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映画パンフレットの世界 【東京国立近代美術館フィルムセンター】

前回ご紹介した三井記念美術館の後、ブリヂストン美術館と東京国立近代美術館フィルムセンターにハシゴしてきました。今日は先に東京国立近代美術館フィルムセンターの「映画パンフレットの世界」をご紹介します。

P1190373.jpg

【展覧名】
 映画パンフレットの世界

【公式サイト】
 http://www.momat.go.jp/FC/PANFURETTO/index.html

【会場】東京国立近代美術館フィルムセンター  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】JR東京駅・銀座線京橋駅・都営浅草線宝町駅など

【会期】2011年5月27日(金)~9月4日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日18時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_④_5_満足

【感想】
閉館時間が近かったためか館内は空いていて、貸切状態でした。人が居ないと自動消灯するので、たまに隣の部屋の電気が切れてたりw

さて、今回は映画パンフレットの展示となっています。ここでは何度かポスター展なども観ていますが、我々とは無縁の昔の外国の映画のポスターだったり、戦前のだったりして、実際に観たことがある映画はほんの僅かしかありませんでした…。 しかし、今度の展覧会は違います! 最近の映画のパンフレットまで揃った内容で、好きな映画もあったりして、映画をまた観たい気分にさせるようなものが並んでいました。詳しくは章ごとに簡単に雰囲気をご紹介しようと思います。


<Ⅰ 映画館プログラムの時代>
最初に常設コーナーがあり、後半が特別展となっています。常設は真面目に観たら結構時間がかかるのですが、私は何度か観ているのでそこは軽く観る程度で、すぐに特別展を観始めました。

1章は映画パンフレットが成立する前の時代(1910年頃)からのコーナーです。その頃は活動写真と呼ばれていて、パンフレットではなく上映作品の情報を簡潔に描いた引札というものがあったそうです。また、劇場では映画の解説やプログラムを渡すようになっていったようで、そのさきがけは1916年の浅草帝国館で始まった第一新聞だそうです。その後、この習慣が広まっていき、映画ファンはこれを収拾するようになっていきました。

ここには名刺よりも小さいサイズのプログラムが展示されていて、役者の名前が書かれているのですが、小さすぎて読めないほどでしたw 裏には時刻表が書かれたものもあって、広告みたいな感じかな。 近くには「第一新聞」も展示されていて、こちらはまさに新聞といった紙面ですが、粗筋などが書かれていてファンには嬉しいものだったろうと推測できます。

やがて各劇場がプログラムを発行するようになると、内容だけではなくデザイン性も競われるようになっていきました。中には竹久夢二らを起用する劇場も現れるなど、モダニズムの象徴となっていったようです。何点かそういう作品も展示されていました。

浅草 富士館「富士週報」(1930-32年)[9点]
いくつかポスター?が並んでいて、三度笠を被った人を単純化して、シルエットをつけたようなデザインや、侍役の頭の写真だけが浮かぶように並んだデザインなど、美術性を感じるものがありました。洒落ています。

松竹系雑誌「スタア」と東宝系雑誌「エスエス」[6点]
松竹と東宝の雑誌です。両方ともカラーで、外国の女優が描かれています。いかにも昭和というちょっと野暮ったい画風なのも味があるかな。この頃からこの2社は競っていたんですねw


<Ⅱ 映画パンフレットの成立>
続いては本題の映画のパンフレットのコーナーです。ここには沢山のパンフレットが並んでいるのですが、パンフレットにはロードショー版と一般公開版があったらしく、ロードショー版は豪華劇場で一足先に観た証明として自慢になったそうです。 今の我々の感覚だとロードショーと一般公開って何が違うの?という感じですが、ロードショーは今で言う先行試写会みたいなものでしょうか。ロードショー版の方が貴重なもののようです。


『ローマの休日』(アメリカ、1953年、日本公開1954年、ウィリアム・ワイラー監督) RS版・一般公開版3種 ★こちらで観られます
言わずと知れたローマの休日のパンフレットです。ロードショー版と一般公開版の3種類が展示されていました。半そでのオードリー・ヘップバーンがこちらをじっと見つめている表紙で、現代でも充分通じるような美しさです。目力がありますね^^

部屋の真ん中には大きな日本地図と、各劇場が発刊したプログラムが並んでいました。全国でこれだけ盛んにでていたのかとちょっと驚き。


<Ⅲ 映画パンフレットの黄金時代>
続いては映画パンフレット全盛のコーナーです。このあたりからテンションが上がる人も多いはず。

『風と共に去りぬ』(アメリカ、1939年、日本公開1952年、ヴィクター・フレミング監督) RS版・1961年リバイバル版[+ポスター]
これも名画ですね。パンフレットと共にポスターも貼ってありました。スカーレットとレットが抱き合うシーンの写真など、観た目も豪華な冊子です。ロードショー版とリバイバル版があって見比べることもできました。

さて、ここには素晴らしいコーナーがありました。何と、カラーコピーでいくつかのパンフレットを読むことができます! 各パンフレットには人物紹介や解説などが書かれていて、映画ファンが知りたいようなこと満載です。冊子自体も豪華で、これはファンなら買ってしまったと思います。 特に私が強烈に惹かれたのは「2001年宇宙の旅」のパンフレット! これはヤバイですw この映画自体が好きということもありますが、パンフレットもそれに見合う出来栄えで、感動すら覚えました。とても40年以上前の映画とは思えません。めちゃくちゃ欲しいです^^;

コピーのコーナーの後にも、往年の名画のパンフレットが怒涛のごとく押し寄せます。サウンドオブミュージック、地獄の黙示録、燃えよドラゴン、ロッキー、スターウォーズなどです。ここにも2001年宇宙の旅のポスターがあったのですが、ホログラムで3Dに見えるものでした。これは3D全盛の今でも通じるのでは??

また、壁一面に007の全パンフレットが展示されている一角もあります。全24作(「慰めの報酬」まで)が並び、結構懐かしい顔もありました。 これはファンが見たら壮観な眺めじゃないかな。

また、日本の映画のコーナーもあり、羅生門、生きる、砂の器といった本格派から、風の谷のナウシカ、男はつらいよ、セーラー服と機関銃、クレヨンしんちゃん 、リング などまでかなりカオスなことになっていますw 名画もあれば流行った映画もありで、観ていて楽しくなってきました。


<Ⅳ 現代のパンフレット>
最後は現代のコーナーです。ここにも御馴染みの面々が並び、ゴーストバスターズ、ダイ・ハード、タイタニック、ハリーポッター、ゲゲゲの鬼太郎などの娯楽映画が並びます。中でもマトリックスの銀板のように輝くパンフレットは見た目からして欲しくなりました。何であの時買っておかなかったんだろうかw
また、ミニシアター系も何点かあって、カラヴァッジオなどもありました。

現代になるとパンフレットは相当に手が込んだものもあって、ブレア・ウィッチ・プロジェクトのパンフレットは8箇所が袋とじになっていてカッターで切らないと読めない(劇場でどうしたんだろw)とか、7インチレコード風でカードを重ねたようなのボーリング・フォー・コロンバインのパンフレット、スーツケース風のかもめ食堂のパンフレットなども並んでいました。


ということで、映画好きなら1つは観たことがある作品のパンフレットがあるのではないだろうか?と思います。国立の美術館でこういう展示をやるというのも面白いです。公式ページに展示作品のリストがあるので、それを見ると自分の好きな作品のパンフレットがあるかわかります。
 参考リンク:映画パンフレットの世界 出品リスト

ここはぐるっとパスの提示で入れるし、ブリヂストン美術館なども近いのでふらっとハシゴしてみるのも面白いかと思います。映画好きなら一度は行っておきたい場所ですので、この期に行ってみるのもお勧めです。映画作品の上映もあるので、時間帯を調べていくとより楽しめます。

それにしても「2001年宇宙の旅」のパンフレットは復刻でも良いから欲しくなってしまったw 即売でもしてくれればいいのにw
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Comment
行きます!
今回のご案内はうれしいものでした。
行きます、行きたい。
この頃は映画館が遠いせいもあり、あまり観にいきませんが、映画は大好きです。
特に昭和30,40年代。
ありがとうございました。
Re: 行きます!
>白秋マダムさん
コメントありがとうございます^^
懐かしい映画のパンフレットとか見てるとまた映画を観たくなってきましたよ
まあ、ほとんどは表紙しか見られないのですが、
コピーを見られるコーナーは嬉しかったです。

ここの常設も参考になりますし、金・土・日は映画もやっているので、それを観るのもいいかもしれません。
七人の侍とか天国と地獄なども始まってるみたいで、私も今週行けばよかったと軽く後悔w
http://www.momat.go.jp/FC/kyobashi-za22/nittei.html
No title
初めましてU・Mと申します

>>2001年宇宙の旅!これはヤバイですW

これは日本初公開版のパンフなのでしょうか?それとも
リバイバル版のパンフなのでしょうか?
自分は両方のパンフを持ってるのですが、初公開版
の方は内容的にちょっとガッカリな物になってます笑
それに対しリバイバル版は、「これぞ名作にふさわしい
パンフ」と言う出来になってますよ!
Re: No title
>U・Mさん
コメント頂きありがとうございます^^
かなり熱心なファンの方とお見受けします!
私もこの作品が好きなので興奮してましたが、そんな違いがあるとは初めて知りました。

3ヶ月前に観たので詳細は忘れてどちらだったかわかりませんが、公式サイトの作品リストには
『2001年宇宙の旅』(イギリス・アメリカ、1968年、日本公開同年、スタンリー・キューブリック監督) RS版・一般公開版・1978年リバイバル版・1995年リバイバル版[+ポスター2種]
http://www.momat.go.jp/FC/PANFURETTO/List.html
とあるので、展示されていたのは両方だったみたいです。
実際にめくってみたのはどっちかはわからないけど、私は感動できました。あれより良いものがあるなら見てみたいです^^
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