犬塚勉展-純粋なる静寂- 【日本橋タカシマヤ】
今日から本線復帰です。しばらく番外編をやっていたらランキングもアクセスも激減してしまいましたw
日付が変わって昨日となりましたが、シルバーウィークの合間の平日の有給休暇を取って、日本橋タカシマヤの8階で「犬塚勉展-純粋なる静寂-」を観てきました。


【展覧名】
犬塚勉展-純粋なる静寂-
【公式サイト】
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/20110905_125237.html
【会場】日本橋タカシマヤ ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】日本橋駅
【会期】2011/9/7(水)~9/26(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この日は台風が接近していたこともあり、空いていてゆっくり観ることができました。
さて、今回の展示は犬塚勉という現代の洋画家の個展となっています。私はこの画家を全然知らなかったのですが、自然を神秘的に描いた作品のポスターが気になったので観に行きました。
まず簡単な経歴をざっと紹介すると、1949年に川崎で生まれ、6歳からは多摩で育ちました。工科系の学校に入ったようですが、画家を目指して東京学芸大学に進学し、卒業してからは町田の中学で美術教師として働きながら絵を描いていきます。1978年と翌年にスペインに旅行すると西洋とは異なるアイデンティティを自覚し、多摩の風景や夫人(1979年に結婚)を描いていくようになったようです。同じ時期には精神世界を視覚的に表現するのを学ぶため、仏教美術を題材とした作品もあります。1983年には盲腸とA型肝炎によって製作を中断することになりますが、その頃から作風が一転し、自然を写実的に描くようになりました。その後も作風を進化させながら活動を続けますが、1988年に谷川岳へ絵の取材に行った際、遭難して38歳で亡くなりました。没後、2009年にNHKの日曜美術館で紹介されると全国的に有名となり、このたびの展覧会となったようです。
展覧会は2部構成となっていて、110点あまりもの作品が並んでいました。詳しくは気に入った作品と共にご紹介しようと思います。
<第1部 画家としての変遷>
まずは作風の変遷を紹介するコーナーです。
犬塚勉 「自画像」
ちょっと髪の長い青年時代(26歳頃)の自画像です。やや上向きで目だけ横を見ている感じで、暗い背景に襟元の赤が目立っているように見えました。影の濃い印象を受ける作品でした。
犬塚勉 「アーチから出る人」
アーチのある建物と、手前に横断歩道が描かれた作品で、右には歩行者用の信号もあって現代の日本であることがわかります。しかし、アーチの石の質感や、そこから出てくる人のコートなどはいつの時代のどこの国か一瞬迷うような異国風の雰囲気があるように思いました。全体的に青みがかっていて、静かな印象の作品です。
この辺はこうした青っぽい画面の作品が多かったように思います。
犬塚勉 「フラメンコ」
赤いドレスを着た女性が立っている様子を描いた作品です。顔は描かれておらず、具象とも言い切れない感じです。背景は黄色っぽいざらついた壁のような感じで、MENCと文字があるのでフラメンコのことかな?? その色合いが女性の赤を引き立てていました。
この辺は具象のようで抽象的な要素のある作品がならんでいました。また、スペインに関する作品や、人物・馬を描いた作品もあります。
犬塚勉はスペインから帰国すると、日本や東洋に目を向け仏教的なモティーフや多摩の風景を描くようになったようです。また、1980年に北海道で雄大な自然をスケッチしたようで、この頃から登山に目覚め、のめりこんでいきました。1983年頃には実際の風景よりも幻想的な雰囲気が濃くなったらしく、この頃の仏教画も同じ傾向のようです。
犬塚勉 「多摩丘陵」
手前に畑、奥に家々が描かれた作品で、画面のあちこちに雪が舞っています。全体的に青く陰影がつけられていて、夕暮れ時なのかな? 非常に静かな印象です。解説によると、上から筆をおろして偶然に出来た形で雪を表現しているそうです。こうした表現方法はこの後も見受けられます。また、多摩の絵は終業後に描いているので夕暮れ時の絵ばかりとのことでした。
多摩では当初は草木を描いていましたが、次第に気に入った場所を繰り返し描くようになったそうです。そして、単なる写生に疑問を感じて方向性を見出せなくなった頃、アントニ・クラーヴェ(スペインの現代画家)の作品に感動し、大胆に素直に絵を描くことに立ち戻ったようです。
犬塚勉 「夕暮れの坂道」
全体的に青で描かれた作品です。手前には横に走る道と電柱、右の辺りには奥に向かってカーブしている登り坂、背景には木々や山が描かれています。手前の道にはピンクの花を持った女性が歩いていて、何故か懐かしいような風景となっていました。今でも田舎にいけばこういう風景はありそうです。
この辺は青や緑が静かな作品が多いように思います。
犬塚勉 「深き森へ」
青で描かれた森の絵に、左右や下の方に白く塗りつぶした部分がある作品です。塗りつぶしは一直線で、ローラーでも引いたような感じでした。飛沫のようなものも画面に飛び散り、大胆で実験的な雰囲気の作品でした。
その後は仏教画のコーナーとなっていました。1981年頃から仏教彫刻を写し始め、精神性や内面性の視覚化を学んでいたようです。やがてチベット密教やシルクロードにも対象を広げ、蓮や馬もよく描いたとのことでした。
犬塚勉 「観世音」
丸い光背を背負った観音像を描いた作品です。全体的に赤く、風化した質感を感じます。あちこちに赤や黒の斑点があり、絵の具のこぼしやたらしこみによる偶発的な効果を狙っているようでした。
犬塚勉 「自在なるものⅡ」
笛を吹く仏(飛天?)を描いた作品で、緑の地に黒く太い輪郭で描かれています。何となく棟方志功の版画を彷彿とするような…。素朴な力強さと神秘性を感じました。
この辺は抽象的な仏教画もありました。
犬塚勉 「森の赤馬と」
暗い緑と青が交じり合う森の中、赤い馬とそれに連れ添う女性が描かれています。抽象性があり、画面のあちこちに飛沫のような斑点もありました。画材は確認できませんでしたが、色がくっきりしていて馬が赤々として目を引きました。幻想的な雰囲気です。
この辺にはこうした馬を描いた抽象的な作品が並んでいました。
1983~84年にかけて、大塚は盲腸やA型肝炎で1ヶ月ほど入院することになりました。この年のノートには「一度死んだと思うべきだ」とあるそうで、製作できなかった1年を振り返っているようです。そして、これまでの幻想的な作風から一転、「ナチュラリティーとリアリティー」という方向性に向かっていきます。
犬塚勉 「頂B」
これは作風のターニングポイントの頃に描かれた、後の風景画のプロローグと言える作品のようです。山の頂上の2つの岩壁が描かれ、深い青空を背景に質感豊かに表現されています。風格や自然の厳しさを感じさせるようにそびえ立っていて、写実的でありながら自然への畏敬を感じるような作品でした。
<第2部 自然を描く>
体調を崩した後、犬塚は過去の制作を見直し、大量のスケッチなどを処分したそうです。そして、次第に多摩の草木や雑草の細密描写をはじめ、1984年の「ひぐらしの鳴く」で登山や自然への情熱をそのまま描くという画風を確立しました。1984年のノートに、関心があるのが山なので当面は山の絵を仕上げてみるという旨の記載があり、晩年まで山登りと制作が結びついていったようです。
犬塚勉 「ひぐらしの鳴く」 ★こちらで観られます
今回のポスターの作品で、キャンバス2枚を横並びにした大きめのサイズです。草原を目の高さくらいから見た風景で、右のほうに木がある以外は草がびっしりと描かれています。草の葉1本1本まで描かれているせいか、離れて観るとうっそうとした感じがあり、草の生命力を感じます。リアルなのに神秘的な感じすらあるように思いました。
犬塚はこの頃から自然そのままの「密度」に到達することを目指したそうです。写実的な表現のために草1本1本描くような超緻密な描写を行い、この密度の高さによって目に見える自然を再現できるか決まると考えていたようです。ここから先はこうした作品が並びます。
犬塚勉 「梅雨の晴れ間」
まるで写真のような密度の高い作品です。手前にヒメジオンらしき花があり、右に植え込み?、左半分は草が茂っています。右方向から強い日差しが照りつけているようで、陰影が濃く、爽やかな雰囲気がありました、先ほどの「ひぐらしの鳴く」と比べると枯れ草の黄土色や光の加減など、色数が多いように思います。
1984年からは本格的に冬山に挑戦し、山そのものを描いた作品を制作するようになりました。犬塚はここで密度の問題にぶつかったようで、岩と草原では現実世界を再現するほど空間を埋められずに非現実のように傾いてしまっていたようです。しかし、1年かけて構想した「縦走路」という作品を見事描きあげました。
犬塚勉 「縦走路」 ★こちらで観られます
山の中の草原と尖った石が沢山転がった岩場(道?)を描いた作品です。石は1つ1つ描かれていて、密度で言えば草を描いた作品と同等のリアルさがあります。荒々しく、大きな画面も相まって圧倒されました。
この辺にはこの作品のためのスケッチなども展示されていました。この作品の後は、密度から色彩に関心を移していったようです。
1987年に入るとモティーフが画面を大きく占める作品を描くようになりました。展覧会にも積極的に参加し、評価もされていたようです。また、私生活ではこの頃 五日市町(あきるの市)の小学校に転任しているそうです(うろおぼえですが、もっと自然が観たいという理由だったかな)
犬塚勉 「山の暮らし」
画面いっぱいに描かれた切り株の作品です。木の質感がよく出ていて、風化した感じや断面の凹凸が表現されています。右から光があたり、強い陰影となっていて、左は背景の闇に溶け込むような感じでした。力強く雄々しい印象を受けました。
切り株を描いた作品は大きく2種類あるらしく、これは切り株そのものを描いた作品で、もう1つは風景の中のモティーフとしての切り株だそうです。
犬塚勉 「切り株と空」
こちらが風景と一緒に描かれたタイプの作品です。海際の草原にある切り株が大きく描かれ、その上に石(貝?)が置かれています。この切り株もリアルな質感で描かれているのですが、背景には海や空、草原、岩、月なども描かれているせいか幻想的な光景に思いました。
続いてはブナを描いた作品のコーナーです。犬塚はブナの文様の大胆さに強く惹かれ、ブナを観るために何度も山に足を運んだそうです。雪と組み合わせることでイメージを確立したようで、雪とブナの根元を描いた作品が並んでいます。
犬塚勉 「ブナの森からⅡ」
雪の積もったブナの根元を描いた作品です。太く直立した根が生命力を感じさせ、その幹からは風雪にさらされてきたブナの風格が伝わってくるようでした。
この辺には10分程度の映像のコーナーもありました。ここまで観てきた変遷のおさらいができます。
映像の後は絶筆を含む晩年のコーナーです。1987年8月のノートに、これまで線による描写に関心を示してきたが、色の面による表現を重視するという記載があるようです。また、1988年には「わくわくした期待と」不安を感じさせる入口」で始まり「困難な道中」を経て最後に「山頂の広がり」「天上」があるという3部作の構想を始めたそうです。ここにはそうした岩や渓谷の作品が並んでいます。
犬塚勉 「水音の囁く」
水辺の大きな岩を描いた作品です。ざらざらした岩肌や鏡のような水面が描かれているのですが、近くで観ると意外と平坦な色面で描かれているようでした。山の神秘的な雰囲気がよく出ているように思います。
この辺には水彩のスケッチも展示されていました。
犬塚勉 「暗く深き渓谷の入口Ⅰ」
絶筆となった2点のうちの1つです。大きな岩に落ちる滝がしぶきまでリアルに描かれ、周りは暗くなっています。自然への信仰のようなものすら感じる作品でした。
犬塚勉 「暗く深き渓谷の入口Ⅱ」
絶筆です。川とその周りの岩が描かれ、背景は緑だったそうですが黒く塗りつぶされています。そのためか、しんと静まりかえったような雰囲気がありました。大塚はこの作品の制作のために、もう一度水を見てくると家族に言い残し谷川岳に向かいましたが、遭難して38歳の若さで亡くなりました。これだけでも充分に凄いと思うのですが…。
この辺にはこの作品の構想やスケッチなどもありました。
と言うことで、全く知らない画家でしたが、一気に生涯の変遷と代表作を観ることができる充実の内容でした。会期が短いのが勿体無いくらいですので、気になる方はお早めにどうぞ。ちなみに亡くなったのは9/26なので、展覧会の終了日が丁度命日のようです。
日付が変わって昨日となりましたが、シルバーウィークの合間の平日の有給休暇を取って、日本橋タカシマヤの8階で「犬塚勉展-純粋なる静寂-」を観てきました。


【展覧名】
犬塚勉展-純粋なる静寂-
【公式サイト】
http://www.nhk-p.co.jp/tenran/20110905_125237.html
【会場】日本橋タカシマヤ ★この美術館の記事 ☆周辺のお店
【最寄】日本橋駅
【会期】2011/9/7(水)~9/26(月)
※営業時間・休館日・地図・巡回などは公式サイトでご確認下さい。
【鑑賞所要時間(私のペースです)】
1時間20分程度
【混み具合・混雑状況(平日12時頃です)】
混雑_1_2_3_4_⑤_快適
【作品充実度】
不足_1_2_3_④_5_充実
【理解しやすさ】
難解_1_2_3_④_5_明解
【総合満足度】
不満_1_2_3_④_5_満足
【感想】
この日は台風が接近していたこともあり、空いていてゆっくり観ることができました。
さて、今回の展示は犬塚勉という現代の洋画家の個展となっています。私はこの画家を全然知らなかったのですが、自然を神秘的に描いた作品のポスターが気になったので観に行きました。
まず簡単な経歴をざっと紹介すると、1949年に川崎で生まれ、6歳からは多摩で育ちました。工科系の学校に入ったようですが、画家を目指して東京学芸大学に進学し、卒業してからは町田の中学で美術教師として働きながら絵を描いていきます。1978年と翌年にスペインに旅行すると西洋とは異なるアイデンティティを自覚し、多摩の風景や夫人(1979年に結婚)を描いていくようになったようです。同じ時期には精神世界を視覚的に表現するのを学ぶため、仏教美術を題材とした作品もあります。1983年には盲腸とA型肝炎によって製作を中断することになりますが、その頃から作風が一転し、自然を写実的に描くようになりました。その後も作風を進化させながら活動を続けますが、1988年に谷川岳へ絵の取材に行った際、遭難して38歳で亡くなりました。没後、2009年にNHKの日曜美術館で紹介されると全国的に有名となり、このたびの展覧会となったようです。
展覧会は2部構成となっていて、110点あまりもの作品が並んでいました。詳しくは気に入った作品と共にご紹介しようと思います。
<第1部 画家としての変遷>
まずは作風の変遷を紹介するコーナーです。
犬塚勉 「自画像」
ちょっと髪の長い青年時代(26歳頃)の自画像です。やや上向きで目だけ横を見ている感じで、暗い背景に襟元の赤が目立っているように見えました。影の濃い印象を受ける作品でした。
犬塚勉 「アーチから出る人」
アーチのある建物と、手前に横断歩道が描かれた作品で、右には歩行者用の信号もあって現代の日本であることがわかります。しかし、アーチの石の質感や、そこから出てくる人のコートなどはいつの時代のどこの国か一瞬迷うような異国風の雰囲気があるように思いました。全体的に青みがかっていて、静かな印象の作品です。
この辺はこうした青っぽい画面の作品が多かったように思います。
犬塚勉 「フラメンコ」
赤いドレスを着た女性が立っている様子を描いた作品です。顔は描かれておらず、具象とも言い切れない感じです。背景は黄色っぽいざらついた壁のような感じで、MENCと文字があるのでフラメンコのことかな?? その色合いが女性の赤を引き立てていました。
この辺は具象のようで抽象的な要素のある作品がならんでいました。また、スペインに関する作品や、人物・馬を描いた作品もあります。
犬塚勉はスペインから帰国すると、日本や東洋に目を向け仏教的なモティーフや多摩の風景を描くようになったようです。また、1980年に北海道で雄大な自然をスケッチしたようで、この頃から登山に目覚め、のめりこんでいきました。1983年頃には実際の風景よりも幻想的な雰囲気が濃くなったらしく、この頃の仏教画も同じ傾向のようです。
犬塚勉 「多摩丘陵」
手前に畑、奥に家々が描かれた作品で、画面のあちこちに雪が舞っています。全体的に青く陰影がつけられていて、夕暮れ時なのかな? 非常に静かな印象です。解説によると、上から筆をおろして偶然に出来た形で雪を表現しているそうです。こうした表現方法はこの後も見受けられます。また、多摩の絵は終業後に描いているので夕暮れ時の絵ばかりとのことでした。
多摩では当初は草木を描いていましたが、次第に気に入った場所を繰り返し描くようになったそうです。そして、単なる写生に疑問を感じて方向性を見出せなくなった頃、アントニ・クラーヴェ(スペインの現代画家)の作品に感動し、大胆に素直に絵を描くことに立ち戻ったようです。
犬塚勉 「夕暮れの坂道」
全体的に青で描かれた作品です。手前には横に走る道と電柱、右の辺りには奥に向かってカーブしている登り坂、背景には木々や山が描かれています。手前の道にはピンクの花を持った女性が歩いていて、何故か懐かしいような風景となっていました。今でも田舎にいけばこういう風景はありそうです。
この辺は青や緑が静かな作品が多いように思います。
犬塚勉 「深き森へ」
青で描かれた森の絵に、左右や下の方に白く塗りつぶした部分がある作品です。塗りつぶしは一直線で、ローラーでも引いたような感じでした。飛沫のようなものも画面に飛び散り、大胆で実験的な雰囲気の作品でした。
その後は仏教画のコーナーとなっていました。1981年頃から仏教彫刻を写し始め、精神性や内面性の視覚化を学んでいたようです。やがてチベット密教やシルクロードにも対象を広げ、蓮や馬もよく描いたとのことでした。
犬塚勉 「観世音」
丸い光背を背負った観音像を描いた作品です。全体的に赤く、風化した質感を感じます。あちこちに赤や黒の斑点があり、絵の具のこぼしやたらしこみによる偶発的な効果を狙っているようでした。
犬塚勉 「自在なるものⅡ」
笛を吹く仏(飛天?)を描いた作品で、緑の地に黒く太い輪郭で描かれています。何となく棟方志功の版画を彷彿とするような…。素朴な力強さと神秘性を感じました。
この辺は抽象的な仏教画もありました。
犬塚勉 「森の赤馬と」
暗い緑と青が交じり合う森の中、赤い馬とそれに連れ添う女性が描かれています。抽象性があり、画面のあちこちに飛沫のような斑点もありました。画材は確認できませんでしたが、色がくっきりしていて馬が赤々として目を引きました。幻想的な雰囲気です。
この辺にはこうした馬を描いた抽象的な作品が並んでいました。
1983~84年にかけて、大塚は盲腸やA型肝炎で1ヶ月ほど入院することになりました。この年のノートには「一度死んだと思うべきだ」とあるそうで、製作できなかった1年を振り返っているようです。そして、これまでの幻想的な作風から一転、「ナチュラリティーとリアリティー」という方向性に向かっていきます。
犬塚勉 「頂B」
これは作風のターニングポイントの頃に描かれた、後の風景画のプロローグと言える作品のようです。山の頂上の2つの岩壁が描かれ、深い青空を背景に質感豊かに表現されています。風格や自然の厳しさを感じさせるようにそびえ立っていて、写実的でありながら自然への畏敬を感じるような作品でした。
<第2部 自然を描く>
体調を崩した後、犬塚は過去の制作を見直し、大量のスケッチなどを処分したそうです。そして、次第に多摩の草木や雑草の細密描写をはじめ、1984年の「ひぐらしの鳴く」で登山や自然への情熱をそのまま描くという画風を確立しました。1984年のノートに、関心があるのが山なので当面は山の絵を仕上げてみるという旨の記載があり、晩年まで山登りと制作が結びついていったようです。
犬塚勉 「ひぐらしの鳴く」 ★こちらで観られます
今回のポスターの作品で、キャンバス2枚を横並びにした大きめのサイズです。草原を目の高さくらいから見た風景で、右のほうに木がある以外は草がびっしりと描かれています。草の葉1本1本まで描かれているせいか、離れて観るとうっそうとした感じがあり、草の生命力を感じます。リアルなのに神秘的な感じすらあるように思いました。
犬塚はこの頃から自然そのままの「密度」に到達することを目指したそうです。写実的な表現のために草1本1本描くような超緻密な描写を行い、この密度の高さによって目に見える自然を再現できるか決まると考えていたようです。ここから先はこうした作品が並びます。
犬塚勉 「梅雨の晴れ間」
まるで写真のような密度の高い作品です。手前にヒメジオンらしき花があり、右に植え込み?、左半分は草が茂っています。右方向から強い日差しが照りつけているようで、陰影が濃く、爽やかな雰囲気がありました、先ほどの「ひぐらしの鳴く」と比べると枯れ草の黄土色や光の加減など、色数が多いように思います。
1984年からは本格的に冬山に挑戦し、山そのものを描いた作品を制作するようになりました。犬塚はここで密度の問題にぶつかったようで、岩と草原では現実世界を再現するほど空間を埋められずに非現実のように傾いてしまっていたようです。しかし、1年かけて構想した「縦走路」という作品を見事描きあげました。
犬塚勉 「縦走路」 ★こちらで観られます
山の中の草原と尖った石が沢山転がった岩場(道?)を描いた作品です。石は1つ1つ描かれていて、密度で言えば草を描いた作品と同等のリアルさがあります。荒々しく、大きな画面も相まって圧倒されました。
この辺にはこの作品のためのスケッチなども展示されていました。この作品の後は、密度から色彩に関心を移していったようです。
1987年に入るとモティーフが画面を大きく占める作品を描くようになりました。展覧会にも積極的に参加し、評価もされていたようです。また、私生活ではこの頃 五日市町(あきるの市)の小学校に転任しているそうです(うろおぼえですが、もっと自然が観たいという理由だったかな)
犬塚勉 「山の暮らし」
画面いっぱいに描かれた切り株の作品です。木の質感がよく出ていて、風化した感じや断面の凹凸が表現されています。右から光があたり、強い陰影となっていて、左は背景の闇に溶け込むような感じでした。力強く雄々しい印象を受けました。
切り株を描いた作品は大きく2種類あるらしく、これは切り株そのものを描いた作品で、もう1つは風景の中のモティーフとしての切り株だそうです。
犬塚勉 「切り株と空」
こちらが風景と一緒に描かれたタイプの作品です。海際の草原にある切り株が大きく描かれ、その上に石(貝?)が置かれています。この切り株もリアルな質感で描かれているのですが、背景には海や空、草原、岩、月なども描かれているせいか幻想的な光景に思いました。
続いてはブナを描いた作品のコーナーです。犬塚はブナの文様の大胆さに強く惹かれ、ブナを観るために何度も山に足を運んだそうです。雪と組み合わせることでイメージを確立したようで、雪とブナの根元を描いた作品が並んでいます。
犬塚勉 「ブナの森からⅡ」
雪の積もったブナの根元を描いた作品です。太く直立した根が生命力を感じさせ、その幹からは風雪にさらされてきたブナの風格が伝わってくるようでした。
この辺には10分程度の映像のコーナーもありました。ここまで観てきた変遷のおさらいができます。
映像の後は絶筆を含む晩年のコーナーです。1987年8月のノートに、これまで線による描写に関心を示してきたが、色の面による表現を重視するという記載があるようです。また、1988年には「わくわくした期待と」不安を感じさせる入口」で始まり「困難な道中」を経て最後に「山頂の広がり」「天上」があるという3部作の構想を始めたそうです。ここにはそうした岩や渓谷の作品が並んでいます。
犬塚勉 「水音の囁く」
水辺の大きな岩を描いた作品です。ざらざらした岩肌や鏡のような水面が描かれているのですが、近くで観ると意外と平坦な色面で描かれているようでした。山の神秘的な雰囲気がよく出ているように思います。
この辺には水彩のスケッチも展示されていました。
犬塚勉 「暗く深き渓谷の入口Ⅰ」
絶筆となった2点のうちの1つです。大きな岩に落ちる滝がしぶきまでリアルに描かれ、周りは暗くなっています。自然への信仰のようなものすら感じる作品でした。
犬塚勉 「暗く深き渓谷の入口Ⅱ」
絶筆です。川とその周りの岩が描かれ、背景は緑だったそうですが黒く塗りつぶされています。そのためか、しんと静まりかえったような雰囲気がありました。大塚はこの作品の制作のために、もう一度水を見てくると家族に言い残し谷川岳に向かいましたが、遭難して38歳の若さで亡くなりました。これだけでも充分に凄いと思うのですが…。
この辺にはこの作品の構想やスケッチなどもありました。
と言うことで、全く知らない画家でしたが、一気に生涯の変遷と代表作を観ることができる充実の内容でした。会期が短いのが勿体無いくらいですので、気になる方はお早めにどうぞ。ちなみに亡くなったのは9/26なので、展覧会の終了日が丁度命日のようです。
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