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生誕250年 酒井抱一 -琳派の華- 2回目【畠山記念館】

この前の日曜日に、白金台近くの畠山記念館で「生誕250年 酒井抱一 -琳派の華-」を再び観てきました。以前ご紹介したのは前期展示で、今回は後期展示となります。

 参考記事:生誕250年 酒井抱一 -琳派の華- (畠山記念館)

P1170645.jpg P1170650.jpg

【展覧名】
 生誕250年 酒井抱一 -琳派の華-

【公式サイト】
 http://www.ebara.co.jp/csr/hatakeyama/display/2010/winter.html

【会場】畠山記念館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】高輪台駅、白金台駅、五反田駅、目黒駅など


【会期】2011年1月22日(土)~3月21日(月・祝)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日14時頃です)】
 混雑_1_2_3_④_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
前期の時よりお客さんが多いようでしたが、それでも混んでいるという程でもなく自分のペースで鑑賞することができました。

内容についてですが、以前のご紹介したのと同様に充実度を③にしたのは全体の作品点数が少ないためです。今回は書画の展示は前期とほぼ入れ替わっているようで、小展とは言え見応えがあります。後期も抱一だけでなく宗達、光琳、其一などの作品があり、琳派展と言ったほうが合っているかも。詳しくは気に入った作品を通じてご紹介しようと思います。
 参考リンク:この展示の出品リスト(pdf)

尾形光琳 「布袋図」
水墨の掛け軸です。右手で杖を突いて、左手で大きな袋を担ぐ布袋様が描かれています。非常に伸びやかで簡潔な線を使って描かれていて、表情はにこやかで親しみが沸きました。シンプルにすらっと描くというのが一番難しそう…。軽やかな筆さばきに感心する作品でした。

酒井抱一 「風神雷神図」 ★こちらで観られます(pdf)
言わずと知れた風神雷神図を2幅セットの掛け軸にした作品です。右幅には絵の下部にうえを見上げるような風神、左幅には上部に下を見下ろすような雷神が描かれています。互いに目を合わせるような間隔で展示されていました。つい先日に出光美術館で観た酒井抱一「風神雷神図屏風」ではお互いに視線を合わせていなかったので、同じ抱一の風神雷神でも趣向が色々違っているように思います。手本にした光琳の風神雷神図屏風と比べても題材以外はオリジナルな所が多いです。 見ていると、右隻は上から下に向かう風、左隻は下から上に吹き上がる風が吹いているように感じられるのも面白かったです。こういうのは掛け軸ならではの楽しみかな。
 参考記事:
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第1部 煌めく金の世界 (出光美術館)
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第2部 転生する美の世界 (出光美術館)
  本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)

この近くには乾山の画などもありました。

鈴木其一 「向日葵図」
直立して真正面を向いた大輪のヒマワリです。葉っぱもリズミカルで、ちょっとうそ臭いくらい整然としています。葉っぱには垂らしこみの技法が使われ、花の色は少し薄いですが生命力を感じました。

尾形光琳 「紅葵花蒔絵硯箱」
螺鈿を使った蒔絵の硯箱です。草花が単純化された意匠で、花の部分が螺鈿になっています。ちょっと黒ずんでいるところがあるのは元々なのか黒くなったのか分かりませんが、全体的に格調を感じる作品でした。

酒井抱一 「月波草花図」 ★こちらで観られます(pdf)
3幅対の掛け軸で、右から「野原蟷螂図」 「波上明月図」 「水草蜻蛉図」となっています。まず野原蟷螂図は桔梗とススキ、その上に乗ったカマキリが描かれています。秋の風情が出てるかな。 真ん中の 「波上明月図」には激しくうねる波と、その上に浮かぶ大きな月が描かれ、静と動が同居しているようでした。「水草蜻蛉図」は杜若とその上に止まるトンボが描かれ、色合いと軽やかな葉っぱが優美な雰囲気でした。1幅ずつでも素晴らしいと思いますが、3幅並んでいると壮観です。

酒井抱一 「十二ヶ月花鳥図」 ★こちらで観られます(pdf)
前期は1~6月の図が並んでいましたが、後期は7~12月の6図が並んでいました。いずれもその月を連想する花鳥が描かれていて、特に気に入ったのは11月の「芦に鴛鴦」でした。 緩やかな曲線を描く芦の下、2羽のオシドリが寄り添っていて、周りには雪を思われる白が舞っています。水面は穏やかで寒さと静けさを感じさせました。

この辺りには乾山の器・皿なども並んでいます。

酒井抱一 「立雛図」
両手を広げた男雛とそれに寄り添うような女雛を描いた掛け軸です。どちらも赤の模様と緑の松の柄の着物を着ています。上部には窓のように山々の風景が描かれていて、和歌が詠まれていました。色鮮やかでモチーフも面白いし、この時期にぴったりかな。隣には雛人形も飾ってありました。

本阿弥光悦・俵屋宗達 「金銀泥薄下絵古今集和歌巻」
細く軽やかな金銀のススキと、そこに描かれた光悦の書です。似たような作品は何度か見ていますが、こちらは意外と簡素で下絵のようでした。


ということで、今回もだいぶ楽しんできました。今年は琳派の展示が多くて本当に嬉しいです。4月中旬からは根津美術館で「KORIN展 国宝 燕子花図 とメトロポリタン美術館所蔵 八橋図」も始まりますので、今年の前半は琳派を大いに楽しめるかと思います。琳派好きの方はこの展示も見ておいて損はないと思います。
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Comment
No title
初めまして。
琳派の華について、拝見しました。
私も抱一と基一が大好きです。
「十二ヶ月花鳥図」は実物を見たとき魅せられました。

美術館のガイダンスとしてもとても参考になります。
ありがとうございました。

Re: No title
>白秋マダムさん
初めまして、コメントありがとうございます^^
抱一と其一の師弟コンビは良い絵を描きますよね~。
この展示と出光の展示の両方で楽しめることが出来て、眼福極まりと言った感じです。
今年はまだ琳派の展示が続くので、琳派好きとしては嬉しい悲鳴です。

今後もぼちぼちやっていこうと思いますので、また遊びにきていただければと思います^^
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