ルートヴィヒ美術館所蔵 ピカソと20世紀美術の巨匠たち 【そごう美術館】
横浜美術館でポンペイ展を観てきた後、桜木町から横浜へ移動してそごう美術館で「ルートヴィヒ美術館所蔵 ピカソと20世紀美術の巨匠たち」を観てきました。

【展覧名】
そごう美術館開館25周年記念
ルートヴィヒ美術館所蔵 ピカソと20世紀美術の巨匠たち
【公式サイト】
http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/10/0408_picasso/index.html
【会場】そごう美術館
【最寄】横浜駅
【会期】2010年4月8日~5月16日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
平日で行った時間が遅かったせいか、空いていてじっくり観ることができました。今回の展示はドイツのケルン大聖堂に隣接するルートヴィヒ美術館の所蔵品約60点を展示するという内容で、そんなに点数は多くありませんでした。また、展覧会名にピカソの名前が入っていますが、ピカソは8点で1コーナーにまとまっているくらいです。他は20世紀を代表する画家41人の作品が1~2点ずつあるような感じでした(むしろピカソよりも他の画家の方が面白いですw) 印象派以降の作品から戦後の美術まで幅広く揃っていました。展覧の流れは時系列になっている程度でしたので、気に入った作品を簡単にご紹介していこうと思います。(作品リストが無かったので作品名はメモを元にしています。間違っていたらごめんなさい。)
<第1章 ピカソとヨーロッパの時代>
まずは20世紀初頭の絵画の章でした。お馴染みの巨匠が名前を連ねるのは壮観です。
アンドレ・ドラン 「サン=ポール=ド=ヴァンスの眺め」
山の上の街が描かれている作品です。幾何学的な家々が描かれ、崖の緑、家の壁の黄土色、屋根の薄いオレンジの対比が目に鮮やかです。色合いも濃く、フォーヴィスム(野獣派)らしさを感じました。
参考:フォーヴィスムのwiki
モーリス・ド・ヴラマンク 「花と果物のある静物」
大好きなヴラマンクもありました。真ん中の銀の器に盛られた洋梨等の果実や、花瓶、水差などが描かれ、色はまだ大人しいですが、それでもフォーヴへの予兆を感じる色合いで力強い雰囲気です。単純化されセザンヌからの影響を感じる静物でした。
エミール・ノルデ 「月夜」
夜の海と川、2軒の家が描かれている絵です。上部の画面外に月があるらしく、海と川に反射した光でその存在を知らせているのが面白い演出でした。家はちょっと朦朧とした感じで描かれていて夜の幻想を感じさせたかな。
マックス・ベックマン 「気球のある風景」
街の通りから森を見たような風景で、空には気球が浮かび、道には傘を差した女性?が立っています。ちょっと暗い雰囲気ですが、神秘的な絵でした。なお、この画家はナチス政権下で「頽廃芸術」の烙印を押され、海外に亡命したそうです。(余談ですが、ヒトラーは元画家のくせに絵画趣味は硬くてつまらないもので、政権下では写実的で労働や戦争を賛美するような絵を描かせていたようです。それ以外は頽廃芸術として破棄したり追放していました。)
参考:頽廃芸術のwiki
アメデオ・モディリアーニ 「アルジェリアの女」
褐色の肌で黒髪の女性像です。モディリアーニ特有のアーモンド型の目をしていますが、目の色は青ではなく黒でした。首もモディリアーニにしてはあまり長くないかも。それでもすらっとした雰囲気が出ていて、今回の展覧の中でも気に入った作品でした。
モーリス・ユトリロ 「アトリエ座」
広い道とパリの街の風景が描かれ、右のほうにアトリエ座が見えます。これはユトリロの「色彩の時代」に属する作品で、赤い屋根や建物の壁の色などが鮮やかで、描写も整然とした感じです。隣にはシュザンヌ・ヴァラドンの作品も展示されていました。
なお、この展示を観た次の日に新宿の損保ジャパンでユトリロ展を観てきましたので、「色彩の時代」とは何ぞや?「シュザンヌ・ヴァラドン」って誰?といった辺りもそこでご紹介しようと思います。
マルク・シャガール 「ヴィティブスクの上に」
シャガールの作品は2枚あったのですが、どっちも微妙かもw こちらはロシアの故郷に戻った頃のグワッシュの作品です。モスクのような建物などを背景に、黒い服に黒い帽子の男性が一際大きく描かれています。手には杖を持ち、空中を斜めに浮いて歩いているようで、超現実的な雰囲気がありました。
アンリ・マティス 「腰掛ける少女」
ひじを椅子に乗せ頬杖をついて座る白い服の女性が描かれています。そのポーズは右上から対角線上に流れるようで優美です。また、背景の壁は緑、床は赤というように色彩が強く、そのに白い服が存在感を出しているように感じました。この作品は今回の中でも結構気に入りました。
ジョルジュ・ブラック 「水差し、レモン、コンポート」
キュビスムの創始者の1人であるブラックの作品です。タイトル通り、水差しやレモンがかなり単純化されて描かれているのですが、まだ具象的な感じがするかな。ブラックらしさを感じる作品でした。
パブロ・ピカソ 「モンマルトルのカフェ」
ここからピカソのコーナーです。これは19歳の時の後期印象派に影響をうけた作品です。カフェの中の風景を描いていて、そこに居合わせた子連れの花売りや赤ん坊を抱えた母親などが描かれています。しかし、描かれた人物のお互いの視線は合っておわず、日常の単調さや無関心さを表現していると解説されていました。この後、有名な青の時代へと進んでいきます。
パブロ・ピカソ 「読書する女の顔」
こちらは晩年の作品で今回のポスターにもなっています。晩年らしい作風で、キュビスム的に横向きの顔と正面を向いた顔が組み合わさり、赤・青・緑などの色がブロックわけされて幾何学的な感じでした。誰が観てもピカソだと直感的にわかるような典型的な作品だと思います。
パブロ・ピカソ 「緑のガウンの女」
順番が前後してる気がしますが、これは新古典主義時代の作品です。 横向きの女性が椅子に片手を乗せている様子で、押さえた色調で少し憂いを帯びたような感じです。輪郭線がはっきりしていて、大きな手などはどっしりした雰囲気がありました。(それでもこの時代にしては強烈さは少ないかも??)
パブロ・ピカソ 「剣を持つ銃士」
晩年90歳の頃の作品です。マスケット銃という銃を持つ広つば帽を被った男性の像で、ほとんど白黒で描かれています。解説によると晩年の作品らしい大胆な感じがあり、レンブラントやベラスケスの作品からインスピレーションを得たとのことでした。
ジョルジオ・デ・キリコ 「イタリアの広場」
デ・キリコの作品もあって嬉しい限り^^ これは形而上絵画の作品で、広場の真ん中の横たわる裸婦像や、背景の赤い塔、両端に白塗りの建物、広場にいる2人の男性などが描かれています。長い影や単純化された風景は平坦で、ぺたーっとした色彩などが現実感を消し超現実的な雰囲気を湛えていました。かなり好みです。
ポール・デルヴォー 「森の精」
この展覧会の白眉はこの作品じゃないかな。結構大きな作品で、手前にプールのような水面に立つ派手な帽子を被った裸婦たち(陰毛まで描かれている)が描かれています。 背景には宮殿のような建物が建っているのですが、全体を通しても現実離れしていて、神秘的かつ官能的な雰囲気が漂っていました。深層心理か夢の中を覗いたような、不思議な気分になります。今まで観たデルヴォーの中でもかなり気に入った作品となりました。
この辺にはマックス・エルンストやパウル・クレー、カンディンスキーなどもありました。
<第2章 戦後の傾向>
ここからは1945年以降のコーナーでした。さらに抽象、具象、ポップアートに分かれ展示されていましたが、私にとっては苦手な分野でしたw
[抽象主義の傾向]
ジョセフ・アルバース 「正方形へのオマージュ:緑の香り」
黄緑の四角の中に、青っぽい緑の四角が描かれ、その中にヴィリジアンの四角が描かれた作品ですw どうやらこれは色彩の試みだそうで、色と色の組み合わせによって色が後退するなど、新しい感受性を表現したそうです。言われると、なるほどーってなるんですけどねw
フランク・ステラ 「色彩の迷宮」
何重もの四角の中に対角線を入れたような図形に、黄色、青、赤、オレンジ、緑などの原色でブロックごとに色分けされた作品です。デザイン的でこっちの方が面白く感じるかな。川村記念美術館の作品を思い出しました。
[具象絵画の状況]
A.R.ペンク 「無題(若い女性の顔)」
白黒で巨大な女性の顔の絵です。手前には水玉模様の布がしかれ、そこに伏せてるような感じです。 ・・・どこを見ているのか分からない眼がちょっと怖いw 非常にインパクトがあり迫力を感じました。
ピーター・トーマス・ブレイク 「ABCマイナーズ」
この画家の初期の作品だそうで、後にビートルズのアルバムのジャケット(サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド)も描いた画家だそうです この絵は青黒い顔をした2人の少年が草原でズボンのポケットに手を突っ込んで立っている絵です。服にはバッチがついていて、何かのクラブに所属し、社会的なものに帰属しているのを表現しているそうです。そこまで分かりませんでしたが、何しろ顔色が悪くてちょっと不気味な感じですw
[ポップアート]
アンディ・ウォーホル 「ジャッキーⅢ」
シルクスクリーンの白黒の肖像画で、このジャッキーというのはケネディ大統領の妻ジャクリーンのことで、歯を見せて笑う表情でした。明るい顔をしていますが、旦那は暗殺されてしまうんですよね…。このほかにもⅠとⅡもありました。
アンディ・ウォーホル 「ペーター・ルードヴィヒの肖像」 ★こちらで観られます
写真のような肖像の上からポップでカラフルな色面で塗られ、顔の輪郭にはクレヨンで描いたような線が描かれています。こういう悪戯を教科書によくやったなーなんて思いながら見ていましたw 面白いです。
ロバート・インディアナ 「アメリカンガス製造所」
黄色と黒の縦縞を背景に大きな赤い円が描かれ、その中にも円や数字、黄色と黒のモザイク模様などが描かれています。もうこの辺は意味なんてさっぱりわからないので、阪神タイガースの旗みたいだなーなんて思って見ていましたw(興味が薄いと投げた態度で観てすみません^^;) この人は新宿にもある「LOVE」の彫刻の作者のようで、LOVEの絵もありました。
この辺にはジャスパー・ジョーンズなどもありました。
ということで、興味が強い前半は特に楽しめました。現在開催中のボストン美術展のようにはいきませんが、海外の作品を一挙に見られるのは良い機会だと思います。特にデルヴォーは素晴らしかったです。

【展覧名】
そごう美術館開館25周年記念
ルートヴィヒ美術館所蔵 ピカソと20世紀美術の巨匠たち
【公式サイト】
http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/10/0408_picasso/index.html
【会場】そごう美術館
【最寄】横浜駅
【会期】2010年4月8日~5月16日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日17時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
平日で行った時間が遅かったせいか、空いていてじっくり観ることができました。今回の展示はドイツのケルン大聖堂に隣接するルートヴィヒ美術館の所蔵品約60点を展示するという内容で、そんなに点数は多くありませんでした。また、展覧会名にピカソの名前が入っていますが、ピカソは8点で1コーナーにまとまっているくらいです。他は20世紀を代表する画家41人の作品が1~2点ずつあるような感じでした(むしろピカソよりも他の画家の方が面白いですw) 印象派以降の作品から戦後の美術まで幅広く揃っていました。展覧の流れは時系列になっている程度でしたので、気に入った作品を簡単にご紹介していこうと思います。(作品リストが無かったので作品名はメモを元にしています。間違っていたらごめんなさい。)
<第1章 ピカソとヨーロッパの時代>
まずは20世紀初頭の絵画の章でした。お馴染みの巨匠が名前を連ねるのは壮観です。
アンドレ・ドラン 「サン=ポール=ド=ヴァンスの眺め」
山の上の街が描かれている作品です。幾何学的な家々が描かれ、崖の緑、家の壁の黄土色、屋根の薄いオレンジの対比が目に鮮やかです。色合いも濃く、フォーヴィスム(野獣派)らしさを感じました。
参考:フォーヴィスムのwiki
モーリス・ド・ヴラマンク 「花と果物のある静物」
大好きなヴラマンクもありました。真ん中の銀の器に盛られた洋梨等の果実や、花瓶、水差などが描かれ、色はまだ大人しいですが、それでもフォーヴへの予兆を感じる色合いで力強い雰囲気です。単純化されセザンヌからの影響を感じる静物でした。
エミール・ノルデ 「月夜」
夜の海と川、2軒の家が描かれている絵です。上部の画面外に月があるらしく、海と川に反射した光でその存在を知らせているのが面白い演出でした。家はちょっと朦朧とした感じで描かれていて夜の幻想を感じさせたかな。
マックス・ベックマン 「気球のある風景」
街の通りから森を見たような風景で、空には気球が浮かび、道には傘を差した女性?が立っています。ちょっと暗い雰囲気ですが、神秘的な絵でした。なお、この画家はナチス政権下で「頽廃芸術」の烙印を押され、海外に亡命したそうです。(余談ですが、ヒトラーは元画家のくせに絵画趣味は硬くてつまらないもので、政権下では写実的で労働や戦争を賛美するような絵を描かせていたようです。それ以外は頽廃芸術として破棄したり追放していました。)
参考:頽廃芸術のwiki
アメデオ・モディリアーニ 「アルジェリアの女」
褐色の肌で黒髪の女性像です。モディリアーニ特有のアーモンド型の目をしていますが、目の色は青ではなく黒でした。首もモディリアーニにしてはあまり長くないかも。それでもすらっとした雰囲気が出ていて、今回の展覧の中でも気に入った作品でした。
モーリス・ユトリロ 「アトリエ座」
広い道とパリの街の風景が描かれ、右のほうにアトリエ座が見えます。これはユトリロの「色彩の時代」に属する作品で、赤い屋根や建物の壁の色などが鮮やかで、描写も整然とした感じです。隣にはシュザンヌ・ヴァラドンの作品も展示されていました。
なお、この展示を観た次の日に新宿の損保ジャパンでユトリロ展を観てきましたので、「色彩の時代」とは何ぞや?「シュザンヌ・ヴァラドン」って誰?といった辺りもそこでご紹介しようと思います。
マルク・シャガール 「ヴィティブスクの上に」
シャガールの作品は2枚あったのですが、どっちも微妙かもw こちらはロシアの故郷に戻った頃のグワッシュの作品です。モスクのような建物などを背景に、黒い服に黒い帽子の男性が一際大きく描かれています。手には杖を持ち、空中を斜めに浮いて歩いているようで、超現実的な雰囲気がありました。
アンリ・マティス 「腰掛ける少女」
ひじを椅子に乗せ頬杖をついて座る白い服の女性が描かれています。そのポーズは右上から対角線上に流れるようで優美です。また、背景の壁は緑、床は赤というように色彩が強く、そのに白い服が存在感を出しているように感じました。この作品は今回の中でも結構気に入りました。
ジョルジュ・ブラック 「水差し、レモン、コンポート」
キュビスムの創始者の1人であるブラックの作品です。タイトル通り、水差しやレモンがかなり単純化されて描かれているのですが、まだ具象的な感じがするかな。ブラックらしさを感じる作品でした。
パブロ・ピカソ 「モンマルトルのカフェ」
ここからピカソのコーナーです。これは19歳の時の後期印象派に影響をうけた作品です。カフェの中の風景を描いていて、そこに居合わせた子連れの花売りや赤ん坊を抱えた母親などが描かれています。しかし、描かれた人物のお互いの視線は合っておわず、日常の単調さや無関心さを表現していると解説されていました。この後、有名な青の時代へと進んでいきます。
パブロ・ピカソ 「読書する女の顔」
こちらは晩年の作品で今回のポスターにもなっています。晩年らしい作風で、キュビスム的に横向きの顔と正面を向いた顔が組み合わさり、赤・青・緑などの色がブロックわけされて幾何学的な感じでした。誰が観てもピカソだと直感的にわかるような典型的な作品だと思います。
パブロ・ピカソ 「緑のガウンの女」
順番が前後してる気がしますが、これは新古典主義時代の作品です。 横向きの女性が椅子に片手を乗せている様子で、押さえた色調で少し憂いを帯びたような感じです。輪郭線がはっきりしていて、大きな手などはどっしりした雰囲気がありました。(それでもこの時代にしては強烈さは少ないかも??)
パブロ・ピカソ 「剣を持つ銃士」
晩年90歳の頃の作品です。マスケット銃という銃を持つ広つば帽を被った男性の像で、ほとんど白黒で描かれています。解説によると晩年の作品らしい大胆な感じがあり、レンブラントやベラスケスの作品からインスピレーションを得たとのことでした。
ジョルジオ・デ・キリコ 「イタリアの広場」
デ・キリコの作品もあって嬉しい限り^^ これは形而上絵画の作品で、広場の真ん中の横たわる裸婦像や、背景の赤い塔、両端に白塗りの建物、広場にいる2人の男性などが描かれています。長い影や単純化された風景は平坦で、ぺたーっとした色彩などが現実感を消し超現実的な雰囲気を湛えていました。かなり好みです。
ポール・デルヴォー 「森の精」
この展覧会の白眉はこの作品じゃないかな。結構大きな作品で、手前にプールのような水面に立つ派手な帽子を被った裸婦たち(陰毛まで描かれている)が描かれています。 背景には宮殿のような建物が建っているのですが、全体を通しても現実離れしていて、神秘的かつ官能的な雰囲気が漂っていました。深層心理か夢の中を覗いたような、不思議な気分になります。今まで観たデルヴォーの中でもかなり気に入った作品となりました。
この辺にはマックス・エルンストやパウル・クレー、カンディンスキーなどもありました。
<第2章 戦後の傾向>
ここからは1945年以降のコーナーでした。さらに抽象、具象、ポップアートに分かれ展示されていましたが、私にとっては苦手な分野でしたw
[抽象主義の傾向]
ジョセフ・アルバース 「正方形へのオマージュ:緑の香り」
黄緑の四角の中に、青っぽい緑の四角が描かれ、その中にヴィリジアンの四角が描かれた作品ですw どうやらこれは色彩の試みだそうで、色と色の組み合わせによって色が後退するなど、新しい感受性を表現したそうです。言われると、なるほどーってなるんですけどねw
フランク・ステラ 「色彩の迷宮」
何重もの四角の中に対角線を入れたような図形に、黄色、青、赤、オレンジ、緑などの原色でブロックごとに色分けされた作品です。デザイン的でこっちの方が面白く感じるかな。川村記念美術館の作品を思い出しました。
[具象絵画の状況]
A.R.ペンク 「無題(若い女性の顔)」
白黒で巨大な女性の顔の絵です。手前には水玉模様の布がしかれ、そこに伏せてるような感じです。 ・・・どこを見ているのか分からない眼がちょっと怖いw 非常にインパクトがあり迫力を感じました。
ピーター・トーマス・ブレイク 「ABCマイナーズ」
この画家の初期の作品だそうで、後にビートルズのアルバムのジャケット(サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド)も描いた画家だそうです この絵は青黒い顔をした2人の少年が草原でズボンのポケットに手を突っ込んで立っている絵です。服にはバッチがついていて、何かのクラブに所属し、社会的なものに帰属しているのを表現しているそうです。そこまで分かりませんでしたが、何しろ顔色が悪くてちょっと不気味な感じですw
[ポップアート]
アンディ・ウォーホル 「ジャッキーⅢ」
シルクスクリーンの白黒の肖像画で、このジャッキーというのはケネディ大統領の妻ジャクリーンのことで、歯を見せて笑う表情でした。明るい顔をしていますが、旦那は暗殺されてしまうんですよね…。このほかにもⅠとⅡもありました。
アンディ・ウォーホル 「ペーター・ルードヴィヒの肖像」 ★こちらで観られます
写真のような肖像の上からポップでカラフルな色面で塗られ、顔の輪郭にはクレヨンで描いたような線が描かれています。こういう悪戯を教科書によくやったなーなんて思いながら見ていましたw 面白いです。
ロバート・インディアナ 「アメリカンガス製造所」
黄色と黒の縦縞を背景に大きな赤い円が描かれ、その中にも円や数字、黄色と黒のモザイク模様などが描かれています。もうこの辺は意味なんてさっぱりわからないので、阪神タイガースの旗みたいだなーなんて思って見ていましたw(興味が薄いと投げた態度で観てすみません^^;) この人は新宿にもある「LOVE」の彫刻の作者のようで、LOVEの絵もありました。
この辺にはジャスパー・ジョーンズなどもありました。
ということで、興味が強い前半は特に楽しめました。現在開催中のボストン美術展のようにはいきませんが、海外の作品を一挙に見られるのは良い機会だと思います。特にデルヴォーは素晴らしかったです。
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第15回 shiseido art egg 【資生堂ギャラリー】 (12/23)
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映画「マトリックス レザレクションズ」(ややネタバレあり) (12/21)
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- 21世紀のxxx者:川豊 【成田界隈のお店】 (03/04)
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