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【世田谷美術館】の常設 (2011年04月)

前回ご紹介した世田谷美術館の「白洲正子 神と仏、自然への祈り」を観た後、常設展も観てきました。2011年4月7日時点では常設は2部構成となっていて、第1部は「保田春彦―デッサンによる人間探求 ミュージアム コレクションⅢ」展、第2部は「北大路魯山人-季節の器と志野」展となっていました。いずれもすでに終わってしまいましたが、どんな展示だったかご紹介しておこうと思います。

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【展覧名】
 保田春彦―デッサンによる人間探求 ミュージアム コレクションⅢ

【公式サイト】
 http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection.html
 http://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/collection_list.html

【会場】世田谷美術館 2階展示室  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】用賀駅
【会期】2011年1月20日~4月10日
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(平日16時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
特別展は混んでいましたが、常設は空いていてゆっくり観ることができました。
冒頭に書いた通り、2部構成となっていて、それぞれのテーマに沿った展示となっていたのですが、タイトルの通りデッサンが多いので、個々の展示品のメモは取りませんでした。なので、それぞれのコーナーごとに雰囲気だけご紹介しようと思います。

<第1部 保田春彦―デッサンによる人間探求>
まずは保田春彦 氏のデッサンのコーナーです。この方は彫刻家の父を持ち、東京美術学校を卒業した後にパリに留学し、海外でも活躍した彫刻家です。外国人の奥さんも芸術家だったらしく、奥さんを亡くした後にその遺作に触発されて、77歳で1000点のデッサンに挑戦したそうです。途中、体調を崩し闘病生活を送っていたそうですが、現在では2000点ものデッサンを残しているそうで、この展示では2007年以降のデッサンを中心に展示していました。

[第1章 77歳からの挑戦]
ここには裸婦のデッサンが並んでいました。紙にインクでさらっと描いたような感じで、どこか彫刻的な雰囲気がある作品が多かったように思います。

[第2章 若き日の試みと展開]
こちらは紙にコンテで描いたデッサンが並んでいました。1章の作品と比べると輪郭が太くて力強い雰囲気があるかな。黒、茶色、赤茶など色分けされている作品もありました。

[第3章 闘病デッサン]
こちらにはリハビリ中の患者や医者などを描いた作品のコーナーとなっていました。漫画のようなちょっと可笑しさもある画風で、落書きかメモのような言葉も書き込まれています。闘病と言っても悲壮感は無く、どちらかと言うとシニカルな雰囲気が漂う作品郡でした。

この後にまた裸婦のデッサンがありました。こちらはより肉感的に描かれていたように思います。また、現代的で幾何学的な要素のあるポスターも並び、日仏会館のポスターなどが展示されていました。

[第4章 保田春彦と友人たち]
1部の最後は保田春彦 氏の友人の芸術家のコーナーとなっていました。まず、以前この美術館で特集されていた建畠覚造のデッサンやマケットという彫刻作品がありました。
 参考記事:世田谷美術館の常設 (2010年08月)
その次に柳原義達という画家の鳩を描いた作品があり、こちらは風化して引っ掻き傷のような表現が独特でした。また、若林奮という人の淡いグレーで描かれた抽象的な作品郡などもありました。

部屋を出て廊下には父と妻の作品などもありました。


<第2部 北大路魯山人-季節の器と志野>
続いての小部屋には北大路魯山人の器が展示されていました。大きな鉢に彩色された作品が並び、椿や楓などが描かれて華やかなのに落ち着いた雰囲気がありました。また、志野茶碗もあり、こちらも志野のしっとりした感じと力強さが合わさったような作風に思いました。


ということで、デッサンが中心なので満足度はそこそこでしたが、最近デッサンに興味があるので参考になる展示でした。
なお、世田谷美術館は2011年7月から2012年の3月頃まで本館工事のため休館するようです。どのようにリニューアルされるのか楽しみです。
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