田中一村 新たなる全貌 (感想後編)【千葉市美術館】
今日は前回の記事に引き続き、千葉市美術館の「田中一村 新たなる全貌」の後編をご紹介いたします。前編には混み具合なども記載しておりますので、前編を読まれていない方は前編から先にお読み頂けると嬉しいです。
前編はこちら

まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
田中一村 新たなる全貌
【公式サイト】
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/0821/0821.html
【会場】千葉市美術館
【最寄】千葉駅(JR・京成)京成千葉中央駅(京成) 葭川公園駅(千葉都市モノレール)など
【会期】2010年8月21日(土)~9月26日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
昨日は上の階に展示されていた東京時代、千葉時代の半分くらいまでご紹介しましたが、今日は下の階に展示されていた千葉時代の残りと奄美時代についてです。
と、その前に、千葉市美術館が作成した動画がyoutubeにありましたのでご紹介。こちらで館内の雰囲気がよくわかります。昨日ご紹介した作品もちらほらと写っていました。
<第2章 千葉時代>
上の階には「米邨」の画号時代の作品が並んでいましたが、下の階からは「田中一村」の時代です。 戦後、新しい出発を期して画号を「米邨」から「柳一村」にしたそうですが、すぐに「田中一村」に変えたそうです。この「一村」というのは南宋の詩から引用したもので、田園生活の良さを詠ったものらしく、このコーナーにはその名の通り、自然を描いた作品が多く並んでいました。
69 田中一村 「芭蕉」
墨の濃淡で描かれた芭蕉の絵です。薄めの墨で大きく描かれ、情緒ある雰囲気となっています。これは一村に画号を変えた記念碑的な作品ではないかとのことです。
この辺は南画っぽい作品が多かった気がします。
89 田中一村 「四季山水図 彷蕪村」
4幅セットの掛け軸で、この作品には与謝蕪村の原図があるそうです。右から、屋敷の外で花見をする人々が描かれた春、川の流れとその周りの人々を描いた夏、山間の村の秋の様子、雪景色の中の池に浮かぶ小舟が描かれた冬という感じで四季の山水画となっています。解説によると、原図と比べてモチーフは欠いていないが図を縮小し簡単な筆致になっているとのことでした。
この辺から公募展への挑戦のコーナーとなっていました。一村は千葉の展覧会や、川端龍子が主催した青龍社の青龍展に応募し、入選を果たしたものの、日展や院展といった中央画壇の公募展では落選していたようです。自信作を燃やしてしまったのもこの頃かな?
青龍社の参考記事:小畠鼎子展 青龍社とともに歩んだ女性画家 (武蔵野市立吉祥寺美術館)
88 田中一村 「伝蛇足筆暮江漁舟図写」
ススキが黄色に染まる原に立つ大きな杉を描いた作品です。色が明るく緻密に描かれ、秋の情景がありました。解説によると、やまと絵風の雰囲気も残っているそうです。
141 田中一村 「白い花」 ★こちらで観られます
これが青龍展で入選した2曲の屏風です。緑鮮やかな葉と白い花が描かれ、大和絵的なぺったりした鮮やかさと装飾性を感じました。絵の下の方に描かれた竹にとまる鳥はここまで観てきた鳥の絵の特徴があったように思います。
143 田中一村 「秋晴」
金地を背景に暗めの色で農家を描いた作品です。木にかけられた大根の白と緑だけが鮮やかで、一際目を引きました。金地が秋の風情を上手く出しているようにも思います。
なお、この作品は青龍展で落選してしまったそうで、それに納得できなかった一村は、これと同時に出品して入選した「波」の受賞を辞退したそうです。
さらに進むと大きな襖絵や天井画が並ぶコーナーでした。一村は理解者から障壁画の依頼を受けていたそうで、特に終戦後に本格的に取り組んでいたそうです。この展覧会ではそうした作品を約40面も観ることができました。
133 田中一村 「草花図天井画」
正方形の枠に草花が描かれたパネルのようなものが縦5つ×横8つ並んだ作品で、これは仏間の天井画だそうです。いずれも草花が木目の上に鮮やかに描かれているのですが、木目が水の流れのように見えてくるのが面白かったです。これは中々の見所だと思います。
134 田中一村 「花と軍鶏」
これは8面からなる襖絵で、梅?の木の下で2羽の軍鶏が立っている姿を描いています。周りには牡丹なども描かれていますが、広々とした画面となっていました。 軍鶏は非常に細密に描かれ、鋭い目には威厳すら感じました。解説によると、一村は軍鶏師のもとに軍鶏の描写を学びに行ったそうで、この作品はその集大成とのことでした。
続いては九州、四国、紀州への旅のコーナーとなっています。昭和30年(1955年)に旅をしたそうで、その旅先で描いた作品が並んでいました。
160 田中一村 「平潮」
これは淡路の海を描いた作品で、画面の高い位置に水平線があり、そこに太陽の光の反射が長い道のように縦方向に伸びています。また、1艘の小舟が浮かんでいるのも風情があり好みでした。少ない色でほぼ白黒でしたが光の表現も良かったです。なお、この作品の隣にはよく似た白黒写真が展示されていて、自分で撮った写真を元に描いた作品のようでした。
156 田中一村 「青島の朝」
ビロウというヤシ科の植物が逆光の中に立っている姿を描いた作品です。木の下(画面の下の方)には青い海も見え、これは宮崎の様子らしいです。解説によると、ビロウをこのように描いた構図は奄美時代の主要な作品にも観られるそうで、後の画風に繋がっていっているようでした。
参考リンク:ビロウのwiki
137 田中一村 「四季花譜図」
これは前の襖絵関連のコーナーかな。囲まれるように襖絵が並んでいて、裏表も観られるようになっているのが嬉しいです。片面は白黒で松が描かれ、もう片面は淡くカラフルな草花が描かれていて、対照的な美しさがありました。 解説によると、こうした襖絵を描いて得たお金を奄美への資金にしたそうです。
<第3章 奄美時代>
一村は昭和33年(1958年 50歳)の時に、姉と別れ、単身で沖縄の奄美に渡りました。最初は国立療養所の官舎に住んでいたそうで、そこの職員達のために絵を描いたりするなど、交流もあったようです。その後、2年後に一旦千葉に戻りましたが、また奄美へ向かい、昭和37年からの5年間は染色工として働きながら絵を描いていたそうです。この章ではそうした奄美時代の作品が並び、今回の展覧会の一番の見所となっていました。
166 田中一村 「保氏肖像」
戦争で無くなった方の肖像画です。写真を元に、鉛筆で下書きして水彩で描いているらしく、白黒写真ではないかというくらい写実的に描かれていました。こうした肖像(遺影?)は貴重な現金収入に繋がっていたそうです。
この辺には色紙に描かれた作品や、画材・筆などの展示がありました。
187 田中一村 「奄美の海に蘇鐵とアダン」
大きく黒いソテツや南方系の植物が描かれ、背景には地元の信仰で聖地となっている岩も描かれている作品です。大胆で簡略化されたような感じも受け、力強い作品となっていました。
191 田中一村 「初夏の海に赤翡翠」
黒く大きなビロウの葉、黄緑の葉の植物など南方系の草花が生い茂る中、オレンジっぽい赤のカワセミが横を向いて岩にとまっている姿を描いた作品です。色とりどりでデザイン的な感じもするかな。草花によってリズム感や楽しげな印象を受けました。
この辺にはスケッチブックや魚の写生図などがありました。海老やぜんまいを描いたものなど、奄美の生き物が事細かにスケッチされているようでした。
190 田中一村 「枇榔樹の森に崑崙花」
これは、黒っぽいビロウが生い茂る中に咲く白い花(崑崙花)を描いた作品です。ビロウを大きく描いた作品の中でも早めの時期のものらしく、解説では硬い印象を受けるとのことでしたが、白黒とわずかな色がスタイリッシュなデザインのように思えました。
最後の部屋向かう途中、古いカメラと写真が並んでいました。これを使って風景画の元にしていたのかな。 そして、最後の部屋は特に素晴らしい展示となっています。
201 田中一村 「不喰芋と蘇鐵」 ★こちらで観られます
亜熱帯植物に囲まれた風景が濃厚な色彩で描かれ、植物の隙間から海に浮かぶ岩山(地元の聖地)が見えています。解説によるとこの作品からは四季や誕生~死までの意味も読めるそうです。一見生き生きとして楽しげな風景に思いましたが、深い意味が込められているようでした。
200 田中一村 「アダンの海辺」 ★こちらで観られます
海辺に生えている大きなアダンという木に、大きな黄色い実がなっている様子が描かれた作品です。縦長で大きな木の実にインパクトがあり、葉っぱや波、石まで非常に細かく描かれていました。近くにはこれを描いた時の事が書かれた書面があり、全精力を注いだことが分かりました。これも一見すると南国情緒ある爽やかな絵だなーと思いますが、その実、画家の人生を賭けて描いた濃密な作品でした。素晴らしい作品です!
ということで、田中一村の生涯を一気に知ることができる貴重で見所が多い展覧会でした。もう会期も残りわずかですが、田中一村に興味がある方は是非行っておいたほうがよろしいかと思います。 なお、図録は非常に人気で既に完売となっていました。しかし、後日郵送(郵送費は美術館持ち)で購入することもできるようで、宛名書きしている人たちが沢山いました。
この後、同時開催の「我が心の千葉」も見たのですが、閉館時間が近いのと、田中一村で体力・集中力を使ってしまったので、流し観でした^^; ご紹介は割愛します…。
前編はこちら


まずは概要のおさらいです。
【展覧名】
田中一村 新たなる全貌
【公式サイト】
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2010/0821/0821.html
【会場】千葉市美術館
【最寄】千葉駅(JR・京成)京成千葉中央駅(京成) 葭川公園駅(千葉都市モノレール)など
【会期】2010年8月21日(土)~9月26日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
2時間00分程度
【混み具合・混雑状況(平日15時頃です)】
混雑_1_②_3_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_4_⑤_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
昨日は上の階に展示されていた東京時代、千葉時代の半分くらいまでご紹介しましたが、今日は下の階に展示されていた千葉時代の残りと奄美時代についてです。
と、その前に、千葉市美術館が作成した動画がyoutubeにありましたのでご紹介。こちらで館内の雰囲気がよくわかります。昨日ご紹介した作品もちらほらと写っていました。
<第2章 千葉時代>
上の階には「米邨」の画号時代の作品が並んでいましたが、下の階からは「田中一村」の時代です。 戦後、新しい出発を期して画号を「米邨」から「柳一村」にしたそうですが、すぐに「田中一村」に変えたそうです。この「一村」というのは南宋の詩から引用したもので、田園生活の良さを詠ったものらしく、このコーナーにはその名の通り、自然を描いた作品が多く並んでいました。
69 田中一村 「芭蕉」
墨の濃淡で描かれた芭蕉の絵です。薄めの墨で大きく描かれ、情緒ある雰囲気となっています。これは一村に画号を変えた記念碑的な作品ではないかとのことです。
この辺は南画っぽい作品が多かった気がします。
89 田中一村 「四季山水図 彷蕪村」
4幅セットの掛け軸で、この作品には与謝蕪村の原図があるそうです。右から、屋敷の外で花見をする人々が描かれた春、川の流れとその周りの人々を描いた夏、山間の村の秋の様子、雪景色の中の池に浮かぶ小舟が描かれた冬という感じで四季の山水画となっています。解説によると、原図と比べてモチーフは欠いていないが図を縮小し簡単な筆致になっているとのことでした。
この辺から公募展への挑戦のコーナーとなっていました。一村は千葉の展覧会や、川端龍子が主催した青龍社の青龍展に応募し、入選を果たしたものの、日展や院展といった中央画壇の公募展では落選していたようです。自信作を燃やしてしまったのもこの頃かな?
青龍社の参考記事:小畠鼎子展 青龍社とともに歩んだ女性画家 (武蔵野市立吉祥寺美術館)
88 田中一村 「伝蛇足筆暮江漁舟図写」
ススキが黄色に染まる原に立つ大きな杉を描いた作品です。色が明るく緻密に描かれ、秋の情景がありました。解説によると、やまと絵風の雰囲気も残っているそうです。
141 田中一村 「白い花」 ★こちらで観られます
これが青龍展で入選した2曲の屏風です。緑鮮やかな葉と白い花が描かれ、大和絵的なぺったりした鮮やかさと装飾性を感じました。絵の下の方に描かれた竹にとまる鳥はここまで観てきた鳥の絵の特徴があったように思います。
143 田中一村 「秋晴」
金地を背景に暗めの色で農家を描いた作品です。木にかけられた大根の白と緑だけが鮮やかで、一際目を引きました。金地が秋の風情を上手く出しているようにも思います。
なお、この作品は青龍展で落選してしまったそうで、それに納得できなかった一村は、これと同時に出品して入選した「波」の受賞を辞退したそうです。
さらに進むと大きな襖絵や天井画が並ぶコーナーでした。一村は理解者から障壁画の依頼を受けていたそうで、特に終戦後に本格的に取り組んでいたそうです。この展覧会ではそうした作品を約40面も観ることができました。
133 田中一村 「草花図天井画」
正方形の枠に草花が描かれたパネルのようなものが縦5つ×横8つ並んだ作品で、これは仏間の天井画だそうです。いずれも草花が木目の上に鮮やかに描かれているのですが、木目が水の流れのように見えてくるのが面白かったです。これは中々の見所だと思います。
134 田中一村 「花と軍鶏」
これは8面からなる襖絵で、梅?の木の下で2羽の軍鶏が立っている姿を描いています。周りには牡丹なども描かれていますが、広々とした画面となっていました。 軍鶏は非常に細密に描かれ、鋭い目には威厳すら感じました。解説によると、一村は軍鶏師のもとに軍鶏の描写を学びに行ったそうで、この作品はその集大成とのことでした。
続いては九州、四国、紀州への旅のコーナーとなっています。昭和30年(1955年)に旅をしたそうで、その旅先で描いた作品が並んでいました。
160 田中一村 「平潮」
これは淡路の海を描いた作品で、画面の高い位置に水平線があり、そこに太陽の光の反射が長い道のように縦方向に伸びています。また、1艘の小舟が浮かんでいるのも風情があり好みでした。少ない色でほぼ白黒でしたが光の表現も良かったです。なお、この作品の隣にはよく似た白黒写真が展示されていて、自分で撮った写真を元に描いた作品のようでした。
156 田中一村 「青島の朝」
ビロウというヤシ科の植物が逆光の中に立っている姿を描いた作品です。木の下(画面の下の方)には青い海も見え、これは宮崎の様子らしいです。解説によると、ビロウをこのように描いた構図は奄美時代の主要な作品にも観られるそうで、後の画風に繋がっていっているようでした。
参考リンク:ビロウのwiki
137 田中一村 「四季花譜図」
これは前の襖絵関連のコーナーかな。囲まれるように襖絵が並んでいて、裏表も観られるようになっているのが嬉しいです。片面は白黒で松が描かれ、もう片面は淡くカラフルな草花が描かれていて、対照的な美しさがありました。 解説によると、こうした襖絵を描いて得たお金を奄美への資金にしたそうです。
<第3章 奄美時代>
一村は昭和33年(1958年 50歳)の時に、姉と別れ、単身で沖縄の奄美に渡りました。最初は国立療養所の官舎に住んでいたそうで、そこの職員達のために絵を描いたりするなど、交流もあったようです。その後、2年後に一旦千葉に戻りましたが、また奄美へ向かい、昭和37年からの5年間は染色工として働きながら絵を描いていたそうです。この章ではそうした奄美時代の作品が並び、今回の展覧会の一番の見所となっていました。
166 田中一村 「保氏肖像」
戦争で無くなった方の肖像画です。写真を元に、鉛筆で下書きして水彩で描いているらしく、白黒写真ではないかというくらい写実的に描かれていました。こうした肖像(遺影?)は貴重な現金収入に繋がっていたそうです。
この辺には色紙に描かれた作品や、画材・筆などの展示がありました。
187 田中一村 「奄美の海に蘇鐵とアダン」
大きく黒いソテツや南方系の植物が描かれ、背景には地元の信仰で聖地となっている岩も描かれている作品です。大胆で簡略化されたような感じも受け、力強い作品となっていました。
191 田中一村 「初夏の海に赤翡翠」
黒く大きなビロウの葉、黄緑の葉の植物など南方系の草花が生い茂る中、オレンジっぽい赤のカワセミが横を向いて岩にとまっている姿を描いた作品です。色とりどりでデザイン的な感じもするかな。草花によってリズム感や楽しげな印象を受けました。
この辺にはスケッチブックや魚の写生図などがありました。海老やぜんまいを描いたものなど、奄美の生き物が事細かにスケッチされているようでした。
190 田中一村 「枇榔樹の森に崑崙花」
これは、黒っぽいビロウが生い茂る中に咲く白い花(崑崙花)を描いた作品です。ビロウを大きく描いた作品の中でも早めの時期のものらしく、解説では硬い印象を受けるとのことでしたが、白黒とわずかな色がスタイリッシュなデザインのように思えました。
最後の部屋向かう途中、古いカメラと写真が並んでいました。これを使って風景画の元にしていたのかな。 そして、最後の部屋は特に素晴らしい展示となっています。
201 田中一村 「不喰芋と蘇鐵」 ★こちらで観られます
亜熱帯植物に囲まれた風景が濃厚な色彩で描かれ、植物の隙間から海に浮かぶ岩山(地元の聖地)が見えています。解説によるとこの作品からは四季や誕生~死までの意味も読めるそうです。一見生き生きとして楽しげな風景に思いましたが、深い意味が込められているようでした。
200 田中一村 「アダンの海辺」 ★こちらで観られます
海辺に生えている大きなアダンという木に、大きな黄色い実がなっている様子が描かれた作品です。縦長で大きな木の実にインパクトがあり、葉っぱや波、石まで非常に細かく描かれていました。近くにはこれを描いた時の事が書かれた書面があり、全精力を注いだことが分かりました。これも一見すると南国情緒ある爽やかな絵だなーと思いますが、その実、画家の人生を賭けて描いた濃密な作品でした。素晴らしい作品です!
ということで、田中一村の生涯を一気に知ることができる貴重で見所が多い展覧会でした。もう会期も残りわずかですが、田中一村に興味がある方は是非行っておいたほうがよろしいかと思います。 なお、図録は非常に人気で既に完売となっていました。しかし、後日郵送(郵送費は美術館持ち)で購入することもできるようで、宛名書きしている人たちが沢山いました。
この後、同時開催の「我が心の千葉」も見たのですが、閉館時間が近いのと、田中一村で体力・集中力を使ってしまったので、流し観でした^^; ご紹介は割愛します…。
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田中一村展
おはようございます。
私も二週間ほど前の平日に見てきましたが
やっぱり人気ですね。混雑していました…。
上中央にふくろうが描かれた絵が印象に残りました。
「秋晴」が落選とは……
私も二週間ほど前の平日に見てきましたが
やっぱり人気ですね。混雑していました…。
上中央にふくろうが描かれた絵が印象に残りました。
「秋晴」が落選とは……

Re: 田中一村展
>パンピーさん
ごらんになられましたか^^ 予想以上に人気で驚きました。若冲の時より混んでいるとは。
>上中央にふくろうが描かれた絵
あ、あれも良い作品でしたね。どこか神秘的な雰囲気がありました。
「秋晴」もそうですが、これだけの作品が生前に評価されなかったというのも考えさせられますね。
やはり芸術は奥深いです。
ごらんになられましたか^^ 予想以上に人気で驚きました。若冲の時より混んでいるとは。
>上中央にふくろうが描かれた絵
あ、あれも良い作品でしたね。どこか神秘的な雰囲気がありました。
「秋晴」もそうですが、これだけの作品が生前に評価されなかったというのも考えさせられますね。
やはり芸術は奥深いです。
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多分、年に70~100回くらい美術館に行ってると思うのでブログにしました。写真も趣味なのでアップしていきます。
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