関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

国宝 燕子花図屏風 2011 【根津美術館】

前回ご紹介した根津美術館の燕子花(かきつばた)を観た後に、今度は屏風に描かれた燕子花を観に「コレクション展 国宝 燕子花図屏風 2011」を鑑賞してきました。この展示は元々は「KORIN展 国宝『燕子花図』とメトロポリタン美術館所蔵『八橋図』」となっていましたが、メットの作品は震災の影響で来春まで延期され、この展示になりました。

P1180867.jpg

【展覧名】
 コレクション展 国宝 燕子花図屏風 2011

【公式サイト】
 http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

【会場】根津美術館  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】表参道駅


【会期】2011年4月16日(土)~5月15日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 1時間00分程度

【混み具合・混雑状況(GW中の平日14時半頃です)】
 混雑_1_2_③_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_3_④_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
1つの作品に4~5人くらい着くくらいの混み具合でしたが、大きい作品が中心なのであまり気にならないくらいでした。

さて、今回は急遽変更された内容となっていましたが、主役の一翼である尾形光琳の「燕子花図屏風」だけでも充分に華やかな内容となっていました。去年の似たタイトルの展覧会でも観ることができましたが、何度観ても飽きません^^ 特に今年は琳派関連の展覧会が多かった(出光美術館の琳派展では抱一の燕子花の屏風などもありました)ので、改めて観る楽しみがありました。 勿論、それ以外の作品も良かったので、いくつか気に入った作品をご紹介しようと思います。

 参考記事:
  国宝燕子花図屏風 琳派コレクション一挙公開 (根津美術館)

  本館リニューアル記念 特別公開 (東京国立博物館 本館)
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第1部 煌めく金の世界 (出光美術館)
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第2部 転生する美の世界 (出光美術館)
  琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第2部 転生する美の世界 2回目(出光美術館)
  生誕250年 酒井抱一 -琳派の華- (畠山記念館)
  生誕250年 酒井抱一 -琳派の華- 2回目(畠山記念館)


まず、ロビー付近の仏像コーナーはいつもどおりで、若干内容が変わっているくらいじゃないかと思います。特別展は1Fのそれ以外の部屋となっていました。

「扇面歌意画巻」 ★こちらで観られます
巻物に上下2段で扇が描かれ、その周りに詩が詠まれている作品で、扇は全100図にもなるそうです。扇の模様は様々で、富士山、花鳥、八橋と杜若などとなっていました。恐らく伊勢物語の東下りに関するものかな。 大和絵風で金を使っているので、何とも豪奢で優美な雰囲気がありました。初っ端から見応えのある作品です。

「吉野龍田図屏風」 ★こちらで観られます
こちらは以前にご紹介した作品で、6曲1双の屏風です。右隻は桜が描かれ、1つ1つの花びらが盛り上がっていて、画面を埋め尽くすように描かれています。また、所々に金色の短冊飾りが釣り下がっていて、歌が詠まれていました。 左隻はそれと対になるように枝を向き合せた真っ赤な紅葉の木が描かれています。(中には白い葉っぱもありますが) こちらも単純化されていて、短冊が釣り下がっていました。 どちらも華やかで、迫ってくるような臨場感があります。 こちらについては、先日観てきた出光美術館の展示で似たような屏風がありましたが、去年観た展示ではこの2点の関連性を指摘されていました。
 参考記事:
  国宝那智瀧図と自然の造形 (根津美術館)
  花鳥の美 ―珠玉の日本・東洋美術 (出光美術館)
  ユートピア ―描かれし夢と楽園― (出光美術館)

「武蔵野図屏風」
やまと絵風の6曲1双の屏風で、武蔵野の野にススキなどの秋草が生えている様子が描かれています。右隻には真っ赤で大きな太陽?が地平線ギリギリに描かれていて、左隻にもそれと対になるように銀色の月?が描かれていました。(日輪・月輪みたいなものかな??) 画面には人影が無く、立ち込める金雲が神秘的で静かな雰囲気を出していました。

智仁親王 「百人一首帖」
黄緑の色を背景に金・金砂子を使って流水と花を描いた紙に、百人一首が書かれた作品です。紙も文字も非常に流麗で、雅な雰囲気がありました。書は理解するのが難しいジャンルですが、これは観た瞬間に誰しもがすごい!と思う作品だと思います。

本阿弥光悦 「和漢朗詠抄」
巻物で、薄っすらと描かれた秋草を背景に和漢朗詠抄の詩が詠まれた作品です。秋草の曲線が美しいのに加え、強弱をつけられて散らされるように書かれた文字も優美で、これまた感激する書となっていました。光悦の書は何を観ても素晴らしいw

この辺には俵屋宗達の工房作の屏風もあり、こちらも中々の作品でした。

尾形光琳 「燕子花図屏風」 ★こちらで観られます
今回のメイン作品で、6曲1双の金屏風です。伊勢物語を題材にしていて、のびやかかつリズミカルに、単純化された杜若が並ぶ様子が描かれています。右隻は中央より上、左隻は中央より下の方に花が置かれている構図のバランスが良いのかも?? 金色を背景に深い藍色と緑で描かれた色彩感覚も素晴らしいし、文句無く国の至宝と言える作品だと思います。

松村景文 「花鳥図襖」
4面の襖絵で右から順に、ねむの木、百合、葵、秋海棠、桔梗、野菊、水仙など、夏・秋・春の草花が描かれ、所々に雀に姿もあります。金砂子が上部と下部に散らされていますが色が淡く、華麗と言うよりは繊細な印象を受けるかな。品のある雰囲気のある作品でした。

伝 土佐光起 「源氏物語画帖」 ★こちらで観られます
色紙くらいの大きさの画と書が交互に連なった画帖です。金地に白い花を散らした紙の上に、非常に色鮮やかな大和絵風の挿絵が描かれ、細やかで装飾的な雰囲気があります。部屋の中のシーンを描いたものが多く、畳の緑や女性の衣装が明るい印象でした。意外と直線が多く使われて幾何学的な感じもしました。かなり好みです。

この辺は源氏物語関連の作品が並び、6曲1双の屏風が2セットあるなど見栄えも良かったです。

この後、2階の展示品も観てきました。詳しいご紹介は割愛しますが、中国の青銅器のコーナーはいつもどおりでしたが、面白かったのが展示室5の「棚と卓」の展示でした。こちらは蒔絵の棚などが並び、1階の展示に負けないくらい煌びやかな内容となっていました。これは必見です。 最後は茶道具の展示で、こちらは何度か観た品があったかな。


ということで、この美術館のコレクションの質に感服する内容となっていました。もうすぐ今の展示が終わってしまうタイミングでのご紹介となってしまいましたが、庭・カフェ・展覧会のいずれも満足な美術館です。お勧めです。
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