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辰野登恵子展 抽象-明日への問いかけ 【資生堂ギャラリー】

前回ご紹介した出光美術館の展示を観た後、銀座~新橋まで歩いて、資生堂ギャラリーで開催中の「辰野登恵子展 抽象-明日への問いかけ」を観てきました。

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【展覧名】
 辰野登恵子展 抽象-明日への問いかけ

【公式サイト】
 http://www.shiseido.co.jp/gallery/exhibition/index.html

【会場】資生堂ギャラリー  ★この美術館の記事  ☆周辺のお店
【最寄】銀座駅 新橋駅など

【会期】2011年8月23日(火)~10月16日(日)
 ※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 0時間15分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日17時頃です)】
 混雑_1_2_3_4_⑤_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_③_4_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_③_4_5_満足

【感想】
いつも通り空いていてじっくり観ることができました。

さて、今回の展示は女性の現代画家 辰野登恵子 氏の個展となっています。私は名前くらいしか知らなかったのですが、辰野登恵子 氏は1995年に東京国立近代美術館で女性初で史上最年少の個展を開催するなど、現在でも日本の現代絵画をリードしている方だそうです。元々はシルクスクリーン版画の技法や油彩画で活動している方のようですが、今回の展覧会に向けてパリの版画工房「IDEM」という工房で1ヶ月に渡ってリトグラフを制作したそうです。この「IDEM」はピカソやマティスのリトグラフを制作したムルロー工房の流れを汲む工房だそうで、現在では希少となった石灰石の版によるリトグラフが制作可能らしいです。今回の展示はそうして作られたリトグラフや新作油彩画など20点程度が並んでいました。

まず最初はリトグラフのコーナーです。作風は抽象画となっています。

辰野登恵子 「AIWIP-3」
黒い四角の枠が並びタイルのような感じの抽象画のリトグラフです。完全に四角ではなく歪んでいたり、黒が飛び散るような部分や真っ白な部分もあり、金網ごしに部屋を見るような感じも受けましたが意味はわかりません。色合いのせいか風格のようなものも感じます。
この辺にはこうした幾何学性のある抽象画が並んでいました。

辰野登恵子 「ばら色の前方 後方」
かなり大きな油彩画です。タイトル通り赤紫のバラ色をしたオブジェが2つ並んでいる作品で、陰影がついていて丸みを感じさせます。実際には何を描いているか分かりませんが柔らかなお尻のようなフォルムとなっていました。周りの黄色が対比となってより一層にバラ色が強く感じられました。

辰野登恵子 「赤の領域 Ⅰ」
こちらも油彩で、赤い枠の中、黄色地にりんごのような形の赤いオブジェが3つ描かれた作品です。抽象画だとは思うのですが、影がつけられていて具象のような感じもします。黄色と緑の混じった地に赤が映える明るい雰囲気の作品でした。

辰野登恵子 「AIWIP-9」
こちらはリトグラフで、深い青色の多角形のオブジェが2つ並んだ作品です。ガラスか氷のようにも見えましたが、表面はざらついたような質感で、青の中に白や紫が混じって陰影を感じました。
この辺は似た作品が何点かありました。幾何学的で抽象のような具象のような不思議な温かみを感じる作品が多いように思います。

辰野登恵子 「前方 後方」
こちらは油彩で、淡く平坦な色面が並んだ背景に、赤いプリン型のオブジェが縦に2つ並んでいる作品です。遠目で人物像のシルエットかと思いましたが、実際には何を描いているかはわかりません。赤が非常に強く感じられ、温かい印象がありました。


ということで、小規模な展示でしたが参考になる内容となっていました。銀座という好立地にある上、無料で観ることができますので気になる方は気軽に寄ってみると良いかと思います。
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