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第5回shiseido art egg 川辺ナホ展 【資生堂ギャラリー】

先週の日曜日に、資生堂ギャラリーで最終日となった「第5回shiseido art egg 川辺ナホ展」を観てきました。この展示は既に終わってしまいましたが面白い展示でしたので、ご紹介しておこう思います。なお、資生堂ギャラリーは地震後の3月12日~22日までは休館していたようで、こちらの展示の会期は非常に短いものとなってしまったようです。

P1180055.jpg P1180053.jpg


【展覧名】
 第5回shiseido art egg 川辺ナホ展

【公式サイト】
 http://www.shiseido.co.jp/gallery/exhibition/past/past2011_01.html

【会場】資生堂ギャラリー  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】銀座駅 新橋駅など


【会期】2011年3月4日(金)~27日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
会場は空いていて、自分のペースでゆっくり観ることが出来ました。
この展覧会は以前ご紹介した「第5回shiseido art egg」の3人目の展示です。(2人目の今村遼佑 氏の展示は観そびれてしまいました)
 参考記事:第5回shiseido art egg 藤本涼展 (資生堂ギャラリー)
今回は川辺ナホ 氏という1999年に武蔵野美術大学を卒業した若手の作家を取り上げていました。川辺ナホ 氏は人間の「見る」という行為をテーマにしているらしく、「視覚はとても騙されやすく、わたしたちは大抵自身の記憶を参照しながら物事を主観的に見ている」と言っているそうです。この言葉の意味は最初はよく分かりませんでしたが、作品を観た後はなるほど!と目が覚めるような感じになりました。 作品は4点しかなかったので、すべてご紹介しようと思います。


川辺ナホ 「調和的だけど不公平 #2」 ★こちらで観られます
手前に糸で釣り下がった球体が沢山並んでいて、一見何かわかりませんが、後ろに設置された映写機の光を通すと壁にHELP!と影になっているように見える作品です。この作品について、今回の地震の件を案ずるメッセージと共に本人の解説の紙があり、このHELPには「家」や日常生活の中から発せられる小さな救難信号の積み重ねという意味もあるようでした。 バラバラに見えていたものが影で文字になっているという発想が面白かったです。

川辺ナホ 「静止したふり」
左右に首を振るプロジェクタを使った作品で、スポットライトに照らされるように中には回るコマのようなものが映されていました。プロジェクターが動いているにも関わらず、コマの位置は同じところに映し出されるので、映像自体も同じスピードで左右に動かされているようでした。「静止したふり」というのは映像とプロジェクトの両方が動いているのに止って見えるということかな。これまた面白い発想の作品でした。

川辺ナホ 「どうしてぼくはこんなところに」
高い塔の上に置かれたアフリカ風の人形の作品です。円形のスポットライトに照らされて後ろに影が出来ています。…と、思ったらこの影はフェイクのようです。 影では人形の腰布が揺れているのに対して、実物は揺れていないので、恐らく影は映像です。(本物の影もあるのでややこしいw) しばらく観ていたら分かりましたが、静止してたら気づくこともなかったかも。 これが記憶を参照に観ているということかな? 一杯食わされましたw

川辺ナホ 「封印した!」 ★こちらで観られます
ライトに照らされた床に描かれた、花模様のレースの絵です。近くに行けば絵と分かりますが、これもシチュエーションによっては影と間違えるかも? 題名は影を閉じ込めたということかな? これも光と影が逆転したようで楽しい作品でした。


ということで、普段、目で観た物事は一番信じてしまいますが、この展示で提唱している騙されやすさや主観で観ているというのを経験することができて、非常に面白かったです。まだまだこれから活躍される方だと思いますので、今後の作品にも期待してしまいます。途中、地震で休館状態が続いたために見られる日数が少なかったのが残念でなりませんが、またこういう機会があったら是非足を運びたい作家さんでした。
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