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印象派はお好きですか? 【ブリヂストン美術館】

もう10日くらい前のことですが、ブリヂストン美術館で開催されている、「コレクション展示 印象派はお好きですか?」を観に行ってきました。コレクション展示なので、主にこの美術館の所蔵品が中心となっていました。

P1120591.jpg P1120594.jpg

【展覧名】
 コレクション展示 印象派はお好きですか?

【公式サイト】
 http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibit/index.php?id=79

【会場】ブリヂストン美術館
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅
【会期】2010年4月20日~7月25日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
冒頭にも書いたように、特別展ではなくコレクション展なので、確かに印象派の作品は多いですが、様々な時代を網羅している常設作品が中心となった構成でした。ですので、今回は以前ご紹介したコレクション展示の記事と同様に、常設の中で「最近入れ替わって展示されたと思われる作品」をいくつかご紹介しようと思います。特に解説なども読んでいないので感覚で適当な感想になりますw ★マークをつけた作品は公式サイトで「展示作品」のところから観られます。★マークを押すと公式のTOPにリンクしています(各作品説明に直リンクできないので…))
 参考記事:美の饗宴・東西の巨匠たち (ブリヂストン美術館)


グレゴリオ・ラザリーニ 「黄金の子牛の礼拝」
こちらは1700年頃の作品です。聖母子のような子供を抱える女性と、背景にいる黄金の子牛が描かれた作品です。詳しくはわかりませんが、何か宗教的なストーリーを感じる作品でした。

クロード・モネ 「霧のテームズ河」 
これはパステルの作品です。薄い青に白っぽいピンクが混じって、月の光でしょうか? かなり簡略化された絵となっていましたが、モネらしさを感じる作品でした。

アルフレッド・シスレー 「レディーズ・コーヴ、ウェールズ」
ちょっと荒めのタッチで描かれた海辺の風景です。筆の跡が残り波の様子がよく表されていました。

エドゥアール・マネ 「メリー・ローラン」 
パステルの淡い色彩で描かれた女性の横顔です。下の方は未完成なのかも。品の良さそうな顔をしていて、肌が透き通るような感じでした。

ポール・セザンヌ 「休息をする水浴の男たち」 「水浴群像」
どちらも絵葉書ぐらいの大きさの水彩の作品です。「休息をする水浴の男たち」は水辺で3人の男がそれぞれ休んでいる絵で、セザンヌの水浴の裸婦はよく観ますが男性はあまり観たことがありませんでした。また、「水浴群像」の方は多くの人が水浴していて立つ場所も少ないくらい混みあって描かれていました。どちらもモチーフはあまり好きじゃないかなw しかし、セザンヌにこういう作品があったのを知れたのは良かったです。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「少女」 
今回の展覧会のポスターになっている絵です。パステルで描かれ淡い色彩で少女を描いています。青い目をして髪の長い少女で、輪郭は結構しっかりしています。(1887年の作品なので、輪郭が出ていた頃なのかも。) 背景の不思議な色合いもあって、夢見るような雰囲気を持った作品でした。清楚で可愛いです。
 参考記事:ルノワール-伝統と革新 (感想前編) (国立新美術館)

印象派っぽいのは最初の2~3部屋くらいで、後は後の時代や日本の洋画、抽象画などとなります。

山下新太郎 「読書」 
窓のそばで椅子に腰掛けて本を読む女性(あまり若くない)の姿を描いた作品です。緑色の服に光が当たっていて、背景の緑の庭とよく合う感じです。右の方に描かれた赤い花も対比的で目を引きました。

黒田清輝 「杣」
山林の獣道のような所を、薪を背負って登っている人が描かれています。黒田清輝の印象派の面が出ている作品に思え、所々に点で赤い落ち葉のような色が描かれていました。全体的に淡くて明るい雰囲気がありました。

ピエール・ボナール 「灯下」
ぼやけた感じの薄暗い部屋の中、緑色のランプから光が出ていて、4人の人たちがそれを囲っている様子が描かれています。人々よりもランプが主役となっていて、その光には温かみを感じました。

アンリ・マティス 「横たわる裸婦」
赤というか朱色のソファーに横たわる髪の長い褐色の肌の裸婦の絵です。色自体は落ち着いていますが、緑の床と赤のソファーの色が目を引きます。まだ具象的で写実性があるように思いました。

アンリ・マティス 「樹間の憩い」
林の中の道の脇に椅子を置いて足を伸ばす女性の絵です。帽子を被り膝に本を乗せています。これもマティスにしては色が落ち着いていて、印象派みたいな感じも受けました。

ジョルジュ・ルオー 「裁判所のキリスト」
中央に白っぽい顔のキリストが描かれ、周りには赤ら顔の人々が描かれています。その色のせいか、キリストの顔だけ明るく見えて、すぐに目を引きました。太い輪郭、厚塗りの絵の具などルオーらしい表現・題材の作品でした。

ラウル・デュフィ 「静物」
バナナやさくらんぼ、イチゴなどの静物画です。かなり簡略化されていて、筆跡も早い感じがします。色彩豊かでデュフィらしさを感じました。
デュフィは大好きなので、この近くに飾られている「オーケストラ」は何回みても飽きません。

抽象画・古代美術・彫刻のあたりは以前との変化はわかりませんでした。

岸田劉生 「裸婦」
うずくまって座る後姿の裸婦を描いた絵で、ちょっとゴツゴツした感じというかザラザラした感じを受けました。背中に光が当たっているような表現が面白かったです。

岸田劉生 「南瓜を持てる女」 
和服を着てかぼちゃを持ち、乳房を出している女性の像です。背景には青く、上部にはアーチ状の枠が見えます。左手を半開きにして上に向けたポーズや顔から、西洋画の聖人・聖女の絵を彷彿させました。

藤島武二 「糸杉 (ヴィラ・ファルコニエリ)」
この辺は藤田や藤島の良い絵が並んでテンションが上がる空間でした。これは初めて観た作品で、西洋風の庭に、大きな杉?が3本描かれ手前の方型の池に写っています。木と木の間からは遠い岩山のような風景が見え、少し寂しげな雰囲気に思いました。また、他にもローマ遺跡を描いた絵などもありました。

という感じで、何年通ってもまだ観たことがない作品が出てくるのが凄いですw 勿論、この記事でご紹介した作品以外に素晴らしい作品が沢山あります(今日の記事は前回との差分みたいなもんですw) その上、いつも静かに観られるし、ぐるっとパスで提示で入れるのも嬉しい限りです。 この美術館にあまり行ったことがない方にとっては、むしろ常設作品を堪能できるチャンスじゃないかと思います。
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