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【黒田記念館】の案内 (2010年11月)

ここ数日、上野の記事が続いているので、引き続き上野の美術館めぐりをご紹介します。 先日、東京国立博物館の隣にある黒田記念館に行って、黒田清輝の作品を観てきました。

P1150879.jpg P1150890.jpg

アールヌーボー風のレリーフ・パネル
P1150887.jpg

【公式サイト】
 http://www.tobunken.go.jp/kuroda/

【会場】黒田記念館
【最寄】上野駅(JR・東京メトロ・京成)

 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間40分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日13時半頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
館内は意外とお客さんが多かったのですが、混んでいると言うほどでもありませんでした。実はここに行ったのは初めてだったりします。というのも、この記念館は基本的には木曜日と土曜日の13時~16時という限られた時間しか開いていないので、スケジュール的に合わせづらいという難点があります。 しかし、無料とは思えないほどの作品の充実ぶりで、かなり楽しめました。夏に岩手で見た黒田清輝展と重複する部分も多々あったので、実質的に特別展並みと言って良いかも (あの展覧はこの黒田記念館のコレクションが中心でした。) 
 参考記事:
  近代日本洋画の巨匠 黒田清輝展 (岩手県立美術館)
  農村(田園)へのまなざし (東京国立博物館 本館18室)
  黒田清輝のフランス留学 (東京国立博物館)

この記念館は、昭和3年(1928)に竣工されたそうで、設計者は当時の東京美術学校教授だった岡田信一郎だそうです。2001年にリニューアルオープンされ黒田清輝の作品が常設展示されています。 (黒田清輝の詳細については前述の岩手の記事に書きましたので、ご参照ください) 詳しくは気に入った作品と共にご紹介しようと思います。なお、作品リストはありませんでしたが、現在公開中の作品は公式サイトで確認できます。(リストの黄色の作品です)
 参考リンク:黒田清輝作品一覧


<2階展示室(階段側)>
展示室は主に2階となります。まずは階段側の部屋から観てきました。

黒田清輝 「少女・雪子十一歳」 ★こちらで観られます
こちらをじっと見る若い女性の肖像です。髪を結っていて目に力があり、むしろジロっと見てるかもw 淡い色彩の中で唇の赤が色っぽく、大人びた感じもしますがタイトル的には11歳(数え年なら今の10歳?)ということなので少女みたいです。小さい作品でしたが目につく作品でした。

この辺には以前ご紹介した「木村翁肖像」もありました。

黒田清輝 「花野」 ★こちらで観られます
これも前にご紹介しましたが、特に良いので再度感想を。 淡めの色彩で3人の裸婦が野に寝そべったりしている絵で、何とも瑞瑞しく清純な雰囲気が漂っています。理想化された感じはアカデミックだけど、印象派のような明るさを感じます。

この辺りには他にも以前ご紹介した「案山子」、「自画像」などもありました。

黒田清輝 「雲」 ★こちらで観られます
様々な雲の様子を描いた6枚セットの作品です。夕日に染まったり、微妙なグラデーションとなっているのが何とも美しく、何か懐かしい気分になりました。それぞれ小さな作品で、ちょっと離れると写真のようにも見えました。

この辺りには「夕の梨畑」、「鎌倉にて」など、好みの作品もありました。

黒田清輝 「松方公肖像下絵」 ★こちらで観られます
厳格そうな白髪の男性が横を向いている肖像で、どことなく印象派風の肖像に思います。この絵は赤外線で下絵を調査したらしく、近くに光学的調査を行った結果などが紹介されていました。升目が描かれていたので、バランスをきっちり計ってたのかな。
 参考リンク:黒田清輝作品の光学的調査

この部屋の中央には写生帖や子供の頃からの写真、愛用の湯飲みなども展示されていました。

<2階展示室(奥側)>
もしかしたらこっちの部屋から見るべきだったのかも? こちらにはまだ若い頃に描いた「自画像(トルコ帽)」や「田舎家」などもあり、先ほどの部屋より若い時代の作品があったように思います。

黒田清輝 「祈祷」 ★こちらで観られます
両手を握るように胸前に手を出して、目を閉じて祈っている女性の姿が描かれた作品です。静かな面持ちでじっとした感じを受けました。会場には解説がありませんが、WEBの解説によると、これはレンブラントに関心を寄せていた頃の作品のようで、宗教的感情が漂うとは言い難いとのことです。確かに宗教って感じよりは静けさを感じるなあ。

黒田清輝 「赤髪の少女」 ★こちらで観られます
髪を束ねた女性の後姿が描かれた作品で、周りは緑に囲まれています。緑の表現が爽やかで、そのせいか後ろ姿でも生き生きした明るさを感じました。それにしても、何をしているところなのか気になるw

この辺りには以前ご紹介した「枯れ野原(グレー)」、「少女の顔」、「編物」、「湖畔」などもありました。特に湖畔は何度みても好みです。

黒田清輝 「智・感・情」 ★こちらで観られます
ここの目玉作品の3枚セットの裸婦像です。絵については岩手のときに詳しくご紹介したので割愛しますが、今回は赤外線分析の写真や蛍光撮影の写真も一緒に観ることができました。赤外線では製作中の修正などがわかり、蛍光分析では絵の具の剥落を修復した跡などもわかります。「もの」としての厚みや歴史なども垣間見られる面白い趣向でした。

黒田清輝 「犬」 ★こちらで観られます
草の上で寝そべる犬を描いた作品です。ふわっとした感じや、犬がリラックスしている時の特徴がよく出ているように思います。難しいことを考えなくても犬が可愛い絵です。

黒田清輝 「書見」 ★こちらで観られます
窓辺で新聞?を読んでいる年老いた着物の男性を描いた作品です。眼鏡をかけているのですが、眼鏡には外の緑が反射しているのがちょっと面白かったw 

この2つの部屋以外にも2階には「旧美術研究所長室」という部屋があり、ここでは休憩したりホームページを閲覧したりできます。また、その隣の「旧研究室」では黒田清輝に関するDVDが上映されていました。
1階に戻ると、当時は珍しかった西洋の絵のコピーなども展示されていました。


ということで、無料とは思えないほど素晴らしい作品が並んでいます。建物自体も昔の洋館の趣があるので、お勧めのアートスポットです。唯一無二の弱点が開館時間ですので、ご興味ある方は行かれる前に確認しておくと良いかと思います。
この後、芸大の展示を観にいってきました。
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Comment
こ、この館は?!
こんばんわ。またお邪魔しております。
今日の記事には「わおっ!」でした。

というのはず~~~っとあの素敵な館は何だろう?と
思っていたのも十数年前で
今ではそんなことも忘れていました。トホホ。
なんと黒田清輝の美術館だったとは…!!
ビックリです。

21世紀XXXさんありがとう。v-254


Re: こ、この館は?!
>パンピーさん
いつもコメントありがとうございます!
この建物は結構目に付くところにあるのですが、中々知られていないのかもしれませんね。
以前はどうなっていたか分かりませんが、現在では無料で観られますので、
上野に行く機会があったら気に留めてみてください^^
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