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あるべきようわ 三嶋りつ惠展 【資生堂ギャラリー】

先週の日曜日に、銀座の資生堂ギャラリーで「あるべきようわ 三嶋りつ惠展」を観てきました。

P1190242.jpg

【展覧名】
 あるべきようわ 三嶋りつ惠展

【公式サイト】
 http://www.shiseido.co.jp/gallery/exhibition/index.html

【会場】資生堂ギャラリー  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】銀座駅 新橋駅など


【会期】2011年4月12日(火)~6月19日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況(日曜日16時半頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
いつも通り空いていてゆっくり観ることができました。

今回の展覧会は、三嶋りつ惠という京都生まれでベネチア在住のガラス作家の展示となっています。簡単なプロフィールとしては、1996年よりムラーノ島のガラス工房に通い始め、職人とのコラボレーションにより作品を生みだし、2001年にはジョルジオ・アルマーニ賞を受賞するなど、海外で活躍している方のようです。

まず、地下の展覧会場に向かう途中、踊り場に壺のような作品と、吹き抜けにガラス球が連なった柱のような作品がありました。いずれも透明で、今回の展示品はすべて透明の作品となっています。現在、ベネチアで透明ガラスを主に使うアーティストは三嶋氏だけらしく、その理由は「風景にとけこみ、光を通して輪郭だけを浮かびあがらせることができるから」とのことです。何かの用途に使う感じではなく、ガラスを使った彫刻みたいな印象を受けました。

階段を降りると、部屋の造りが以前と変っていて驚きました。三嶋氏はこのギャラリーの階段から地下の参道を思い浮かべたそうで、神殿をイメージした空間にしてあるようです。(展示設計は建築家の青木淳氏が担当) 長い廊下の奥には3面鏡の中に、皿?を重ねたような作品があり、まるでご神体のような感じでした。

展示室に入ると、中央の台座の上にたくさんのガラス作品が並べてありました。いずれも独創的な形で、円や自然物のような曲線を組み合わせた作品や、塔のような形の作品、引っ掻き傷のような質感の作品、非常に柔らかそうな質感の作品など、作風が一様ではなく自由自在で遊び心を感じる作品ばかりでした。(文章ではとても表現できないものばかりですw 一部はこちらで観られます
展示の仕方や遊び心のある作品から、先日のソットサスの展示を思い出しました。あの時と似た楽しさを感じます。
 参考記事:倉俣史朗とエットレ・ソットサス (21_21 DESIGN SIGHT)

続いて、奥の部屋には小さな作品が並んでいました。ピラミッド型や立方体、多面体サイコロのような形の作品や、柔らかく有機的な雰囲気のある作品、まるっこい作品など可愛らしいものまでありました。
奥のほうには今回の展覧会のタイトルについての説明があり、「あるべきようわ」とは鎌倉時代の明恵上人の座右の銘だったそうで、「あるがまま、あるべきように生きる」という意味だけではなく「あるべきようとは何か?」と問いかけ生きようとするこという意味があるそうです。三嶋氏は日々、形は何処にあるのか?と問いかけているそうなので、その姿勢を表した展覧名となっているようでした。


ということで、短時間で観ることができる展覧会でしたが、内容は濃かったと思います。 無料で観られるのに内装まで変えるとは恐れ入りました。銀座にでかける用事があったら足を運んでみると面白いと思います。
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