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ドガ展 2回目【横浜美術館】

つい今日のことですが、休日出勤の代休を取って、終盤となった横浜美術館のドガ展を再度観に行ってきました。
いくつか他にもネタを溜め込んでいるのですが、こちらを早めにご紹介しておかないと会期が終わってしまうので優先してご紹介しようと思います。

P1160962.jpg P1160958.jpg

【展覧名】
 ドガ展

【公式サイト】
 http://www.degas2010.com/

【会場】横浜美術館
【最寄】JR桜木町駅/みなとみらい線みなとみらい駅
【会期】2010年9月18日~12月31日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(平日14時半頃です)】
 混雑_①_2_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_4_⑤_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足

【感想】
この前のゴッホ展の2回目の時もそうでしたが、人気の展覧会に平日も土日も無いのかもしれませんw 平日にも関わらず混んでいて、チケットを買うのにも5~6分くらい並びました。中は作品によっては人だかりができていて、あちこちで列を作っている感じです。会期末なので、こういう状態は予想通りかな。(帰り際の17時頃には空いているようだったので、閉館近くは空いているかもしれません。)

今回もメモを取ってきたのですが、各コーナーの趣旨や代表的な作品は以前の記事でご紹介したので、今回は以前ご紹介した作品以外で気になった作品についてご紹介しようと思います。 (補足的な感じですので、以前行ったときの記事を先に読んでいただけると嬉しいです^^;) 

 以前の記事:ドガ展 (横浜美術館)


<第1章 古典主義からの出発>
まずはアングルやルネサンス絵画から学んで画業を始めた頃からのコーナーです。

エドガー・ドガ 「トキと若い女」
緑のローブを着た女性と、両脇にいる真っ赤なトキを描いた作品です。背景には見下ろすように町並みが広がっています。トキはふわっとした感じで、1羽は女性の手の上に乗っているようで、その赤が特に目をひきました。 女性もチラッと観るような表情が印象的かな。

エドガー・ドガ 「アマチュア騎手のレース-出走前」 ★こちらで観られます
競馬場の出走前の風景を描いた作品です。沢山の馬とそれに乗る騎手が同じ方向を向いて並んでいて、右端の馬と騎手は体の右半分が画面からはみだしています。解説によると、この大胆で革新的な構図が見る者に生き生きとした臨場感を与えているとのことでした。もしかしたら浮世絵の影響かな? なお、背景に見える煙突は20年後にドガ自身が加筆したものだそうです。

エドガー・ドガ 「ベレッリ夫人と二人の娘(《ベレッリ家の家族》のための習作)」
幼い2人の従姉妹と、その母(ドガの叔母)を描いた作品で、これは「ベレッリ家の家族」という作品の習作となります。隣に完成作の写真が展示されているのですが、完成作には夫の姿もあるので、完成作とは違いがあります。 この絵は3人ともバラバラの方向に目を向けているようで、あまり楽しくなさそうな雰囲気を受けました。黒い服を着ているのですが、どうやら喪に服している時の姿のようです。また、解説によるとこの頃のベレッリ家の夫婦仲はあまり良くなかったらしく、その微妙な関係をも映し出しているとのことでした。

エドガー・ドガ 「ある理工科大学生の肖像」
これは以前の記事でご紹介を飛ばした村内美術館の作品で、若く髭を生やした男性が黒い帽子を被っている肖像です。かなり若い印象を受けますが、その目に深い知性を感じ、静かな表情を浮かべていました。
 参考記事:村内美術館の案内

エドガー・ドガ 「イレール・ドガ」
フランス革命後にイタリアへ隠遁したドガの祖父を描いた肖像です。足を組んで縞模様のソファに腰掛け、ステッキを持っています。全体的に身なりがよく、厳格そうな顔をしていました。解説によるとこの絵は1857年のナポリ滞在の時に描かれたそうで、アングルを想起させる緻密な画面構成だそうです。 とにかく頑固そうというか威厳が凄かったです。隠遁してるはずですよね?w

エドガー・ドガ 「ルイ=マリー・ピレ(チェロ奏者ピレ)」
楽譜が置かれたテーブルの前に座り、窓の外を見るチェロ奏者を書いた作品です。背景には集合写真、右手前には大きな楽器(多分、チェロ)が2つ置かれています。そのチェロは影で暗くなっているのですが、非常に大きく感じるので部屋の遠近感が伝わってくるようでした。チェロ奏者は音楽の構想を練っているのかな?ちょっと考え事をしているようでした。

エドガー・ドガ 「テオドール・ゴビラール夫人(イヴ・モリゾ、1838-1893)」
部屋の中のソファに座っている横向きの女性を描いた作品で、モデルはベルト・モリゾ(印象派の女性画家)の長姉だそうです。黒っぽい服を着てじっと右の方を見ているのですが、ちょっと機嫌が悪そうに見えるかもw 全体的に茶色っぽいの絵で、背景のドアの外の緑だけが明るい感じを出していました。

エドガー・ドガ 「東洋風の花瓶の前の女性」
テーブルの上に置かれた花瓶と赤い花、その後ろに女性(弟の妻?)が座っている様子を描いた作品です。花瓶は質感が出ているようで、花の赤は特に目に鮮やかでした。後ろにいる女性よりも花と花瓶が主役となっているような面白い構図です。


<第2章 実験と革新の時代>
今回特に注目なのがこの2章です。超有名作「エトワール」をはじめ、「踊り子の画家」と呼ばれた画家らしい踊り子関連の作品が並んでいます。…以前の記事でかなりご紹介しましたが、それ以外にも良い作品が多いコーナーです。エトワールの周りの人だかりは凄かったw

エドガー・ドガ 「腕を組んだバレエの踊り子」
目を閉じて腕を組む踊り子を描いた作品で、背景は燃えるような赤い色をしています。踊り子はじっと何もない空間を見つめるような目をしていて、物思いに耽っているようにも見えました。

エドガー・ドガ 「踊り子」 ★こちらで観られます
扇状の形をした作品です。これは1879年の作品なのですが、その1年前にパリ万博が開催され、日本の美術品が紹介されたことで日本ブームが起きた頃に描かれました。両手を輪のようにしてポーズをとる踊り子やピンクの服の踊り子たちが描かれ、バレエのワンシーンのようでした。こうした扇状の作品は生涯で25点ほどあるそうですが、分かりやすい形で日本からの影響を感じさせる作品でした。また、左半分に人物が密集しているのに右半分はガランとしているのも面白かったです。

エドガー・ドガ 「ばら色の踊り子」
薄いピンクの服を着た踊り子が描かれた作品で、恐らく舞台挨拶をしているのかな。背景はぼんやりした感じですが、この踊り子は生き生きした感じが出ていました。ちょっと口を開けて左の方に視線を向けていて、嬉しそうな表情に思います。

このあたりには、カフェコンセール(歌や曲芸を楽しめたお店)に関する素描などが並び、印象派の画家達との交流について知ることもできます。

エドガー・ドガ 「女性の肖像」
黒いベールに黒い服を着た女性の肖像です。左を向いて誰かを見ているような表情が印象的でした。

<第3章 綜合とさらなる展開>
最後のコーナーは目が悪くなっていった頃のドガの様々な挑戦についてのコーナーです。

エドガー・ドガ 「草上の二人の浴女」 ★こちらで観られます
ドガには珍しい屋外の裸婦を描いた作品です。緑の草原の上に2人の裸婦がいて、1人はうつ伏せで目をつぶり、もう1人は膝を曲げて足の先を見るようなポーズで座っています。緑が明るい雰囲気で、他の作品と比べてだいぶ違う印象を受けました。解説によると、単純化された人物のフォルムやパステルの厚みなどに特徴があるようで、抽象的な表現に向かっていったのを示しているとのことでした。

この辺は裸婦のコーナーです。素描や習作が多いかな。

エドガー・ドガ 「水浴」 ★こちらで観られます
これは晩年の作品で、椅子に座った後ろ向きの裸婦が、タオルで首のあたりを拭いている様子が描かれています。日常を覗き込むような感じはありのままを描いたドガらしい作品かな。結構色鮮やかに見えましたが、この頃のドガは既にかなり目が悪かったようです。

エドガー・ドガ 「小屋へ帰る牛の群れ」
家々の間を歩く3頭の牛を描いた作品です。一番右の牛は画面からはみ出してお尻しか見えないくらいですw これも先ほどの競馬の絵と同じような効果を狙ったのかな? この作品は色合いも見所だと思うのですが、会場にあった図録を読んだら、平面的でゴーギャンからの影響か?というようなことも書かれていました。それが私にとっては結構意外で驚きました。

この辺は他にも数点の風景画や写真に関するコーナーがあります。

エドガー・ドガ 「舞台の袖の踊り子」 ★こちらで観られます
2枚同じような作品が並んでいて、これと似た作品は10点ほどあるそうです。4人の踊り子が少しずつ舞台の袖にいて、表の様子を伺っているように見えます。 2枚を比べてみると微妙に配置や色彩、布の質感などが異なっていて、ドガが構図に苦心していたことが分かりました。この趣向は参考になって面白いです。

エドガー・ドガ 「踊り子の稽古場にて」 ★こちらで観られます
この絵は彫刻作品の並んだ部屋にありました。踊り子達が練習している様子が描かれた作品で、軽やかな色彩で気取っていない踊り子達を瑞瑞しく描いています。何故か右半分に人が密集し、左半分は誰もいないという配置が面白いです。また、背景の鏡のせいもあってか部屋が広々としているような感じも受けました。


ということで、非常に満足な展覧会でした。もうすぐ会期が終了してしまいますが、絵画ファンなら見逃したくない内容だと思います。(これだけの規模のドガ展は約20年ぶりらしいです) まだ残り1週間ちょっとありますので、気になる方は是非足を運んで見てください。
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