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植物化石-5億年の記憶- 展 【INAXギャラリー】

三越前で三井記念美術館の展示を観てお茶して来た後、京橋に移動して、INAXギャラリーで「植物化石-5億年の記憶- 展」を観てきました。また、同時開催で「本堀雄二 -紙の断層 透過する仏-展」と「金 理有 展 -ceramics as new exoticism- 」も観たので、合わせてご紹介しようと思います。

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【展覧名】
植物化石-5億年の記憶- 展

【公式サイト】
 http://www.inax.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001557.html

【会場】INAXギャラリー
【最寄】銀座線京橋駅 都営浅草線宝町
【会期】2010年6月3日(木)~2010年8月21日(土)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日16時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
いつもより人が多い気もしましたが、空いていて快適に観ることができました。まず、植物化石展ですが、これはタイトルの通り植物の化石が90点あまり展示されています。小さい化石もあるので、90点と言ってもあっという間に観終わりますが、単に化石を並べるだけでなく植物の進化を説明しているのも興味深い内容でした。少し解説をメモしてきたところもあるので、勝手にいくつかに分けて簡単にご紹介しようと思います。

冒頭
まず、入口にはハイライト的に「ネウロプテリス」というシダのような植物の化石が飾られていました。白い石の上に葉っぱの形に黒くなったもので、結構大きくて見応えあります。その先には葉脈まで見える小さな葉っぱの化石なども展示されていて、大小さまざまな化石が並んでいました。

冒頭から少し進むと、植物が陸に上がって約5億年という説明がありました。地球誕生から46億年くらいなので、最初の41億年くらいは地上は岩石の世界だったと考えられるようです。ここら辺から化石と共に模型や想像図を使いながら5億年の進化を説明する内容となっていました。

「海から陸へ」
海のバクテリアの光合成でできた酸素がオゾン層を作り、紫外線などの有害光線が防がれるようになったのがきっかけとなり、植物は陸に上がってくることができました。この頃は背丈の低い草が中心だったようで、そうした化石が並んでいました。

「シダ植物」
やがて植物は垂直方向への成長をみせます。当時の温暖多湿な気候でシダ植物が大繁殖したそうです。しかし、幹はもろいそうで、幾何学的な見た目をしています。 実際に観ると結構キモいw よく恐竜と一緒に出てくるような植物でした。

「デポン期~石炭期」
約4億1600万年前~2億9000万年前頃の時代は前裸子植物という段階だったようで、針葉樹のような化石がありました。しっかりした跡が残っていてその様子がよくわかりました。

「ジュラ期」
約1億9500万年前~約1億3500万年前です。この頃になると裸子植物が繁栄していたようで、うろこ模様の球果の(マツボックリのような)化石がありました。

石炭期の次の時代はメモを取り忘れたかな…。

「白亜期」
約1億4550万年前~約6550万年前です。この時期に、花や果実などの被子植物が誕生しましたそうで、コナラとかカエデなどの馴染みの植物の化石も並んでいました。被子植物も結構昔からあるんですね。

琥珀
琥珀は樹液の化石なので、何点か展示されていました。中に葉っぱなどが入っていて、まさにタイムカプセルのような感じです。

映像コーナー
奥にあった映像コーナーでは「メタセコイア」という種類の植物を発見した三木茂 氏に関する映像が流れていました。メタセコイアは「セコイアの後の」という意味で、それまでセコイアと同一視されていたようですが、葉が向き合うか互い違いになるかという特徴などから発見したという説明でした。 せっかく英語で論文を書いたのに、太平洋戦争で当時は日の目を見なかったというエピソードもありました。

ということで、小さな展示ですが太古から現代までの植物の進化をざっくり知ることができる内容でした。化石や博物が好きな方には面白いと思います。




続いて、隣の部屋で同時開催の「本堀雄二 -紙の断層 透過する仏-展」を観ました。

【展覧名】
 本堀雄二 -紙の断層 透過する仏-展

【公式サイト】
 http://www.inax.co.jp/gallery/contemporary/detail/d_001608.html

【会期】2010年6月1日(火)~6月28日(月)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間05分程度

【感想】
これは公式サイトを観ていただくとほとんどの作品の写真が載っているのですが、ダンボールを使って作られた仏像が並んでいる展示でした。正面からみるとダンボールの空洞から向こうが見えるのがちょっとシュールな感じで、横から観ると本当に普通のダンボールを使っていることがわかります。浮かぶように展示されているのも面白く、かなり気に入った内容でした。身近なものでこんな面白いものができるとは発想が素晴らしいです。




最後に、奥の小部屋の展示も観ました。

【展覧名】
 金 理有 展 -ceramics as new exoticism-

【公式サイト】
 http://www.inax.co.jp/gallery/ceramic/detail/d_001609.html

【会期】2010年6月4日(金)~7月6日(火)

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間05分程度

こちらは部屋全体が作品のようで、浮いている襖と戸に囲まれた中に、まるで銅の置物のようなオブジェがあります。(金属っぽいですが焼き物らしい) ぎょろっとした一つ目の置物や、塔のような感じの置物で、縄文時代の土器などのニュアンスも含まれているようで、ちょっと妖怪のようなところも面白かったです。、最初は男性器を模してるのかと思いましたw これも面白い発想の作品でした。



ということで、小展ながらも3つとも中々面白い内容でした。


この後、ポーラミュージアム アネックスで、「音の出る展覧会」も観てきました。こちらについては以前ご紹介したので、詳しくは割愛しますが、INAXギャラリーとセットで楽しむコースは中々良いものです。両方無料でさくっと観られます。
 参考記事:音の出る展覧会 (ポーラミュージアム アネックス [POLA MUSEUM ANNEX])
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