おもちゃ絵の世界 ~見る・作る・遊ぶ・学ぶ~ 【紙の博物館】
前回ご紹介した飛鳥山の桜を一通り観てから、同じ公園内にある紙の博物館で「おもちゃ絵の世界 ~見る・作る・遊ぶ・学ぶ~」を観てきました。

【展覧名】
おもちゃ絵の世界 ~見る・作る・遊ぶ・学ぶ~
【公式サイト】
http://www.papermuseum.jp/exhibit/temporary/2011/0326.html
【会場】紙の博物館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR・東京メトロ 王子駅
【会期】2011年03月26日(土)~2011年05月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
桜が満開の日曜日の午後に行ったので、恐らく年間で一番混む頃に行ったかもしれませんw あちこちに子連れのお客さんがいて結構な賑わいをみせていました。
飛鳥山のある王子は明治時代に抄紙会社(後の王子製紙王子工場)が作られた土地であり、洋紙発祥の地となっています。この博物館には紙と人の営みに関する様々な展示を行っていて、特別展を含め大きく分けて4つのコーナーとなっていました。特別展以外は写真を撮ることもできましたので、一部は写真を使ってご紹介しようと思います。
<第1展示室 現代の製紙産業>
まず最初は現代の製紙について工程などを学べるコーナーです。
こんな感じで製紙のための機器などもならんでいます。

模型などでどういう風に紙が作られているのかがよく分かります。

ダンボールから高級紙、トイレットペーパー、紙パックなど身の回りの紙についての説明もあり、よく考えると生活の中には紙だらけなことに気がつきます。先日の震災後にも軽くトイレットペーパーが無くなって、紙のありがたみを実感したばかりですね…。
<第2展示室 紙の教室>
続いて1フロア上の階は吹き抜けになっているので、その周りの廊下のようなところだけの展示となっています。ここにはパソコンを使った紙に関するクイズやリサイクルについての説明、来場者の質問と回答など、子供向けのコンテンツが多目となっています。
<おもちゃ絵の世界 ~見る・作る・遊ぶ・学ぶ~>
さらに上の階に移動すると、今回の特別展です。最初に錦絵に関する説明と、同じ作品を数枚使った錦絵の製作工程が展示されていました。錦絵の製作工程も参考になるのですが、それ以上に面白かったのが浮世絵に用いる紙質に関する展示で、錦絵に用いられる用紙は
・度重なる刷りに耐えられる強さ
・ふんわり柔らかで絵の具の吸収が良い
・表面が平滑
という性質が求められるそうです。錦絵以前の浮世絵では美濃紙が用いられていたそうですが、錦絵は多色刷りなので、より耐久性のある厚手の奉書紙が使われたとのことで、特に奉書紙の9分は政紙(まさし)という伊予国新居群であり、本政西、三国一、天竜堂という銘のものが最良とされたそうです。
実際に8種類の紙で刷られた版画が展示されていて、美濃紙と伊予奉書は似ていて私には違いがイマイチわかりませんでしたw しかし他の紙は黄色がかっていたり質感が違っていて絵の雰囲気も違いました。 先日、レンブラント展でも紙質の違いによって雰囲気が違っていたのを堪能したばかりで、紙の違いに興味がわいていたところなのでこういう内容は面白いです。一口に和紙といっても色々あることがわかりました。
参考記事:
錦絵はいかにつくられたか (国立歴史民俗博物館)
レンブラント 光の探求/闇の誘惑 (国立西洋美術館)
さて、今回の展覧会の趣旨である「おもちゃ絵」というのは浮世絵の1つのジャンルで、子供向けの実用浮世絵版画として観るだけではなく、切る、貼るなどして遊んだり、遊びながら学習するためのものです。江戸時代から明治・大正に多数出版されたものの、消耗品であったために現存しているのは貴重らしく、ここにはうまいこと残った様々なおもちゃ絵が展示されていました。
「人文字絵 [いろは]」
人がポーズをとってひらがなの「いろは」を形作っている様子を描いた絵です。人体で不可能なところは着物や帯などを駆使して表現していました。ちょっと古いですがもじもじ君みたいな感じですw これで文字を覚えたのかな。
歌川芳虎 「変わり絵」
右から、鎧を着た武士、着物を着た人、杖を着く異人 の3つの肖像が描かれていて、その上には、それぞれ7つの顔が描かれています。 ただのり、しんげん、けんしん(武士の顔)、あくま、ひょっとこ、大天狗(着物の顔)、あめりか、いぎりす、おらんだ(異人の顔)というように表情違いで縦並びになっていて、これを折り畳むと顔が変わって見えるという仕掛けです。実際に畳んだものも展示されていて分かりやすかったです。
こうした絵は「変わり絵」や「仕掛絵」と呼ばれていたらしく、芝居の様子を描いた作品などもありました。
歌川国利 「新板 猫の温泉花」
温泉宿(千と千尋の湯屋みたいな)の様子を描いた作品なのですが、お客も店員もみんな擬人化された猫たちですw 着替えたり、打たせ湯したり、リラックスしているようで、西洋パンと書かれた提灯などから時代も感じられます。 そんなに上手いとは思えませんが、可愛らしい濃い色彩の作品でした。
この辺はこうした擬人化した絵がいくつかありました。
歌川芳盛 「風流百眼髪結店」
アイマスクに眉と眼を描いたような作品です。困った顔やにやけた顔など、5つの表情があり、変装グッズみたいな感じです。 これは「目かつら」と呼ばれるもので、「百眼」という寄席芸に使われたそうです。 若干気持ち悪いけど現代でもこんな商品をみたことがありますw
「上下絵」
今回のポスターにもなっている作品です。人というか妖怪のような顔を9つ描いた作品で、上下を逆さにすると別の人?の顔に見えるという騙し絵的なものです。紂王の逆さが関羽だったりするのは凄いのですが、妖怪をひっくり返すと天狗とかは反則な気がw パンフレットにもこれが印刷されているので、それをひっくり返して遊ぶこともできます。
「団扇仕入所 玉の井見世板」
市松模様や人々が描かれた紙で、これを折りたたむと団扇屋の小屋になるという折り紙的な作品です。市松模様の部分は屋根になるなど、絵の配置も凝っています。絵を立体的にするという発想がこの頃からあったのかとちょっと驚きました。。この辺には折るとバッタになる作品もありました。
「新板二枚続 ふき流鯉の両面」
こいのぼりを描いた2枚セットの絵です。この2つを切り抜いて合わせるとこいのぼりが出来るというシンプルな仕掛けです。折るだけではなく切って貼るという作業も出て工作のレベルが徐々にあがってきましたw
こうした作品は「立板古(たてばんこ)」と呼ばれるものらしく、他には「組上燈籠絵」「切組燈籠絵」「組上げ絵」とも呼ばれ、お盆の供養のための燈籠が玩具化したルーツがあるようでした。 中には10枚セットなどの作品もあるそうですが、どこをどう切ったり折ったりするのかあまり書かれていないので組み立てるのは相当に苦労しそうです。
「天拝山組上 三枚続」
これは3枚続きの立板古です。菅原道真の配流を題材にした歌舞伎の一場面を絵?にしたもので、稲光の下、岩山の上で刀を構える人などが描かれていて、これを切ったり組んだりしてジオラマのようにしていました。他にも何点か立板古がありましたが、これは面白いシリーズです。
「新板判じ物 虫」
焚き火におならをかけている人に文字の濁点がついた絵や、戸板に隠れている人など、19種類の謎のシーンが描かれた作品です。実はこれは虫や小動物を表しているナゾナゾみたいな絵で、先ほどの絵は屁+火+濁点で蛇。戸+影でトカゲといった感じになります。この作品の隣には答え合わせのように解説があるので、じっくりとナゾナゾをやってみましたが、これが中々難しいw いくつかのルールがあるらしく、それを覚えるのがコツのようでした。
文字抜き:桜の花の絵で、下のほうが欠けたら「さく」、中ほどが欠けたら「さら」
逆さ読み:家をひっくり返して描くと「えい」
濁音:絵の隣に点々がついているもの。火に濁音で「び」
などです。これを覚えれば判じ絵マスターになれるかも?w 柔らか頭も必要ですね。
橋本周延 「新板かつらつけ」 ★こちらで観られます
市川団十郎などの役者と、たくさんのかつらの絵です。これはかつらの部分を切り取って、役者の絵の上に乗っけて遊ぶものらしく、着せ替え人形みたいだなと思ったら、着せ替え人形の絵もありましたw
「新板お座敷道具づくし」
掛け軸、行灯、座布団、肘掛、衝立などなど様々な座敷道具を描いた作品です。○○づくしというのはそれに関したものをひたすら並べて描くもので、この近くには紙幣づくし、面づくし、忠臣蔵づくし、魚づくし、おもちゃ絵づくし 等もあり、図鑑や百科事典のようでした。これは知育になるのかも。
「お伽昔話つくし図豆本」
縦横3~4cmくらいの豆っこい本のような作品です。縦3枚×横6枚の絵が描かれたシートがあって、それを折って本にするようで、それぞれに様々な御伽噺のシーンが非常に小さく描かれていて、中々の驚きでした。
とりあえず、ここで特別展は終わりで、同じ階の奥は再び常設です。
<第3展示室 紙の歴史>
こちら紙の歴史に関するコーナーで、冒頭には仁和寺の孔雀明王を精巧に複製したものもあります。これだけ観たら本物にしか思えません…。 その後には紙で作った人形や、和紙作りの材料と道具、金唐紙、紙でできた服、日本全国の和紙、紙の歴史などが展示されていました。 いずれも1度は知っておくと面白い内容ばかりです。以前観たけど結構忘れていましたw
と言うことで、予想以上に面白い展示で、様々な仕掛けのある作品を堪能することが出来ました。ここはぐるっとパスでも入れるので非常に得した気分です。小規模な特別展ですが、満足できました。日によっては紙すきの体験もできるようですので、興味がある方は足を運んでみてください。
おまけ:
この博物館の最上階にある休憩室からの景色。目の前に桜が見えました。


【展覧名】
おもちゃ絵の世界 ~見る・作る・遊ぶ・学ぶ~
【公式サイト】
http://www.papermuseum.jp/exhibit/temporary/2011/0326.html
【会場】紙の博物館 ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】JR・東京メトロ 王子駅
【会期】2011年03月26日(土)~2011年05月29日(日)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間00分程度
【混み具合・混雑状況(日曜日13時半頃です)】
混雑_1_2_③_4_5_快適
【作品充実度】
不足_1_2_③_4_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
桜が満開の日曜日の午後に行ったので、恐らく年間で一番混む頃に行ったかもしれませんw あちこちに子連れのお客さんがいて結構な賑わいをみせていました。
飛鳥山のある王子は明治時代に抄紙会社(後の王子製紙王子工場)が作られた土地であり、洋紙発祥の地となっています。この博物館には紙と人の営みに関する様々な展示を行っていて、特別展を含め大きく分けて4つのコーナーとなっていました。特別展以外は写真を撮ることもできましたので、一部は写真を使ってご紹介しようと思います。
<第1展示室 現代の製紙産業>
まず最初は現代の製紙について工程などを学べるコーナーです。
こんな感じで製紙のための機器などもならんでいます。

模型などでどういう風に紙が作られているのかがよく分かります。

ダンボールから高級紙、トイレットペーパー、紙パックなど身の回りの紙についての説明もあり、よく考えると生活の中には紙だらけなことに気がつきます。先日の震災後にも軽くトイレットペーパーが無くなって、紙のありがたみを実感したばかりですね…。
<第2展示室 紙の教室>
続いて1フロア上の階は吹き抜けになっているので、その周りの廊下のようなところだけの展示となっています。ここにはパソコンを使った紙に関するクイズやリサイクルについての説明、来場者の質問と回答など、子供向けのコンテンツが多目となっています。
<おもちゃ絵の世界 ~見る・作る・遊ぶ・学ぶ~>
さらに上の階に移動すると、今回の特別展です。最初に錦絵に関する説明と、同じ作品を数枚使った錦絵の製作工程が展示されていました。錦絵の製作工程も参考になるのですが、それ以上に面白かったのが浮世絵に用いる紙質に関する展示で、錦絵に用いられる用紙は
・度重なる刷りに耐えられる強さ
・ふんわり柔らかで絵の具の吸収が良い
・表面が平滑
という性質が求められるそうです。錦絵以前の浮世絵では美濃紙が用いられていたそうですが、錦絵は多色刷りなので、より耐久性のある厚手の奉書紙が使われたとのことで、特に奉書紙の9分は政紙(まさし)という伊予国新居群であり、本政西、三国一、天竜堂という銘のものが最良とされたそうです。
実際に8種類の紙で刷られた版画が展示されていて、美濃紙と伊予奉書は似ていて私には違いがイマイチわかりませんでしたw しかし他の紙は黄色がかっていたり質感が違っていて絵の雰囲気も違いました。 先日、レンブラント展でも紙質の違いによって雰囲気が違っていたのを堪能したばかりで、紙の違いに興味がわいていたところなのでこういう内容は面白いです。一口に和紙といっても色々あることがわかりました。
参考記事:
錦絵はいかにつくられたか (国立歴史民俗博物館)
レンブラント 光の探求/闇の誘惑 (国立西洋美術館)
さて、今回の展覧会の趣旨である「おもちゃ絵」というのは浮世絵の1つのジャンルで、子供向けの実用浮世絵版画として観るだけではなく、切る、貼るなどして遊んだり、遊びながら学習するためのものです。江戸時代から明治・大正に多数出版されたものの、消耗品であったために現存しているのは貴重らしく、ここにはうまいこと残った様々なおもちゃ絵が展示されていました。
「人文字絵 [いろは]」
人がポーズをとってひらがなの「いろは」を形作っている様子を描いた絵です。人体で不可能なところは着物や帯などを駆使して表現していました。ちょっと古いですがもじもじ君みたいな感じですw これで文字を覚えたのかな。
歌川芳虎 「変わり絵」
右から、鎧を着た武士、着物を着た人、杖を着く異人 の3つの肖像が描かれていて、その上には、それぞれ7つの顔が描かれています。 ただのり、しんげん、けんしん(武士の顔)、あくま、ひょっとこ、大天狗(着物の顔)、あめりか、いぎりす、おらんだ(異人の顔)というように表情違いで縦並びになっていて、これを折り畳むと顔が変わって見えるという仕掛けです。実際に畳んだものも展示されていて分かりやすかったです。
こうした絵は「変わり絵」や「仕掛絵」と呼ばれていたらしく、芝居の様子を描いた作品などもありました。
歌川国利 「新板 猫の温泉花」
温泉宿(千と千尋の湯屋みたいな)の様子を描いた作品なのですが、お客も店員もみんな擬人化された猫たちですw 着替えたり、打たせ湯したり、リラックスしているようで、西洋パンと書かれた提灯などから時代も感じられます。 そんなに上手いとは思えませんが、可愛らしい濃い色彩の作品でした。
この辺はこうした擬人化した絵がいくつかありました。
歌川芳盛 「風流百眼髪結店」
アイマスクに眉と眼を描いたような作品です。困った顔やにやけた顔など、5つの表情があり、変装グッズみたいな感じです。 これは「目かつら」と呼ばれるもので、「百眼」という寄席芸に使われたそうです。 若干気持ち悪いけど現代でもこんな商品をみたことがありますw
「上下絵」
今回のポスターにもなっている作品です。人というか妖怪のような顔を9つ描いた作品で、上下を逆さにすると別の人?の顔に見えるという騙し絵的なものです。紂王の逆さが関羽だったりするのは凄いのですが、妖怪をひっくり返すと天狗とかは反則な気がw パンフレットにもこれが印刷されているので、それをひっくり返して遊ぶこともできます。
「団扇仕入所 玉の井見世板」
市松模様や人々が描かれた紙で、これを折りたたむと団扇屋の小屋になるという折り紙的な作品です。市松模様の部分は屋根になるなど、絵の配置も凝っています。絵を立体的にするという発想がこの頃からあったのかとちょっと驚きました。。この辺には折るとバッタになる作品もありました。
「新板二枚続 ふき流鯉の両面」
こいのぼりを描いた2枚セットの絵です。この2つを切り抜いて合わせるとこいのぼりが出来るというシンプルな仕掛けです。折るだけではなく切って貼るという作業も出て工作のレベルが徐々にあがってきましたw
こうした作品は「立板古(たてばんこ)」と呼ばれるものらしく、他には「組上燈籠絵」「切組燈籠絵」「組上げ絵」とも呼ばれ、お盆の供養のための燈籠が玩具化したルーツがあるようでした。 中には10枚セットなどの作品もあるそうですが、どこをどう切ったり折ったりするのかあまり書かれていないので組み立てるのは相当に苦労しそうです。
「天拝山組上 三枚続」
これは3枚続きの立板古です。菅原道真の配流を題材にした歌舞伎の一場面を絵?にしたもので、稲光の下、岩山の上で刀を構える人などが描かれていて、これを切ったり組んだりしてジオラマのようにしていました。他にも何点か立板古がありましたが、これは面白いシリーズです。
「新板判じ物 虫」
焚き火におならをかけている人に文字の濁点がついた絵や、戸板に隠れている人など、19種類の謎のシーンが描かれた作品です。実はこれは虫や小動物を表しているナゾナゾみたいな絵で、先ほどの絵は屁+火+濁点で蛇。戸+影でトカゲといった感じになります。この作品の隣には答え合わせのように解説があるので、じっくりとナゾナゾをやってみましたが、これが中々難しいw いくつかのルールがあるらしく、それを覚えるのがコツのようでした。
文字抜き:桜の花の絵で、下のほうが欠けたら「さく」、中ほどが欠けたら「さら」
逆さ読み:家をひっくり返して描くと「えい」
濁音:絵の隣に点々がついているもの。火に濁音で「び」
などです。これを覚えれば判じ絵マスターになれるかも?w 柔らか頭も必要ですね。
橋本周延 「新板かつらつけ」 ★こちらで観られます
市川団十郎などの役者と、たくさんのかつらの絵です。これはかつらの部分を切り取って、役者の絵の上に乗っけて遊ぶものらしく、着せ替え人形みたいだなと思ったら、着せ替え人形の絵もありましたw
「新板お座敷道具づくし」
掛け軸、行灯、座布団、肘掛、衝立などなど様々な座敷道具を描いた作品です。○○づくしというのはそれに関したものをひたすら並べて描くもので、この近くには紙幣づくし、面づくし、忠臣蔵づくし、魚づくし、おもちゃ絵づくし 等もあり、図鑑や百科事典のようでした。これは知育になるのかも。
「お伽昔話つくし図豆本」
縦横3~4cmくらいの豆っこい本のような作品です。縦3枚×横6枚の絵が描かれたシートがあって、それを折って本にするようで、それぞれに様々な御伽噺のシーンが非常に小さく描かれていて、中々の驚きでした。
とりあえず、ここで特別展は終わりで、同じ階の奥は再び常設です。
<第3展示室 紙の歴史>
こちら紙の歴史に関するコーナーで、冒頭には仁和寺の孔雀明王を精巧に複製したものもあります。これだけ観たら本物にしか思えません…。 その後には紙で作った人形や、和紙作りの材料と道具、金唐紙、紙でできた服、日本全国の和紙、紙の歴史などが展示されていました。 いずれも1度は知っておくと面白い内容ばかりです。以前観たけど結構忘れていましたw
と言うことで、予想以上に面白い展示で、様々な仕掛けのある作品を堪能することが出来ました。ここはぐるっとパスでも入れるので非常に得した気分です。小規模な特別展ですが、満足できました。日によっては紙すきの体験もできるようですので、興味がある方は足を運んでみてください。
おまけ:
この博物館の最上階にある休憩室からの景色。目の前に桜が見えました。

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