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日本美術のつくり方2 【東京国立博物館】

ここ数日ご紹介していた西洋美術館に行った後、東京国立博物館の常設にハシゴして、本館特別2室で「特集陳列・親と子のギャラリー 日本美術のつくり方2」を観てきました。
年間パスポートを持っていると、特別展が無くても気になる常設にフラっと寄れるのが嬉しいw
 参考リンク:友の会・パスポート

DSC_13339.jpg

【展覧名】
 特集陳列・親と子のギャラリー 日本美術のつくり方2

【公式サイト】
 http://www.tnm.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=7802

【会場】東京国立博物館 本館特別2室
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)
【会期】2010年6月15日(火)~2010年7月25日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_②_3_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_4_⑤_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
この日は特別展は無かったのでだいぶ空いていました。そんなに広くない1部屋だけの内容ですので15分もあれば観終わります。この展示は去年に同じ名前で1をやっていましたが、今回は1とは違う美術品について作り方を説明していました。この手の展示は後々の鑑賞に非常に参考になるので貴重です。
 参考記事:
  日本美術のつくり方 (東京国立博物館)
  錦絵はいかにつくられたか (国立歴史民俗博物館)

<寄木造>
去年は一木造でしたが、今年は寄木造について説明しています。
DSC_13340.jpg
いくつかのパーツを組み立てる作り方で、別の人たちが同時に作成できるので、東大寺の2体の仁王像はたった69日間で作られたのだとか。

この辺には仏像のリアルな眼を表現する玉眼の技法も展示されていました。


<線彫・鋤彫・透彫>
線彫は鉄などの表面に文様を彫る技法、鋤彫は金属素材を彫り文様を浮き立たせる技法、透彫は文様の形に切り抜く技法です。線彫のいくつかの種類や下書き⇒彫りという工程について解説されていました。
DSC_13348.jpg

山脇洋二 「模造 金銅迦陵頻伽文華鬘」 ※現品は平安時代
DSC_13351.jpg
華鬘は仏具で、お寺にかけて吊るす飾りです。これは模造ですが、鋤彫と透彫の技法を駆使して再現しているようでした。


<友禅染>
江戸時代の頃に生まれた友禅染の技法です。友禅染には「手描き友禅」と「型友禅」という2つの技法があるそうで、ここでは「手描き友禅」を説明していました。
DSC_13358.jpg
①糊伏せのための下絵⇒②糊伏せ⇒③引染⇒④地色の蒸し・水元⇒⑤友禅模様部の下絵⇒⑥糊糸目⇒⑦色挿し⇒⑧友禅模様部の蒸し・水元⇒⑨湯のし⇒⑩刺繍 という10もの工程が紹介されていました。どんどん絵画のような緻密な模様になっていくのがわかるのが面白いです。

「小袖 白縮緬地衝立鷹模様」
完成するとこんな美しい着物になります。
DSC_13355.jpg


<料紙装飾>
華麗な書を装飾する料紙についても紹介されていました。様々な「継紙」や唐紙について説明されています。
DSC_13367.jpg

田中親美 「平家納経(模本) 妙荘厳王本事品 第二十七」 ※原品は平安時代
DSC_13364.jpg
これは模造ですが、非常に華麗な巻物です。こうした作品はどうやって作っているんだろう?と思うことは多いですが。紙を継ぎ合わせて作ってるようです。
この隣には「法華経(久能寺経) 安楽行品」(重要文化財)もありました。


ということで、親も子供も楽しめる展示ではないかと思います。美術好きなら普段観ている作品の作り方を知ることで、より深い理解に繋がると思いますのでお勧めです。 これだけを観に行くのはマニア過ぎですが、今日から平成館で「誕生!中国文明」も始まっていますので、合わせて足を運んでみると面白いと思います。

・・・去年は夏休み自由研究にそのまま使えるかも!とか言ってましたが、今年はちょっと会期が終わるのが早いかもw
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