東京国立近代美術館で
「建築はどこにあるの? 7つのインスタレーション」を観て、
クイーン・アリス アクアでお昼を食べた後に、工芸館に移動して「アール・デコ時代の工芸とデザイン」を観てきました。こちらも事前に許可を貰ってルールを守れば写真を撮ることができましたので、いくつかご紹介しようと思います。

【展覧名】
所蔵作品展 アール・デコ時代の工芸とデザイン
【公式サイト】
http://www.momat.go.jp/CG/art_deco2010/index.html【会場】東京国立近代美術館 工芸館
【最寄】東京メトロ東西線 竹橋駅
【会期】2010年4月27日(火)~6月27日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
0時間30分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
今回の展示は題名の通りアールデコの作品が並んだ展覧会となっていました。ここは毎年これと似た企画をやっている気もしますが、好みの作品が観られて楽しめました。
なお、写真に関しては三脚禁止・フラッシュ禁止・動画禁止・他のお客さんの鑑賞の妨げにならないように等のルールがあります。
<第1章 アールデコの精華>まずはアールデコとは何か?というコーナーでした。詳しい方には今更ですが、アールデコは1920年代に流行した様式のことで、幾何学な模様を多用しているのが特徴です。 ここではアールデコの時代の様々な品が並んでいました。
左から
スューとマール(スュー、 ルイ / マール、アンドレ) 「『ガリア』セット 酒注、鋺と受皿」ジャン・デプレ 「台付蓋物」ポール・コラン 「タバラン (キャバレー)」
この銀器のフォルムがシンプルなようでなんとも優雅で好みでした。
この近くにはルネ・ラリックの花瓶やカーマスコットも展示されています。カーマスコットは良い写真も撮れたのですが、この展覧の目玉の1つなのであえて出し惜しみしておきますw
左から
A・M・カッサンドル 「北極星号」A・M・カッサンドル 「ノルマンディー号」A・M・カッサンドル 「ノール・エクスプレス(観光)」
この3枚はどれも大好きなポスターです。今回の展覧ではカッサンドルのポスターが5枚ほどありましたが、この3枚、特に北極星号は何度観てもシビれます。
左から
二代宮川香山 「窯変洋紅釉花瓶」広川松五郎 「風呂先二曲屏風」宮本憲吉 「白磁八角蓋付壷」広川松五郎 「掛軸 兎」河井寛次郎 「花鳥図壺」
ここはいつもの茶室。アールデコとの関連はよく分からなかったですが、この部屋の照明などはそれっぽい雰囲気です。
<第2章 アール・デコ博覧会と1920年代の日本の工芸>このコーナーはアール・デコ博覧会と当時の日本のコーナーでした。工芸品や時計などもあったのですが、目に付いたのはポスターでした。(ポスターが好きなのでw)
左から
シャルル・ルポー 「現代装飾美術・工業美術国際博覧会」アンドレ・ジラール 「現代装飾美術・工業美術国際博覧会」エミール=アントワーヌ・ブールデル 「現代装飾美術・工業美術国際博覧会」
このブールデルの作品はつい最近、東京都庭園美術館の「アールデコの館」でも観た覚えがあります。この博覧会が現代に蘇ったら何十回でも行くなあw
参考記事:
アールデコの館 (旧朝香宮邸編)(東京都庭園美術館)<第3章 モダン東京と杉浦非水>続いて、3章は杉浦非水のコーナーとなっていました。ポスターや図案が並んでいる興味深いコーナーでした。
杉浦非水 「非水創作図案集」
ずら~っとならんだ図案集です。この写真ではわかりづらいですが、簡略化された猫や、餅つきをする兎なども絵もあり、可愛いです。アールデコっぽさもよく出ているように思います。
左から
杉浦非水 「帝都復興と東京地下鉄道」杉浦非水 「東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通」杉浦非水 「銀座三越 四月十日開店」杉浦非水 「東京三越呉服店 本店西館修築落成・新宿分店新築落成」
杉浦非水は三越が呉服店から百貨店へと変貌していった頃(1908年)に三越に入社し、広告でそれを発信していきました。 彼のポスター(特に東洋唯一の地下鉄道)は今でも愛され続けているようで、何度となく展覧会で見かけます。当時のモダンな雰囲気と独特のポップな感じが出ていて素晴らしいポスターでした。
<第4章 生活と工芸-民藝運動と実在工芸美術会>先ほどからポスターばかりご紹介していますが、工芸品も多々あります。
浜田庄司 「刷毛目珈琲碗セット」
縞模様のような模様がついたコーピーカップです。プリミティブなものを感じる一方で優雅な雰囲気も感じて面白い作品でした。
このほかにも花籠など気に入った作品がありました。
<第5章 アール・デコ/モダンデザイン>最後はアールデコの家具などのコーナーでした。
ポール・コラン 「アンドレ・ルノー (ピアニスト)」モーリス・デュフレーヌ 「シルクのかがやき (オペレッタ)」マルセル・ブロイヤー 「肘掛け椅子」
ちょっと暗くて分かりづらいですが、手前の机の引出?の部分が階段状になっているデザインが非常に優美です。
この他にも電気スタンドやカッサンドルのポスターなど、好みの作品に囲まれてきました。
この後、人間国宝・巨匠のコーナーもありました。高橋節郎の「日岡月岡」や藤田喬平の作品など、これは!という作品もありました。
参考記事:
「近代工芸の名品 花」 (東京国立近代美術館工芸館)ということで、30分くらいで観てきましたがこんな品々に囲まれた生活をしてみたいと思いながら観てきました。特にカッサンドルのポスターは何度観ても良いなあ。
美術館の建築はどこにあるの?とセットでも1000円しないので、東近美に行ったら工芸館も一緒に周るのをお勧めします。
おまけ:以前も似たような写真を載せましたが、館内の休憩室の写真です。

おまけ2:外観。ここは建物自体も魅力的です。
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