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流旅転生 鈴木藏の志野 【智美術館】

前回ご紹介した智美術館内のお店でお茶をした後、智美術館の「流旅転生 鈴木藏の志野」を観てきました。

P1170506.jpg P1170505.jpg

【展覧名】
 流旅転生 鈴木藏の志野

【公式サイト】
 http://www.musee-tomo.or.jp/exhibition.html

【会場】菊池寛実記念 智美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】神谷町/六本木一丁目/溜池山王/虎ノ門


【会期】2010年11月20日(土)~2011年3月21日(月・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間50分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
私が展覧会を観始める頃、ちょうど鈴木藏氏本人の講演会が終わったようで、館内は結構混んでいました(しかし、帰り際には空いてきたので、普段はそんなに混んでいないと思います)

さて、今回の展示は鈴木藏 氏の個展となっておりますが、この方は50年以上も志野焼を中心に活動し、1994年に人間国宝となった陶芸家です。あまり詳しいことは展覧会では分からなかったのですが、タイトルになっている「流旅転生」というシリーズをはじめ様々な志野焼が並んでいて、伝統と現代的な感性を感じる内容となっていました。いくつか気に入った作品をメモしてきたので、それを通して展覧会の様子をご紹介しようと思います。なお、似た名前の作品が多いので、作品番号も記載しておこうと思います。
 参考リンク:
  志野のwikipedia
  鈴木藏のwikipedia

まずは「流旅転生」シリーズの並んだコーナーでした。これは志野で作られた会席用のセットで、絵巻風に深山の清水が川となって大海に注ぎ、やがては天に昇って雨となるという様子を表現しています。突出、酒器、刺身、焼物、揚物、煮物、ご飯に汁物、水菓子、甘味、お茶、抹茶碗などのための器が並んでいました。料理が進むと場面も進んでいきます。

62,4 鈴木藏 「志埜土瓶 流旅転生ノ内」「志埜湯呑 流旅転生ノ内」
朱色っぽい六角形の土瓶と、六角形の湯呑のセットです。表面にはぽつぽつと穴が空いていて、いかにも志野という感じですが、色が深く力強い印象を受けました。

32 鈴木藏 「織部大皿 うづしお」
今回の展示で数少ない織部焼きの大皿です。緑がかった色をしていて、ダイナミックな渦を巻いた表面をしています。その色の濃淡も含めて見事に渦潮の荒々しい様子を見てとることができました。

2 鈴木藏 「志埜花器 流旅転生ノ内」
への字型が3つ合わさったような変わった形の大きな花器です。上のほうは朱色で、中ほどは黒っぽく、下の方は白っぽい色をしています。その形と幾何学性も感じる模様が面白く、志野でこんなに大きなものを焼いているのかと驚きがありました。 この辺にはこうした花器が3つ並んでいます。

11 鈴木藏 「志埜向付 流旅転生ノ内 刺身皿」 ★こちらで観られます
山の形をした5つセットの刺身皿です。山の上のほうは赤く、下の方は白くなっていて、中ほどには松なども描かれています。見ているうちに白い部分は雪景色のように見えてきました。 解説によると鈴木氏はしばしば志野を水墨に例えているそうで、確かにこの作品などは水墨の趣がありました。
近くには丸皿や長皿のセットもあります。

20 鈴木藏 「志埜大皿 流旅転生ノ内 果物大皿」
大きな四角い皿で、河口付近で川が集まって、海とであって渦を巻く様子が表現されています。薄い青やピンクの渦となっていて、絵柄だけでなく実際に凹凸があり、形も大胆に湾曲していて迫力がありました。

23,24 鈴木藏 「志埜土瓶 流旅転生ノ内」「志埜湯呑 流旅転生ノ内」
6角形の土瓶と湯呑です。冒頭でご紹介したセットに比べると色が違い、白っぽく薄っすらとピンクがかった繊細な色をしていました。こちらは静かで温かみを感じました。

2部屋目付近からは「流旅転生」というタイトルではない作品も展示されていました。

31 鈴木藏 「志埜大皿」
四角い大皿です。先ほどの渦の大皿に似た形をしていますが、こちらは川が蛇行するような模様と凹凸がついていて、ちょっと黒味を帯びたような赤が印象的でした。表現するものによって色も合わせているのが面白いです。

39 鈴木藏 「志埜大皿」
中央がくぼんでいて、縦にギザギザと凹凸のついた大皿です。(というか洗濯板みたいなw) ヒダが深くて荒々しい感じもしますが、志野らしい優雅な色合いでした。何故か1/4くらいは黒っぽくなっていたのは何かを表現したものだったのかな??

56 鈴木藏 「志埜茶碗」
薄いピンク色の茶碗です。滑らかでつるっとした感じを受けて、今までの作品と違った印象に思いました。いびつな形も含めて艶かしいです。
この辺にはこうした志野の茶碗が数点展示されていました。

42 鈴木藏 「志埜花生」
全体が朱色に塗られた大きな花生です。色の持つパワーと形から、生命力を感じました。これだけ強い花生にはどんな花が合うんだろう。

3部屋目は2つの花器がありました。

45 鈴木藏 「志埜花器」
巨大な花器です。山の形をしていて上の方は黒く、中ほどは朱色、下の方は白っぽい色をしています。非常に大胆で、その大きさからも山を連想させました。

出入口付近では再び流旅転生のシリーズが並んでいました。

10 鈴木藏 「志埜箸置 流旅転生ノ内」
鯉が身を捻るようなポーズをしている箸置です。朱色がちょうど魚の模様のようで、優雅な雰囲気がありました。可愛らしいです。

7,8 鈴木藏 「志埜徳利 流旅転生ノ内」
2つの徳利です。朱色をしていて素朴な感じを受けます。朱の地に白が滴るように色づけされている部分があり、これは岩場から清水が滲み出ている様子を思わせるとのことでした。(確かにそう見える。) 恐らくこれは流旅転生の最初のほうの場面だと思います。

9 鈴木藏 「志埜ぐい呑 流旅転生ノ内」
5つのピンク色のぐい呑です。淡い色合いが可憐で、形もすっきりした感じでした。解説によると、残雪に咲く早春の花をイメージしているようでした。


ということで、予想以上に楽しめる展示でした。伝統的な志野がこんなにも多彩で現代的だとは驚きでした。色彩や形も面白くて陶器が好きな人には特に面白い展示じゃないかな?? 私的には当たりだと思います。

これにて六本木一丁目からスタートした美術館めぐりもひとまず終了です。次来るのは夏くらいだろうな…。
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