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なぜ、これが傑作なの? 【ブリヂストン美術館】

ここ数日、新橋~銀座~京橋の美術めぐりをご紹介していましたが、とりあえず今日で一区切りです。前回ご紹介したINAXギャラリーを観た後、ブリヂストン美術館にハシゴして「コレクション展示:なぜ、これが傑作なの?」を観てきました。

IMAG0056.jpg IMAG0058.jpg

【展覧名】
 コレクション展示:なぜ、これが傑作なの?

【公式サイト】
 http://www.bridgestone-museum.gr.jp/exhibit/index.php?id=82

【会場】ブリヂストン美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅
【会期】2011年1月4日(火)~2011年4月16日(土)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日18時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
夕方にいったこともあり、空いていて自分のペースで観ることが出来ました。

今回の展示は「コレクション展示:なぜ、これが傑作なの?」というタイトルがついていて、内容としてはブリヂストン美術館の常設作品12点について詳しく紹介するものとなっています。しかし、それも含めて基本的にはいつも展示されている作品が中心の構成となっていました。
12作品はこちら

12作品には今までご紹介したものも多いので、あえてこの記事ではご紹介せずに、今回は以前ご紹介したコレクション展示の記事と同様に、常設の中で「最近入れ替わって展示されたと思われる作品」をいくつかご紹介しようと思います。あまり解説なども読んでいなかったので、個人的な感覚で適当な感想になりますw 私独自の基準ですみません。 ★マークをつけた作品は公式サイトで「展示作品」のところから観られます。★マークを押すと公式のTOPにリンクしています(各作品説明に直リンクできないので…))
 参考リンク:
  印象派はお好きですか? (ブリヂストン美術館)
  美の饗宴・東西の巨匠たち (ブリヂストン美術館)

カミーユ・コロー 「ヴィル・ダヴレー」
手前に大きな木が描かれ、背景には湾曲する川が見える風景です。そこで屈んでいる女性は洗濯でもしているのかな? コローらしい柔らかい空気感のある作品でしたが、少し暗いように思いました。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「青帽子の女」
ひじをかけて、頭の周りには花束のある青い帽子に青い服の女性を描いた作品です。ルノワール独特のバラ色の明るい色彩を感じました。特別に好みというほどでもありませんが良い作品かと思います。

ピエール=オーギュスト・ルノワール 「水浴の女」 
半分背中を向けて座る裸婦を描いた作品です。ルノワールの水浴作品にしてはすらっとしているかもw ぼんやりしていそうで意外と輪郭がしっかりしているように思いました。

アドルフ・モンティセリ 「庭園の貴婦人」 
厚塗りして描かれた作品で、全体的に黒っぽい印象を受けます。どうやら4人の貴婦人が集まっているようですが、抽象画のように分かりづらくグニャっとしているように思います。中央付近の厚塗りは実際見ると力強さを感じました。

ピエール・ボナール 「桃」 
テーブルの上に載った桃の静物画です。桃の皿はやけに上のほうに描かれているような…。また、テーブルクロスは装飾的な模様で、桃と響き合っているように思いました。

アンリ・マティス 「ルー川のほとり」
川というか池のような水辺の畔を描いた作品です。何てことない風景のようにも思えましたが、単純化された感じが面白かったです。色もマティスにしては控えめで、ニースの時代に描かれたものと解説されていました。

アンリ・マティス 「オダリスク」
赤い壁と緑の壁に分かれた部屋に置かれたソファに座る女性像です。頭の上で腕を組み服を着ているのですが、胸前あたりは肌が出ています。全体的に色自体はそんなに強いわけではないように思いますが、赤と緑の補色関係が目に鮮やかに写りました。対角線上に伸びる身体は優美で、華やかな印象を強めているように思いました。

ラウル・デュフィ 「ポワレの服を着たモデルたち、1923年の競馬場」
透明感のある明るい緑を背景に、横に並ぶ6人の女性モデルたちが描かれています。気取ったポーズをとる女性達は流れるような筆でかかれ、非常に爽やかかつ音楽的な楽しさを感じます。背景には馬やシルクハットの描かれて競馬場での風景かな。華やかな社交界を思わせる作品でした。

この辺はピカソや抽象画のコーナーもあるのですが、抽象画は以前と変わっているかよく分からないですw

ジャクソン・ポロック 「Number 2, 1951」 
これは今回の12作品の1つで、黒地に白のアーモンド型の模様がいくつも描かれている抽象画です。非具象の人達からは具象的に見えるそうで、具象に後退していると物議をかもした作品とのことですが、私には抽象そのものに見えました…w 解説によると具象と抽象の間の葛藤が込められているようでした。

小出楢重 「横たわる裸身」 
背を向けて横になっている裸婦を描いた作品です。体が細い割にはお尻がやけに大きくてちょっとアンバランスな気もしますw 率直に感じるまま描いたのかな? 背景には赤い文様のカーテン?ようなものがあるのですが、斜めに差し込む光と影のせいか、全体的に静かな雰囲気となっていました。

中村彝 「自画像」 
黒い帽子に黒い服の自画像です。体の下のほうは背景に溶け込んでしまっていますが、画家の顔は非常に強い印象を受けました。こちらを見て少し口を開け、眉をひそめているような表情は何かを訴えているような…。 少し嫌そうな顔ではありますがw

国吉康雄 「横たわる女」 
赤いベッド?の上に横になっている女性を描いた作品です、下半身は裸で、頭に両手をあてて髪を直しているように見えました。目を閉じて、少し寂しげな表情をしているように思いました。

牛島憲之 「タンクの道」
大小の白い円筒がいくつも並んだような風景画?です。黒い木のようなものがぽつんと描かれているのが、返って寂しいような超現実的な雰囲気を出していました。滑らかで幾何学的な要素もある作品でした。


ということで、ブリヂストン美術館の所蔵作品にはいつも感心するばかりです。いつも展示されている作品が中心とは言え、これだけの内容は都内でも珍しいと思います。 滅多に行く機会が無い 人や、まだ行ったことが無い方には逆にブリヂストン美術館の粋を観るチャンスとも言えますので、気になる方はチェックしてみてください。

おまけ:
表通りでは漫画のカレンダー展をやっていました。藤子不二雄Aの作品とかもあって、ブリヂストンの製品と関係があるようでした。
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Comment
No title
こんにちは。
おっ、デュフィのポワレありますか。
うれしいですね。
久しぶりに観れます。
ここに初めて行ったときに気に入って、それ以来です。
デュフィが好きになったきっかけの絵ですから。

話は変わりますが、目黒区美で松岡映丘やるようです、秋かな。
また、Bunkamuraでフェルメールを2度観られそうです。
来年度の情報が続々明らかになってきますね。

では、また。
Re: No title
>ベンゼンさん
コメントありがとうございます^^
私もデュフィが大好きなのですが、この絵も良い絵ですね。あの色合いは見ていて楽しいです。

>目黒区美で松岡映丘 Bunkamuraでフェルメールを2度観られそうです
情報ありがとうございます! bunkamuraは凄いことになっていますね。都美の改修後には「真珠の耳飾りの少女」もきますし、しばらくフェルメール旋風がおきそうな予感です。
http://www.bunkamura.co.jp/museum/lineup/index.html
申し訳ない
先の情報の訂正です。
映丘は練馬区でした。
お詫びして訂正します。

明日、畠山、出光と琳派のはしごをする予定です。
では、また。
Re: 申し訳ない
>ベンゼンさん
ご丁寧に訂正頂きありがとうございます。
練馬だとちょっと行くのが大変だな~なんて思ったり。

>畠山、出光と琳派のはしご
ちょうど今日(2/3)の記事で畠山の記事をアップしますので、そちらもご参考にしていただければ幸いです。
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