関東近辺の美術館めぐり ~美術・美景・美味を楽しむブログ~

ポーラ美術館の常設

企画展「肖像画の100年 ルノワール、モディリアーニ、ピカソ」の後は常設展を鑑賞。ポーラ美術館(箱根)のコレクションはレベルが高く常設も企画展と変わらないくらい面白いです。

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【公式サイト】
 http://www.polamuseum.or.jp/exhibition/04_02.html

【場所】ポーラ美術館
【最寄】強羅駅かな?
 ※営業時間・休館日・地図などは公式サイトでご確認下さい。
 ※写真はコンパクトデジカメで撮影しました。

【鑑賞所要時間(私のペースです)】
 特別展 1時間30分程度 + 常設展 1時間30分程度

【混み具合・混雑状況(土曜日11時頃です)】
 混雑_1_②_3_4_5_快適

【作品充実度】
 不足_1_2_3_④_5_充実

【理解しやすさ】
 難解_1_2_③_4_5_明解

【総合満足度】
 不満_1_2_3_4_⑤_満足



気に入った作品をいくつかご紹介。


<西洋画>
アルフレッド・シスレー 「セーヴルの跨線橋」 ★こちらで観られます
こういう風景って今でも津々浦々にあるのでは? どこか懐かしさを感じます。そして、煙を吐いて走る汽車が時代を感じさせてくれました。

アルフレッド・シスレー 「ロワン河畔、朝」 ★こちらで観られます
明るく爽やかな雰囲気を持った作品です。淡い色彩で穏やかさを感じます。風景と湖面に映った風景の微妙な違いにリアルさを感じますが非常に絵画的です。

クロード・モネ 「貨物列車」
この絵と次の「サン=ラザール駅の線路」は2007年に国立新美術館のモネ大回顧展にも貸し出しされた作品ですが、モネ展でもかなり気に入った作品で、再会できて嬉しいです。
左から右に疾走する汽車の煙に眼が行きます。背景には近代化した工場の長い煙突とその煙が見えます。牧歌的な部分と近代化した部分が入り混じっていて面白いです。

クロード・モネ 「サン=ラザール駅の線路」 ★こちらで観られます
蒸気と煙があたりを立ち込めている様子が描かれていて、駅や線路よりも蒸気を描いているかのようです。微妙な明暗があり、モネが心を注いだ光の表現を特に堪能できる作品です。

クロード・モネ 「セーヌ河の日没、冬」 ★こちらで観られます
この美術館は印象派、特にモネが好きな人には必見の作品が多いのですが、これもその1枚だと思います。「印象派」の語源となったモネの「印象 日の出」をちょっと彷彿するような風景ですが、こちらは河の夕暮れです。
自然の織り成すグラデーションと、溶けて浮かんでいる氷の塊が幻想的で、厳しい寒さが緩んだ穏やかさを感じます。

 ※参考 「印象 日の出」 

カミーユ・ピサロ 「エラニーの花咲く梨の木、朝」 ★こちらで観られます
常に様々な画風に挑戦し後輩にも慕われたピサロの人柄がよく出ている作品だと思います。新印象主義の点描を取り入れつつもピサロならでは構図で描かれているように思います。

ジョルジュ・スーラ 「グランカンの干潮」 ★こちらで観られます
点描と言えばスーラとシニャックかな。この作品もどこかで観た記憶があります。ブラウン管の技術とかも点描と同じなんじゃないかなと思いながら観ていました。
シニャックより点が小さいですが、点の1つ1つを見ると何だかよくわかりませんが、ちょっと離れると補色効果で様々な色合いに感じるのが面白いです。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「アザミの花」 ★こちらで観られます
ゴッホの作品は力強さを感じる作品が多いですが、これもその1枚といえます。ひまわりの緑バージョンみたいなw フォービスムへ影響を与えたのが直接的にわかります。

アンリ・ルソー 「異国風景」 ★こちらで観られます
想像の中の熱帯を描いた作品。猿が2匹ぶら下がっているのが可愛いです。葉っぱの1枚1枚が大きく描かれています。以前、素朴派は描かれた客体それぞれに焦点があっていて、遠近感はあまり意識していないという解説を聴いたことがありますが、これもそれを感じます。楽しい夢の中の風景みたいでほほえましいです。

モーリス・ユトリロ 「シャップ通り」
ユトリロ作品でも評価の高い白の時代の作品。2007年に千葉県立美術館のユトリロ展でも観たかな。漆喰の白、鉛色の空、白い壁 など、似たような色でも少しずつ違いがあります。こんな風景の町に行ってみたくなります。。。

オディロン・ルドン 「日本風の花瓶」 ★こちらで観られます
ルドンらしい神秘的な雰囲気の作品です。淡い色使いで、背景に花が溶け込んでいっているように見える部分もあります。花瓶は宙に浮かんでいるかのようでぼんやりしています。ボーっと花を眺めるときの心情に似てるかも。。


小企画展として「歿後40年 坂本繁二郎-白日夢の画人」をやっていました。

<歿後40年 坂本繁二郎-白日夢の画人>
坂本繁二郎 「母仔馬」 ★こちらで観られます
企画展のタイトル通り、淡い夢のような作風でした。母馬になつく仔馬が微笑ましく、温かみを感じる作品です。

坂本繁二郎 「馬屋の月」 ★こちらで観られます
こちらも馬の姿を描いた作品。馬の後姿と月光が静かな夜を思わせます。この作品からも温かみを感じました。


日本の西洋画や日本画も充実しています。ちょっとこの辺は早足で見ていました。

<日本画>
浅井忠 「武蔵野」 ★こちらで観られます
鷹狩をしてる図かな。この人の作品は西洋的な写実性のある作品で、日本の歴史的風景と画風のもつ雰囲気の対比が何度観ても新鮮に感じます。武士の凛々しい姿に力強さがありました。

黒田清輝 「野辺」 ★こちらで観られます
師匠のコランの影響が色濃く出ている作品。女性の清純さが強調されているようでした。

岡田三郎助 「あやめの衣」 ★こちらで観られます
黒田と同じくラファエル・コランに師事した画家です。色気を感じる一方で上品さを感じます。着物の色使いが鮮やかで、肩の白い肌がより一層白く見えるように思えました。

杉山寧 「洸」 ★こちらで観られます
結構最近の作品のようです。模様のようになった水面と異国情緒漂う牛と女性が印象に残りました。濃い色使いも新しさを感じます。

この美術館は絵画だけではなく、化粧品の会社らしく化粧道具や中国磁器などのコレクションがあります。
化粧道具の展示室では「アール・ヌーヴォーの銀製手鏡とガラス工芸」、東洋磁器の展示室では「フランスのみた東洋磁器」を鑑賞しました。
どちらもさらっと観てきましたが、こちらも貴重な品が展示されていました。化粧品のコーナーはアールヌーヴォー自体が好きなのでそこそこ楽しめました。中国磁器はよくわからない分野ですが、日本やフランスの磁器などに影響を与えたんだろうなーってのを感じる内容でした。

他にも各所に彫刻作品があり本当に盛りだくさんな美術館です。美術ファンなら一度は足を運んでおきたい美術館だと思います。きっと思わぬ再会もあると思います。

次回はポーラ美術館の近くにあるラリック美術館の感想を書こうと思います。


 2009年の箱根シリーズ
  鉄道の写真 【箱根旅行】
  箱根 彫刻の森美術館 その1
  箱根 彫刻の森美術館 その2
  箱根 彫刻の森美術館 その3
  箱根 彫刻の森美術館 その4
  大涌谷の写真 【箱根旅行】
  肖像画の100年 ルノワール、モディリアーニ、ピカソ (ポーラ美術館)
  ポーラ美術館の常設
  箱根ラリック美術館 館内の案内
  ラリック家の女神たち (箱根ラリック美術館)

 2010年の箱根シリーズ
  成川美術館の案内
  季節風 (成川美術館内のお店)
  芦ノ湖~大涌谷の写真
  箱根強羅公園の写真
  アンリ・ルソー パリの空の下で ルソーとその仲間たち (ポーラ美術館)
  アレイ (ポーラ美術館のお店)
  ポーラ美術館の常設(2010年秋)
  箱根ガラスの森美術館の案内
  カフェテラッツア (箱根ガラスの森美術館のお店)
  
 2018年の箱根シリーズ
  仁清と乾山 ―京のやきものと絵画―  (岡田美術館)箱根編
  岡田美術館の常設 2018年1月(箱根編)
  箱根の鉄道と周辺の写真(箱根編)
  戦後日本画の山脈 第一回 (成川美術館)箱根編
  箱根ラリック美術館のオリエント急行 [LE TRAIN] 箱根編
  ラリックの花鳥風月  ジュエリーと、そのデザイン画 (箱根ラリック美術館)
  箱根ラリック美術館の常設 2018年1月 箱根編
  山のホテルと箱根神社の写真 箱根編
  100点の名画でめぐる100年の度 (ポーラ美術館)箱根編
  ポーラ美術館の常設 2018年1月 箱根編
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コメント
こんばんは
はじめまして。
先日、ポーラに初めて行って来ました。
遠かった。1日がかりで小旅行みたいでした。
挙げられた中では、「セーヌ河の日没、冬」と「日本風の花瓶」。
この2点は気に入りました。他にも数点。

ところで混み具合の5段階はどんな感じで決めているのですか。
私が行ったのは平日の14時頃。1枚に2人弱という感じでした。
予想より混んでた。

まだ始めて1年強も初心者ですが、よろしくお願いします。
では、また。
2009/08/10(月) 23:57 | URL | ベンゼン #-[ 編集]
Re: こんばんは
はじめまして。コメントありがとうございます。
ポーラは確かに遠いですね。 しかしそれでも、自然に囲まれた環境であれだけのコレクションがあるのでまた行きたくなります。

> ところで混み具合の5段階はどんな感じで決めているのですか。
けっこう、適当に決めているのですが、1枚に2人弱くらいなら②くらいかな。
 ①入場制限してたり、見るのに列を組んで結構待つ
 ②どの作品にも数人程度が集まっている。見るのにちょっと待つくらい
 ③空いてる作品から順に見て回れるくらい
 ④たまに周りの人のペースを考慮するくらい
 ⑤貸しきり状態
ざっくりこんな感じかな。部屋が大きかったり作品が大きいと、あまり混雑を感じないので基準は流動的ですw ①②は混んでると思ってOKです。

またよろしくお願いします^^
2009/08/11(火) 12:16 | URL | 21世紀のxxx者 #-[ 編集]
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