有元利夫展 天空の音楽 【東京都庭園美術館】
ちょっとご紹介の順が前後しますが、先日ご紹介した泉屋博古館分館を観た後、南北線で白金台に移動して東京都庭園美術館で「有元利夫展 天空の音楽」を観てきました。

【展覧名】
有元利夫展 天空の音楽
【公式サイト】
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/arimoto/index.html
【会場】東京都庭園美術館
【最寄】目黒駅(JR・東京メトロ) または 白金台駅(東京メトロ)
【会期】2010年7月3日~9月5日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
館内は結構お客さんがいて、2~3作品に1人くらいの割合だったと思います。狭い部屋だとちょっと人が多目だなと感じるくらいでした。
この展示は38歳の若さで亡くなった有元利夫の没後25年に合わせたもので、3年くらい前にも横浜のそごう美術館で回顧展があったようですが、私はこの画家を知りませんでした。紹介によると、東京芸術大学を卒業して画家になった人で、フレスコ画と仏画に共通点を見出して独自の世界を作り上げた人だそうで、中世のような現代のような不思議な画風に惹かれて観に行きました。詳しくは気に入った作品をご紹介しようと思います。
なお、章分けは一応あるのですがリストと展示順は全然違いますので、観てきた順に挙げていこうと思います。
参考リンク:2007年の「光と色・想い出を運ぶ人 有元利夫展」の公式サイト
有元利夫 「花降る日」 ★こちらで観られます
入口付近にあった作品です。五段ケーキのような所で、赤い服の女性が立った布のようなものを両手で持っています。背景は朱色で、上から光が差し込んでいるようです。また、画面のあちこちに赤と白の花びらが舞っていました。超現実的な雰囲気の作風も好みでしたが、特に気になったのはその画面そのもので、本当にフレスコ画のような質感をしていて、剥落している所も多々ありました。
有元利夫 「厳格なカノン」 ★こちらで観られます
今回のポスターにもなっている代表作です。ハシゴを上る女性が描かれ、その右側には青い垂れ幕のようなもの、背景は青空の風景が広がります。これは多分、舞台を描いている作品のようで、地面には定規で引いたような升目があったり、似たような舞台の作品が隣にありました。ハシゴの先がうっすらと垂れ幕の後ろに見えたりするなど、中世の絵みたいな感じもしますが、このシュールさはシュルレアリスムのようにも思えました。
有元利夫 「テアトルの道」 ★こちらで観られます
厳格なカノンの隣に展示されていた舞台をテーマにした作品です。ふくよかな裸婦が階段を下っていく様子が描かれているのですが、背景は青空、階段は地面に突如現れているなど、現実離れしている感じがします。絵の上部には扇形の幕らしきものがあるので、これによって舞台のセットを描いたものだとわかりました。解説には本人の言葉が書かれていて「舞台は嘘をつく空間で、一杯嘘をついて一杯演技して様式を抽出すれば、より真実に近づき本当のリアリティが出せる」とのことでした。この不思議な光景が心を掴んでくるのも奇妙なリアリティのせいかな?
この作品の隣にはこれをブロンズ像にした作品もありました。
有元利夫 「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ(卒業制作・10連作のうち5点)」
これは芸大が買い上げた10点の卒業制作のうちの5点です。「聖十字架物語」などをモンタージュしたそうで、白馬に乗る人、赤い服を着て楽器を持つ女性など、宗教的な雰囲気の画風で描かれていました。また、アメリカ画家のベン・シャーンを模した作品などもありました。いづれも独特の質感で近年の作とは思えない風格がありました。
この辺にはフレスコにした理由についても本人の言葉で紹介されていました。要約すると、油彩が横に絵の具が重なるのに対してフレスコは縦に染み込む事と、風化によって欠落やヒビが出て、暗示や象徴性が強まる事を挙げていました。確かに剥落などを観ていると古い作品のようで深い精神性を感じます。
有元利夫 「室内」
赤い壁を背景に、白い玉がいくつも浮かぶ室内が描かれ、そこに緑の服の女性が布を両手で持って立っています。何をしているか分かりませんが、これも夢の中のような非現実的な風景です。この人の作品はこうした玉や花や人などが浮かんでいることが多いのですが、これは有元利夫にとってのエクスタシー表現とのことでした。 また、どこかアンリ・ルソーのような素朴で力強いものも感じました。
有元利夫 「白い部屋」
白というよりはクリーム色の壁を背に、白いテーブルの席に着いた女性を描いていて、女性の腕は異様に太く、テーブルの上の赤い果物を触っています。テーブルの上にはガラスのコップもあったりするのですが、全体的にやけにさっぱりした部屋でシュールなものを感じました。また、絵の上部はアーチ状になっていたのが気になったかな。
この辺にはこの絵と同じように腕の太い女性が描かれたアーチ状の作品が3点くらいありました。(テーブルに向かう女性像が多かったかな。) また、部屋の奥の方には彫刻作品のコーナーもあり、スカートが異様に長く円錐や四角錐の形になっている女性像がいくつかありました。 さらに部屋の最後には唐突に仏像の手が展示されていたのですが、これは16~18世紀の東南アジアの仏像の手だそうで、古物商から買った蒐集品のようでした。
1Fの廊下沿いの小部屋では絵葉書くらいの銅板のコーナーがありました。クラシック音楽の作曲家と曲名がタイトルになった作品が並び、特にヴィヴァルディの「四季」は春夏秋冬の4つが揃っていました。(「冬」はテーブルでうつぶせになってる女性が描かれているのですが、何故これが冬なんだろ?w) このコーナーから分かる通り、有元利夫はバロック音楽が大好きだったようで、反リアリズム性、様式性、シンメトリカル、簡素で典雅 などを理由に挙げていました。マンネリで良いとかも言ってた記憶がw こうした音楽好きは2Fの作品でも観ることができました。
有元利夫 「雲のフーガ」
ここからのご紹介は2Fに展示されていた作品です。これは舞台の上に立ち、青空のパネルを持つ女性が描かれていて、背景の青空と手に持つパネルが連続しているようにも見える騙し絵的な要素がある作品です。(完全に溶け込んではいるわけではありませんが) この人の作風はシュルレアリスムのような感じがすると思って観ていましたが、特にこれはマグリットの「囚われの美女」みたいな発想に思いました。そう言えば平面的な色の青空のパネルもどことなくマグリットみたいな雰囲気があるように思います。
マグリット「囚われの美女」の参考記事:ベルギー幻想美術館 (Bunkamuraザ・ミュージアム)
有元利夫 「ささやかな時間」 ★こちらで観られます
テーブルに肘をついて縦笛を構える女性を描いた作品です。どこを見ているか分からない目をしていますが、嬉しそうな表情をしているように思いました。これがささやかな楽しみなのかな?
この作品の近くには縦笛を吹く女性の絵が2枚くらいと、実物のリコーダー、自分で作った手製のリコーダーケースなどもありました。また、隣の部屋には7つの音楽という画曲のコーナーがあり、7枚の作品が展示されていて有元利夫の音楽への情熱を感じました。有元利夫自身が作曲した曲もあるそうで、展覧会では聴けませんでしたが、公式サイトのyoutubeの動画で聴くことが出来ます。
有元利夫 「無題」 ★こちらで観られます
乾漆と磁器の2体の彫像で、いずれもオレンジと白のチェック柄の服を着たアルルカン(道化師)です。乾漆の方は歩くような姿勢をしていて、磁器のほうは座っていました。いずれも生き生きとしていました。
有元利夫はセザンヌやピカソが描いたアルルカンの作品が好きで、パリで本物のアルルカンの衣装を手に入れたそうです。そのため、作品にもよくアルルカンが出てくるとのことでした。
有元利夫 「雲のアルルカン」
雲を背景にした白とピンクのチェック柄の服を着たアルルカンの肖像です。ちょっと目がうつろだったかもw 本当にアルルカン好きみたいです。
有元利夫 「花降る森」
枯れ木の暗い森の中で、白い服の女性が青い布のような(弾力が無くてガラス戸のようにも見える)ものを持っています。また、上部からは花びらが舞っていて、死を感じる枯れ木の森と対照的な感じです。何故こうしたかは分かりませんが、心に残る作品でした。
この辺にあった本人の解説によると、絵の人物のスカートはみんな足元を隠しているそうで(たまにそうでもないのもあります)、足が見えると何をしているかがわかってしまうためにそうしているようでした。これも象徴性を強めるために考えたことなのかもしれません。
一番奥の部屋には、絵皿、湯のみ、判子、人形のブローチ(←ちょっと怖いw)、木製のこいのぼり、スケッチブックなどが置かれたコーナーがありました。中にはほうれん草チャーハンの作り方が書かれたメモまでありますw この辺りにあった解説によると、有元利夫は小学2~3年の頃にゴッホに衝撃を受けて、ゴッホのようになりたいと絵の道具をせがんだそうです。
2Fの廊下には自画像や夫人像がありました。2枚はだいぶタッチが違って、自画像はごつごつした質感をしているのに対して、夫人像はぺったりした色彩でした。また、近くにあった写真を見ると自画像はよく特徴が出ていました。
有元利夫 「出現」
水浴をしている裸婦を描いていて、頭の後ろから太陽が出ています。また、頭を中心にV字のようになった背景があり、女性からは何本かの波線がオーラのように出ていて存在感がありました。 それにしても色合いに風格があって、これだけ観てきても最近の作品とは思えないくらいでした。
ということで、今まで全然知らない画家でしたが、「当たり」の展覧会だったと思います。独特の世界観に引き込まれるようで良かったです。 展覧会の構成や画風の変遷がよく分からなかったのが残念かな。図録を買えばよかったかも…。


【展覧名】
有元利夫展 天空の音楽
【公式サイト】
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/arimoto/index.html
【会場】東京都庭園美術館
【最寄】目黒駅(JR・東京メトロ) または 白金台駅(東京メトロ)
【会期】2010年7月3日~9月5日
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(土曜日15時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_③_4_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
館内は結構お客さんがいて、2~3作品に1人くらいの割合だったと思います。狭い部屋だとちょっと人が多目だなと感じるくらいでした。
この展示は38歳の若さで亡くなった有元利夫の没後25年に合わせたもので、3年くらい前にも横浜のそごう美術館で回顧展があったようですが、私はこの画家を知りませんでした。紹介によると、東京芸術大学を卒業して画家になった人で、フレスコ画と仏画に共通点を見出して独自の世界を作り上げた人だそうで、中世のような現代のような不思議な画風に惹かれて観に行きました。詳しくは気に入った作品をご紹介しようと思います。
なお、章分けは一応あるのですがリストと展示順は全然違いますので、観てきた順に挙げていこうと思います。
参考リンク:2007年の「光と色・想い出を運ぶ人 有元利夫展」の公式サイト
有元利夫 「花降る日」 ★こちらで観られます
入口付近にあった作品です。五段ケーキのような所で、赤い服の女性が立った布のようなものを両手で持っています。背景は朱色で、上から光が差し込んでいるようです。また、画面のあちこちに赤と白の花びらが舞っていました。超現実的な雰囲気の作風も好みでしたが、特に気になったのはその画面そのもので、本当にフレスコ画のような質感をしていて、剥落している所も多々ありました。
有元利夫 「厳格なカノン」 ★こちらで観られます
今回のポスターにもなっている代表作です。ハシゴを上る女性が描かれ、その右側には青い垂れ幕のようなもの、背景は青空の風景が広がります。これは多分、舞台を描いている作品のようで、地面には定規で引いたような升目があったり、似たような舞台の作品が隣にありました。ハシゴの先がうっすらと垂れ幕の後ろに見えたりするなど、中世の絵みたいな感じもしますが、このシュールさはシュルレアリスムのようにも思えました。
有元利夫 「テアトルの道」 ★こちらで観られます
厳格なカノンの隣に展示されていた舞台をテーマにした作品です。ふくよかな裸婦が階段を下っていく様子が描かれているのですが、背景は青空、階段は地面に突如現れているなど、現実離れしている感じがします。絵の上部には扇形の幕らしきものがあるので、これによって舞台のセットを描いたものだとわかりました。解説には本人の言葉が書かれていて「舞台は嘘をつく空間で、一杯嘘をついて一杯演技して様式を抽出すれば、より真実に近づき本当のリアリティが出せる」とのことでした。この不思議な光景が心を掴んでくるのも奇妙なリアリティのせいかな?
この作品の隣にはこれをブロンズ像にした作品もありました。
有元利夫 「私にとってのピエロ・デラ・フランチェスカ(卒業制作・10連作のうち5点)」
これは芸大が買い上げた10点の卒業制作のうちの5点です。「聖十字架物語」などをモンタージュしたそうで、白馬に乗る人、赤い服を着て楽器を持つ女性など、宗教的な雰囲気の画風で描かれていました。また、アメリカ画家のベン・シャーンを模した作品などもありました。いづれも独特の質感で近年の作とは思えない風格がありました。
この辺にはフレスコにした理由についても本人の言葉で紹介されていました。要約すると、油彩が横に絵の具が重なるのに対してフレスコは縦に染み込む事と、風化によって欠落やヒビが出て、暗示や象徴性が強まる事を挙げていました。確かに剥落などを観ていると古い作品のようで深い精神性を感じます。
有元利夫 「室内」
赤い壁を背景に、白い玉がいくつも浮かぶ室内が描かれ、そこに緑の服の女性が布を両手で持って立っています。何をしているか分かりませんが、これも夢の中のような非現実的な風景です。この人の作品はこうした玉や花や人などが浮かんでいることが多いのですが、これは有元利夫にとってのエクスタシー表現とのことでした。 また、どこかアンリ・ルソーのような素朴で力強いものも感じました。
有元利夫 「白い部屋」
白というよりはクリーム色の壁を背に、白いテーブルの席に着いた女性を描いていて、女性の腕は異様に太く、テーブルの上の赤い果物を触っています。テーブルの上にはガラスのコップもあったりするのですが、全体的にやけにさっぱりした部屋でシュールなものを感じました。また、絵の上部はアーチ状になっていたのが気になったかな。
この辺にはこの絵と同じように腕の太い女性が描かれたアーチ状の作品が3点くらいありました。(テーブルに向かう女性像が多かったかな。) また、部屋の奥の方には彫刻作品のコーナーもあり、スカートが異様に長く円錐や四角錐の形になっている女性像がいくつかありました。 さらに部屋の最後には唐突に仏像の手が展示されていたのですが、これは16~18世紀の東南アジアの仏像の手だそうで、古物商から買った蒐集品のようでした。
1Fの廊下沿いの小部屋では絵葉書くらいの銅板のコーナーがありました。クラシック音楽の作曲家と曲名がタイトルになった作品が並び、特にヴィヴァルディの「四季」は春夏秋冬の4つが揃っていました。(「冬」はテーブルでうつぶせになってる女性が描かれているのですが、何故これが冬なんだろ?w) このコーナーから分かる通り、有元利夫はバロック音楽が大好きだったようで、反リアリズム性、様式性、シンメトリカル、簡素で典雅 などを理由に挙げていました。マンネリで良いとかも言ってた記憶がw こうした音楽好きは2Fの作品でも観ることができました。
有元利夫 「雲のフーガ」
ここからのご紹介は2Fに展示されていた作品です。これは舞台の上に立ち、青空のパネルを持つ女性が描かれていて、背景の青空と手に持つパネルが連続しているようにも見える騙し絵的な要素がある作品です。(完全に溶け込んではいるわけではありませんが) この人の作風はシュルレアリスムのような感じがすると思って観ていましたが、特にこれはマグリットの「囚われの美女」みたいな発想に思いました。そう言えば平面的な色の青空のパネルもどことなくマグリットみたいな雰囲気があるように思います。
マグリット「囚われの美女」の参考記事:ベルギー幻想美術館 (Bunkamuraザ・ミュージアム)
有元利夫 「ささやかな時間」 ★こちらで観られます
テーブルに肘をついて縦笛を構える女性を描いた作品です。どこを見ているか分からない目をしていますが、嬉しそうな表情をしているように思いました。これがささやかな楽しみなのかな?
この作品の近くには縦笛を吹く女性の絵が2枚くらいと、実物のリコーダー、自分で作った手製のリコーダーケースなどもありました。また、隣の部屋には7つの音楽という画曲のコーナーがあり、7枚の作品が展示されていて有元利夫の音楽への情熱を感じました。有元利夫自身が作曲した曲もあるそうで、展覧会では聴けませんでしたが、公式サイトのyoutubeの動画で聴くことが出来ます。
有元利夫 「無題」 ★こちらで観られます
乾漆と磁器の2体の彫像で、いずれもオレンジと白のチェック柄の服を着たアルルカン(道化師)です。乾漆の方は歩くような姿勢をしていて、磁器のほうは座っていました。いずれも生き生きとしていました。
有元利夫はセザンヌやピカソが描いたアルルカンの作品が好きで、パリで本物のアルルカンの衣装を手に入れたそうです。そのため、作品にもよくアルルカンが出てくるとのことでした。
有元利夫 「雲のアルルカン」
雲を背景にした白とピンクのチェック柄の服を着たアルルカンの肖像です。ちょっと目がうつろだったかもw 本当にアルルカン好きみたいです。
有元利夫 「花降る森」
枯れ木の暗い森の中で、白い服の女性が青い布のような(弾力が無くてガラス戸のようにも見える)ものを持っています。また、上部からは花びらが舞っていて、死を感じる枯れ木の森と対照的な感じです。何故こうしたかは分かりませんが、心に残る作品でした。
この辺にあった本人の解説によると、絵の人物のスカートはみんな足元を隠しているそうで(たまにそうでもないのもあります)、足が見えると何をしているかがわかってしまうためにそうしているようでした。これも象徴性を強めるために考えたことなのかもしれません。
一番奥の部屋には、絵皿、湯のみ、判子、人形のブローチ(←ちょっと怖いw)、木製のこいのぼり、スケッチブックなどが置かれたコーナーがありました。中にはほうれん草チャーハンの作り方が書かれたメモまでありますw この辺りにあった解説によると、有元利夫は小学2~3年の頃にゴッホに衝撃を受けて、ゴッホのようになりたいと絵の道具をせがんだそうです。
2Fの廊下には自画像や夫人像がありました。2枚はだいぶタッチが違って、自画像はごつごつした質感をしているのに対して、夫人像はぺったりした色彩でした。また、近くにあった写真を見ると自画像はよく特徴が出ていました。
有元利夫 「出現」
水浴をしている裸婦を描いていて、頭の後ろから太陽が出ています。また、頭を中心にV字のようになった背景があり、女性からは何本かの波線がオーラのように出ていて存在感がありました。 それにしても色合いに風格があって、これだけ観てきても最近の作品とは思えないくらいでした。
ということで、今まで全然知らない画家でしたが、「当たり」の展覧会だったと思います。独特の世界観に引き込まれるようで良かったです。 展覧会の構成や画風の変遷がよく分からなかったのが残念かな。図録を買えばよかったかも…。
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