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私を見て! ヌードのポートレイト 【東京都写真美術館】

前回ご紹介した東京都写真美術館の「ラヴズ・ボディ 生と性を巡る表現」を観た後、「私を見て! ヌードのポートレイト」を観てきました。この展覧会は既に終わってしまいましたが、ユニークな展覧だったのでご紹介しておこうと思います。

P1150434.jpg

【展覧名】
 私を見て! ヌードのポートレイト

【公式サイト】
 http://syabi.com/contents/exhibition/index-16.html

【会場】東京都写真美術館
【最寄】恵比寿駅
【会期】2010年7月31日(土)~10月3日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日15時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
最終日に行ったのですが、こちらの展示もそこそこ人が入ってたかな。
この展示は約150点の写真展となっていて、いずれもヌードを撮った作品と展示されていました。写真が普及し始めた頃の作品から現代の作品までテーマごとに4つの章で分類されていて、同じヌード写真でも多彩な内容でした。簡単にですが、章ごとにどんな雰囲気だったかご紹介しようと思います。

<第1章 邂逅>
この章では写真が日本に入ってきた幕末から明治初期にかけての写真などが展示されていました。臼に杵で脱穀している男性の後姿の写真や、飛脚、人力車など、明治時代の働く裸の男達の写真が並びます。当時の様子を伝えてくれますが、このタイトルの展示のしょっぱなが男の裸とは驚きですw こうした写真は当時の外国へのお土産だったそうで、裸は野蛮の象徴だったらしいです。そのため明治政府は裸禁止などの措置を取っていたとも解説されていました。
このコーナーにはマティスがモデルにポーズを取らせている様子を撮った写真もありました。


<第2章 表現>
このコーナーは表現方法に関する内容となっていました。最初の辺りは、絵画的で神話の絵に出てきそうな女性像や、道化師、マグリットのモデルのヌードなどが並んでいます。特に気に入ったのはマン・レイの「銅版プレス機のそばのメレット・オッペンハイム」という作品で、プレス機の近くに立って手を黒く染めている裸婦という、シュールな光景が面白かったです。
他にも日本人のヌード写真などもあり、動きや内面を感じさせる表現や、驚きのあるシュールなものが多く、楽しめました。


<第3章 家族>
このコーナーは家族をテーマにしていました。ヌードというと女性が思い浮かびますが、ここには家族を撮った写真が並び、親しげな表情やくつろいだ日常を垣間見るような雰囲気がありました。母子の写真などは愛情や喜びを感じました。


<第4章 自己(アイデンティティー)>
最後は単に美しさだけでなく、絵画風の写真や現代美術のような意味ありげな写真が並んでいました。特に目立っていたのは中性的な男性のカラーのヌードで、性器のあたりは写真に切れ目があり、カットされていました。これは日本では表現できないのでこうしているそうです。これも深い意味がありそう…。個性的な作品が多く色々と想定外でしたw

ということで、一言で「ヌード」と言っても様々な背景や表現を持っているのが面白かったです。もう終わってしまいましたが、意外性のあるユニークな展覧会でした。
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