平和な感じです。また、外から差し込む光によってついた明暗が見事でした。
この辺で半分くらいかな。休憩スペースがあり、ボストン美術館について解説されていました。ボストン美術館はアメリカにも本格的な美術館を建てようという志を持った市民たちの寄付によってコレクションが集められました。現在ではなんと45万点もの作品があるのだとか。この先には印象派の作品が多かったのですが、印象派が現れて評価がまだ定まらない頃から印象派の収集に熱心な寄付者が多かったそうです。
次回はそうした印象派の傑作が集まっていた後半をご紹介しようと思います。お楽しみに…。
⇒後編も書きました。こちらです。
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多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
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